2020年、長野県上田市に老若男女が集う交流施設ができた。井戸端会議ができたり、野菜や駄菓子を販売したり…ユニークな話題の場所を取材した。

自然と人が集まる「つなぐ家」

長野県上田市下武石
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石油ストーブを囲んで会話する住民たち。一角に目を向けると、野菜や駄菓子が並んでいる。

一角には野菜や駄菓子が…

ここは上田市下武石にある「つなぐ家」。住民の憩いの場になればと、2020年に設けられた。

つなぐ家・柳沢裕子さん:
(住民が)自然に集まってきてくださって、自ら動いてくださって、入ってくれるというか…。いい交流ができるのかな

「つなぐ家」があるのは旧武石村の中心部。かつては精肉店や鮮魚店が立ち並び、「武石銀座」とも呼ばれていた。

旧武石村の中心部にある「つなぐ家」

しかし、マイカーの普及などで徐々に下火になり、店主の高齢化などもあって20年ほど前に店はすべて閉じられたという。

かつては精肉店や鮮魚店が立ち並んでいたが…

武石地域の人口も1990年代は4200人ほどだったが、少子化の影響もあり3200人余りに減少した。

希薄になっていく地域のつながり。地元でギャラリーを営む柳沢さんは、寂しさと戸惑いを感じていた。

イベントで地域の雰囲気が少しずつ変化

つなぐ家・柳沢裕子さん:
シーンとしているというか、何をどうやっていいのか分からない。みんながね。それは感じました

そこで、まず住民が顔を合わせる機会をつくろうと、柳沢さんは2013年に地域の仲間と「つなぎ隊」を結成。

仮装大賞や歌合戦、マルシェなどのイベントを開くようになった。地域の雰囲気が少しずつ明るくなっていくのを感じた柳沢さんたち。

提供 つなぐ家

交流拠点もつくろうと、2020年7月に県の「元気づくり支援金」を活用して、武石銀座の元商店を改装し「つなぐ家」を開いた。

つなぐ家・柳沢裕子さん:
ここに来れば何かあるねっていう場所にしていきたいなと思って

野菜や駄菓子…楽しく買い物

つなぐ家は「商店」と「公民館」の機能を併せ持ったような施設だ。

野菜なども販売

スタッフや地元の農家が収穫した野菜の他、住民手作りのアクセサリーなどを販売していて、売り上げの一部で電気代などを賄っている。

野菜を持ち込んだ女性:
(畑で)採れたものがたくさんあったもんで、家で食べる分だけあればいいかなと。悪いけど、残ったものです(笑)。皆さんに買ってもらえるとうれしいです

 

次々に住民が訪れ、世間話をしながら買い物をしていく。

住民:
(つなぐ家は)ありがたいですよ。にぎやかになりましたしね

次々に住民が訪れる

子どもたちにも足を運んでもらおうと、駄菓子も販売している。

駄菓子を買いに訪れた親子

小学3年生:
(買ったのは)綿菓子と、チョコと…

父親:
(子どもが)お菓子が欲しいということで、来させてもらった。子どもがこういう交流の場を持てるのは良いこと

地域の“名人”とリース作り

2021年12月11日には、クリスマスに向けたリース作りのイベントが開かれた。

講師・金井修一さん:
(飾りを)こういうところに入れてくだ、自分の好きなところに

講師は地元の“名人”。親子連れが参加した。

地元の”名人”がリース作りを指導

講師・金井修一さん:
完成です

小学校3年生:
針金で葉っぱとかを巻くのを頑張った。100点

 

講師・金井修一さん:
だんだんとこういう活動が定着していけば、楽しい村づくりになると思う

世代を超えた交流の場に

リース作りの後はみんなで談笑。

参加した母親:
(学校で)大豆、育てて今度、収穫だね

つなぐ家スタッフ:
その大豆は、どうするんですか?

小学校3年生:
(去年は)豆腐にした

世代を越えた「つながり」がそこにあった。

参加した母親:
今のご時世、近所の方ともあまりお話ししないし、こういう場所があって「お茶でも飲んでって」と気さくに話しかけてくれるから来やすい、ありがたい。世代を超えて、昔の日本みたいな、すごく素敵な場所だなと思います

地域のつながりを復活させる家。このコンセプトや活動が評価され、「つなぐ家」はこのほど県の「元気づくり大賞」を受賞した。

つなぐ家・柳沢裕子さん:
一人一人が、喜びを感じて生きられる地域。そういう人たちがいっぱいいる、にぎわいというのかな、あたたかみのある「つながり」が、一番じゃないかと思っている

(長野放送)

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