2021年もTwitter上でさまざまな投稿が話題となり、中には数万にも及ぶ人からリツイートされる“バズる”体験をした人もいることだろう。
ただ、“バズりたい”という願望はあってもそうなるのは一握りで「実際バズったらどんなことが待ち受けるのか」は経験したものにしかわからない。
新たな年を迎える前に、今年バズッた投稿者に当時体験したことや、気になるその後を聞いてみた。
「実在が疑われる」置物みたいなヤモリ
ペットのかわいい姿は写真に撮って残しておきたいが動く生き物を撮るのは大変で、なかなか思い通りの写真が撮れないことも…。
しかし、4月にTwitterに投稿されたあるペットの写真が、「実在が疑われる」ほど完璧すぎると話題となった。それがこちら。
ウソみたいだろ。
— ニホンヤモリヤモヤモ (@CzFKncGgMY72pJ1) April 17, 2021
本物のニホンヤモリなんだぜ。
それで… pic.twitter.com/kxchjGlN3b
「ウソみたいだろ。本物のニホンヤモリなんだぜ。 それで…」
コメントとともに投稿されたのは、絵筆を持った“ドヤ顔”のカエルと、その隣でカエルの頭を撫でつつ笑みを浮かべているヤモリの置物…と思ったら、ヤモリの方は実は生きている本物!メスのニホンヤモリの「ヤモヤモ」ちゃんだという。
つぶらな瞳にキュッと上がった口角がニッコリした表情のように見え、カメラ目線と完璧なポージングも合わさって、まるで最初からこういった置物だったかのよう。

なお写真を撮る際にはサイレントシャッターを使用してシャッター音で驚かせないようにしている。また、ご飯前に写真を撮るのを習慣にすることで、撮っている最中は「そろそろご飯だ」と人に興味を持たせるようにしているのだそう。

この完璧な"モデルポーズ"を見せてくれている写真には「お人形さんと見分けがつかないくらいかわいい!」「ヤモリのイメージが変わりました」「癒やされました」といったコメントが多く寄せられ、12月下旬までに2万4000件のいいね!を集めている。

(関連記事:「本物なんだぜ」ヤモリの“モデルポーズ”が完璧すぎる!? 奇跡の一枚を撮るコツを聞いてみた)
モデルポーズはヤモヤモちゃんだけじゃない!
そしてモデルはもう一匹、同じくメスのニホンヤモリの「するめ」ちゃん。
「するめ」ちゃんは、コーヒー豆を挽くカエルの置物とテーブルをはさんで向き合う姿を披露。カエルとコーヒーの香りを楽しみながら待っている様子は映画のワンシーンのよう。

撮影者である飼い主さん(@CzFKncGgMY72pJ1)が写真を撮り始めたのは、たまたま置物にぴったりくっついていたヤモヤモちゃんのポーズに驚いたことがきっかけ。
初めて撮ったという写真には、浦島太郎の格好をしたカエルに寄り添うようにピッタリくっつくヤモヤモちゃんの姿が。この時から既にカメラ目線をバッチリ決めており、ヤモヤモちゃんのモデルの才能が天性のものであることがうかがえる。

ちなみにカエルの置物は、飼い主さんの家に住むようになった直後からシェルターの中に入れてもらっていたものだそう。慣れ親しんだ存在だからこそ警戒することなくリラックスでき、完璧なポージングに繋がっているのかもしれない。
ニホンヤモリの可愛さを知ってほしい
物語の1ページを切り取ったファンタジーのようなかわいい写真が話題となったが、バズったことで何かその後の変化はあったのだろうか? 現在のヤモリたちの状況も気になる。飼い主さんに改めて話を聞いてみた。
ーーなぜ「ウソみたいだろ。本物のニホンヤモリなんだぜ。」と、投稿をしようと思ったの?
多くの人はニホンヤモリの可愛さを知らないだろうと思い投稿しました。
ーー投稿は大きな反響となったけど、このくらい話題になると予想していた?
4年程ヤモちゃんのツイートをしており、ツイートに対して突然多くの反響を受ける事がありますが大体予想外です。

ーー「バズった!」と感じた日の様子を教えて。
何年か前に投稿したヤモヤモの動画に対し25万いいねを頂いた事がありましたが、その時は通知が大変な事になりました。それ以降は通知をしない設定にしていますので今回は平和でした 笑。
ーー多くの反響に対してはどのように思った?
ニホンヤモリが可愛いという事を伝える為のアカウントですので素直に嬉しかったです。「ヤモリが嫌いだったのに好きになった」と言って下さる方も多く、ツイートを続けていて良かったと思う瞬間です。
ーーリプライなどのコメントで、印象に残っているものはある?
「苦手だった爬虫類が好きになって飼育するまでになった」というコメントを頂いた事があり、とても嬉しく印象的でした。

27万いいねが付いた過去イチのバズりツイート
飼い主さんが過去一番にバズったツイートは、2019年11月に「正体がバレそうになり急にヤモリ感を出す」といったコメントと共に投稿したヤモヤモちゃんの15秒の動画だ。
旅に出かけるのか、帽子を被りカバンを持つカエルに、後ろから寄り添うように立つヤモヤモちゃん。

ヤモヤモちゃんはふとカメラ(人)の存在に気づいたのか、舌をチロチロ出しながらゆっくりとした動作で、カエルをつたいながら地面に降りる。

そして、最後には「自分は何もしていません」と何事もなかったかのように素知らぬ様子を見せているのだ。さっきまでカエルの置物と一緒にポーズを取っていたヤモリとは思えない。

正体がバレそうになり急にヤモリ感を出す pic.twitter.com/94Hp6iMrQV
— ニホンヤモリヤモヤモ (@CzFKncGgMY72pJ1) November 8, 2019
モデルが1匹増えていた
そして現在、実はモデルがもう1匹増えていた。
今年の9月に2日ほど動かないでいた所を保護したという小さなヤモリ。生後約3カ月未満のため性別は分からず、名前もまだ決めていないとのことだが、「チビヤモ」と呼んでいるという。
チビヤモちゃんもまだ幼いながらも、カエルが運転する車の後部座席に乗り、一緒にドライブを楽しんでいるかのような素敵なポージングを見せてくれている。キュッと微かに上がった口角や外の景色を見上げて楽しそうな雰囲気を感じる。

「やはり中に人が入っているような気が…」
ーー撮影時のヤモリたちの様子を教えて。
撮影時は基本的にご飯に期待して目をキラキラさせているのが、いつも可愛いです。
ーーご飯前の撮影を習慣としたことで、飼い始めと比べてヤモリたちに変化はあった?
基本的に関わるのが撮影・ご飯の時のみなので、人間=ご飯という感じはあると思います。夜になると物音を聞いて急いで出てきたりしますね 笑。気付くとみんなでこっちを見ていたりと可愛いです。

ーー撮影での注意点やコツは増えたりした?
特に変わりはないのですが、やはりご飯時間に効果的に短時間で関わる事が良い関係を築く事に繋がると思います。犬等の生き物は触れ合いやコミュニケーションを嬉しがるものですが、ヤモリはそうではないので、人間が良いイメージを持たれる方法がご飯しかないと思っています。夢のない話かもしれませんが 笑。
ーー現在のお気に入りの1枚はどれ?
1枚選ぶのは本当に難しいですが強いて選ぶのなら夏に撮れたこの写真です。理由はこちらもポーズが完璧でありヤモリ以外にはとれないポーズでもあると思うからです。

ーーちなみに、バズったりするとヤモリにご褒美があったりはするの?
ご飯の内容は健康管理によって量等を決めるので、これといってバズると内容が変わるという事はありません。もっと食べたいとキラキラこちらを見てくるヤモちゃん達に対して心を鬼にするという自分との闘いでもあります!
ーー完璧なポージングを見せてくれる3匹のヤモリをどう思っている?
とても大切な家族だと思っています。そして、やはり中に人が入っているような気がしています 笑。

バズるコツは意外性のある情報
ーーバズったことでツイートすることに対する意識は変化した?
アカウント開設直後から常に同じスタンスでのツイートを続けていますので、特に変わりありません。
ーーバズったことによる影響は何かある?
過去に何度かバズらせて頂きましたが、その都度フォローして下さる方は増えていっています。
ーーそのようなフォロワーとは現在も繋がっているの?
フォローし続けて下さっている方も多いのではと思います。交流については定期的にコメントを下さるフォロワー様もおります。
ーー今後どのような写真を撮影していきたい?
特に目標というものはありませんが、その時その時で撮りたい瞬間があるので、それを写真に残せたらと思っています(撮れない事が多い)。

ーーまた大きくバズってみたいと思う?
バズる事がそのままニホンヤモリの可愛さを知って頂く機会になり得るので、バズって欲しいと思う気持ちはあります。
ーー次にバズるならどんなネタがいい?
ニホンヤモリは壁に張り付く事ができたり、とても神秘的な生き物なので、そういった豆知識のような情報が広く知られるきっかけになると嬉しいかもしれません。
ーーこれからバズりたいと思っている人にアドバイスをお願い。
ヤモちゃんでバズった写真や動画はどれも爬虫類の可愛さや生態等、意外性があったり一般的には知られていない内容であったりしたので、そういった面のある情報を面白がって頂けたのだと思います。是非あなたの知っている意外な情報を発信してみて下さい。

飼い主ですら「中に人が入っているのでは?」と思ってしまう姿を見せてくれるヤモリたち。あまり知らなかったヤモリの魅力を知るきっかけになった人も多いのではないだろうか。
世の中の爬虫類に対する気持ち悪いという先入観を取り払いたいという思いで開設したというアカウント。今後もかわいらしい完璧なポージングで多くの人を魅了していってほしい。