10月末、愛知県で行われた卓球の中学生以下の全国大会、「全日本卓球選手権 カデットの部(中学生以下)」
過去には、福原愛さんや石川佳純選手など名だたる選手が優勝していて、トップ選手への登竜門と言われている大会だ。

全国から集まった卓球少年少女たちの中に、ひときわ小さな女の子が…
今大会最年少出場の、松島美空(まつしまみく)ちゃん、小学2年生。
中学生に挑む8歳の挑戦を追った。

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「練習より試合が好き」卓球漬けの毎日

学校が終わると毎日、お兄ちゃんと仲良く下校する美空ちゃん。

美空ちゃん:
ただいま

美空ちゃんの父 卓司さん:
やることやりや、宿題とか

放課後は、実家が営む卓球場でお勉強。
そして、お昼寝をするのが日課だ。

目を覚ますと…始まるのは猛特訓。
元実業団の選手で、コーチを務める両親のもと、妹の愛空(あいら)ちゃん(5)、兄の翔空(とあ)くん(11)と共に、卓球漬けの毎日を送っている。
父、卓司(たかし)さんの指導にも熱が入る。

7年前、1歳の時には、すでにラケットを握っていた。

(Q.卓球は好き?)
美空ちゃん:
試合が好き。練習より試合が好き。
パパが優しい時は楽しいけど、怒られるから怖いねん

「とにかく負けず嫌い」小2以下の大会では圧倒的強さ

松島家は卓球一家。
長男は、全日本選手権で小学生6連覇を達成した輝空(そら)選手(14)。
現在は、京都の実家を離れ、卓球プロリーグの「Tリーグ」などで活躍している。

そして美空ちゃんも2021年、「全日本選手権バンビの部(小2以下)」で優勝。
相手に1ゲームも奪われることなく、圧倒的な強さを見せた。

母 由美さん:
(美空は)輝空と同じような感じで、とにかく負けず嫌い。何でも1番がいい、勝ちたいと思って頑張っています

父 卓司さん:
どんどん試合に出たり、勝ったり負けたりして経験積んで、技術もそうですし、心も成長していくという感じ

小学2年生で「中1まで」の全国大会に出場…目標はベスト8

そんな同年代最強の卓球少女が次に挑むのは、中学1年生までの全国大会。
小学2年生での出場は、極めて異例だという。

美空ちゃん:
パパに、『年上とやるなら美空より強いから思い切ってやれ』って言われているから、思い切ってやる。
(Q.大会の目標は?)
なんやったっけ、あの名前…ベスト8や!
(ベスト8に入ったら)パパに、一番新しいケータイ買ってもらう

目標と「ケータイ」をかけた大会当日。
全国の予選を勝ち抜いた強者たちが集まる。
中には、東京オリンピック銅メダリストの張本智和選手を兄に持つ、張本美和選手(中1)の姿も。

迎えた初戦の相手は、3歳年上の小学5年生だ。
お父さんからの言葉通り、思い切りのいいプレーで得点を重ねると、見事ストレートで勝利。
続く試合もスマッシュが冴え、勝利する。

そして中学生との対戦になった4回戦。
初めて第1ゲームを奪われる。

父 卓司さん:
勝つ気あんの?スマッシュ外して

お父さんからのきびしい檄に、思わず涙が…

父 卓司さん:
ミスしてもいいやん。しっかりやることやったらいいやん

涙を拭いてコートに戻る。
心を整え、深く深呼吸…
逆転勝利で「ベスト8」に王手をかけた。

ベスト8に王手 相手は中学1年生

この試合直後、美空ちゃんがやって来たのは、次男、翔空(とあ)くんの応援だ。
「この大会で勝ったことがない」と話していた翔空くんだが、粘りの卓球で「ベスト16」まで駒を進めた。

きょうだいで勢いにのって、目標と「ケータイ」をかけた運命の5回戦へ。
相手は、大阪の名門卓球アカデミーに所属する中学1年生。
まさに大一番だ。

序盤、持ち前の「攻める卓球」で、第1ゲームを先取する。
しかし、徐々に体格とパワーの差が表れ2ゲームを連取される。

母 由美さん:
試合、自分で捨てたらあかん

最後まで貫いた攻める卓球だったが…
目標にしていたベスト8には一歩及ばなかった。

それでも小学2年生での「ベスト16」は大会初の快挙だ。

父 卓司さん:
試合で強くなる子ですよね。追い込まれれば追い込まれるほど自分の中に秘めている力が出てくるし、試合をこなすたびに強くなってきてたんで、本当によく頑張ったと思います

美空ちゃん:
うーん、4回勝ったけど、目標達成できなかったのが悔しかった。
(Q.4回勝ったのは全部年上、すごいね)
それはとても嬉しいけど、最後負けたのがめっちゃ悔しい

大会を通じ、またひとつ強くなった美空ちゃん。
秘めた力はどこまで伸びるのだろうか。

(関西テレビ)

関西テレビ
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