「店頭での購入時や持ち帰るときに恥ずかしい」「パッケージをもっとおしゃれにしてほしい」といった声があるという、大人用“紙おむつ”。

こうした声を受け、大王製紙の大人用紙おむつブランド「アテント」は、“かくさない”ことがポイントのパッケージの開発に着手。

そして、大人用紙パンツのイメージをパッケージから前向きに変えていくため、ユーザーの声を聞きながら、一緒にデザインした「アテント かくさないパッケージ」を生み出し、2021年8月に1000個限定で抽選発売していた。

この好評を受け、11月11日の「介護の日」からオンラインショップ限定で一般販売を開始した。

「アテント かくさないパッケージ」(提供:大王製紙)
この記事の画像(6枚)

入っているのは“下着爽快プラス超うす型パンツ”で、大王製紙独自の「伸び・ワザ素材」により紙パンツをはいた際のモコモコ感を抑え、下着のようなはき心地と洋服の上からも目立たないすっきりとしたシルエットにこだわった大人用紙パンツだ。

パッケージのポイントは2つ

「アテント かくさないパッケージ」のポイントは2つある。

1つは「パンツをかくさない」。

抽象的なデザインの白い部分は、実はパンツのフォルム。これは大人用紙パンツをかくすのではなく、美しくデザインすることで堂々と持ち歩けるような世の中の空気を変えていきたい、という願いを込めたから。

パンツをかくさない(出典:「かくさないパッケージをつくろう」キャンペーン特設サイト)

2つめのポイントは「情報は裏面にわかりやすくまとめる」。

吸収回数やサイズ、入っている数、使用方法など必要な情報は、すべて裏に集約。優先順位をつけて整理し、わかりやすくまとめている。

情報は裏面にわかりやすくまとめる(出典:「かくさないパッケージをつくろう」キャンペーン特設サイト)

たしかに部屋に置いてあっても違和感のないおしゃれなデザインだ。


では、これまでにない大人用紙おむつのパッケージだが、8月の抽選販売の購入者からはどのような声が届いているのか? また、オンラインショップ限定販売とする理由は何なのか?店頭販売はいつ頃になるのか?

大王製紙の担当者に話を聞いた。

堂々と大人用紙パンツを持ち歩くことのできる社会に

――開発のきっかけは? 

アテントブランドが発売40周年を迎えるにあたり、紙パンツや介護の問題について恥ずかしいこととして隠すのではなく、もっとオープンにみんなの話題にすることで、誰もが自分と関わりがあると認識し、社会全体で支えるようになる、つまり「介護の社会化」を目指すブランドとして、「アテント」が幅広い年代に認知されることを狙い、去年8月よりキャンペーンを開始しました。 

上記の呼びかけに対して、生活者の声を聴き、それに応えることを目的に「#常識をはきかえよう」への意見投稿を呼びかけました。そこに「大人用紙パンツのパッケージはいかにもおむつというデザインで、レジでの購入や買い物帰りに持ち歩くのが恥ずかしい」との声が寄せられました。

その声に応えたのが、今回の「かくさないパッケージプロジェクト」です。堂々と大人用紙パンツを持ち歩くことのできる社会、眼鏡や杖のような便利な道具として、必要な時には当たり前に 紙パンツを頼ることができる社会になってほしいとの願いをこめて、形にしました。 


――こだわった点は?

「#常識をはきかえよう」に寄せられた、幅広い年代の意見を反映させるという点です。「かくさないパッケージ」をつくるにあたり、「#常識をはきかえよう」で幅広い世代に意見を募ると同時に、オンラインで座談会を行いました。

介護福祉のプロフェッショナルや家族の介護をしている方、実際に使っている方、使ったことがない若い方など様々な立場の方に参加いただきました。そして、その様子を、イラストを使いながらSNSで発信していき、見た人が気軽に議論に参加できるよう工夫し、プロジェクトの進め方自体も隠さず、オープンにすることを意識しました。 


――パッケージデザインの決め手は?

集まった声をもとにデザイン案を複数、作ったところ、SNSでも座談会でも人気の案が分かれ、どのように選んでいけばいいか、とても悩みました。

最終的には、このプロジェクトの本質である「かくさない」ことを、一番ポジティブに体現してくれる案を、意志を持って選びました。その選定の過程も想いも、正直に発表することで、たくさんの賛同の声をいただくことができました。 

「アテント かくさないパッケージ」(提供:大王製紙)

利用者「ぜひ、お店でも販売してほしい」

――8月の抽選販売は、なぜ1000個限定の抽選販売にした?

「かくさないパッケージプロジェクト」で完成デザインの発表を行ったところ、たくさんの反響をいただきました。

しかし、デザインとして評価が高くても、本当にお金を出して、買っていただけるかの確信が持てませんでした。この懸念を払しょくするために、まずは数量限定で販売して、実物を手に取ってもらい、その評価を確認することで店頭発売につなげていきたいと考えたからです。 


――抽選販売では、どのぐらいの応募があった?
 

予定の1000個を上回るご応募があり、抽選のうえ、結果を発表いたしました。


――抽選販売で購入した方、実際に利用した方からは、どのような声が寄せられている?

ツイートでは、以下のような多様なご好評の声をいただきました。

「使う人の気持ちを一生懸命考えてくれたんだなという優しさを感じる」
「素敵!楽しい老後生活を送れる国にしましょう!」
「消費者のことをすごく考えてくれるメーカーさん」
「買う時も部屋に置いておく時も良い」
「若くして介護している世代や自分用に買うのを躊躇してしまう世代も買いやすい」
「ぜひ、お店でも販売してほしい」


――一般販売を決めた理由は? 

抽選発売の時に、抽選にご応募いただいたのにお買い求めいただけなかったとの声を多くいただきました。これを受けて、店頭販売に向けての調査も踏まえ、一般販売の開始を決定しました。

「アテント かくさないパッケージ」(提供:大王製紙)

現在のデザインは通信販売限定の表記基準

――一般販売は、なぜオンラインショップ限定? 

現在のパッケージデザインでは、業界団体の表記基準において、通信販売限定となっております。今回の一般販売の反響を確認しつつ、店頭販売が認められる表記を反映したパッケージデザインの制作を進めています。 


――業界団体の表記基準のどのような点に引っかかっている?

一般社団法人日本衛生材料工業連合会の紙おむつの表示ガイドラインに基づいております。

店頭販売用のパッケージには、パッケージ表面に、吸収回数、1 回あたりの吸収量を150ccで計算していること、サイズ、パック入り枚数を表示しなければなりません。現在、かくさないパッケージは、これらの情報を全て裏面に表記しています。

店頭販売の商品とするには これらの情報を伝える必要があるため、購入画面でこれらを明示できるweb限定としております。 


――店頭で販売するためには、デザインをどのように変える必要が出てくる? 

紙おむつの表示ガイドラインに沿って、情報を加える必要があります。また、紙おむつには、多くの種類があります。弊社だけでも、他に5種類ございます。

これら、種類やサイズの違いを明確に伝えることができ、シンプルに商品情報と特徴が伝わるデザインを開発しなければなりませんので、今回の販売で多くの意見を伺い、店頭発売を目指して参ります。 

できるだけ、現状のデザインをかくさないパッケージのデザインに近づけていきたいと考えて います。


――店頭販売はいつ頃になりそう?

現在のところ、未定です。オンラインショップでの一般販売での反響を確認し、できるだけ早く、店頭販売を目指して参ります。 


大王製紙がユーザーの声を聞きながら作り上げた、大人用・紙おむつの“”かくさない“パッケージ。これをきっかけに、紙パンツや介護を取り巻く状況、そして、世の中の意識が、よりよく変わっていってほしい。