コロナ禍でパソコンを清潔に使いたいという人もいるだろう。
こうした中、サンワサプライ株式会社(岡山市)が水で丸洗いができる「抗菌防水防塵キーボード」を11月に発売した。
「粉塵が中に入らない」「継続的に水没しても内部に浸水することがない」を満たす防水・防塵クラスのIP68をクリアした設計で、汚れが付いても真水・水道水で洗い流すことができるのだ。
それだけでなく、キーボードの材質に抗菌剤が練り込まれており、大腸菌や黄色ブドウ球菌の繁殖を抑えてくれるという。
また、キー入力をロックする機能もあり、パソコンに接続したままキーボードをウェットティッシュやアルコールで拭き取ることができる。清掃中に誤ってキーを押しても反応しない仕組みとなっている。
柔らかすぎず硬すぎず“押す感触”に苦労
仕事中に、食べ物をこぼしてキーボードを汚すことがある。また会社のパソコンだと、いつの間にかホコリがたまっていることも多い。施設などで複数人がさわるキーボードもあるだろう。そんな時に水で丸洗いできるのであれば、たしかに便利そうだ。
防水キーボードはこれまでも各社から発売されているが、防水機能の特徴などサンワサプライの広報担当者に話を聞いた。
ーー水で丸洗いできるキーボード開発のきっかけは?
丸洗いできるキーボードや、キーボードをアルコール消毒したいという要望があったためです。
ホコリが多い環境や、複数人が1つのキーボードを使用する環境などでは表面の汚れをきれいにしたいというお声がありました。細かいところまで気を付ける必要があるふき取りではなく、水道水で一気に汚れを落とせる方が手軽なため、防水機能を高めた丸洗いできる製品にしました。
ーー水で丸洗いできる以外のこだわり部分は?
キーボードの材質に抗菌剤を練り込み、より安心して使用できるようにしました。ケーブルを接続したままでもキーボードを清掃できるようにキー入力ロック機能を付けました。
また、昨今の感染症対策の一環から、消毒や抗菌も需要がある機能の一つでした。一般的なプラスチックのキーボードではなく、シリコン樹脂を採用したためキーの隙間が無くなり水分を簡単に拭き取ることができます。
ーー防水仕様にするのにどのような点に苦労した?
キーを押した感触が一般的なキーボードと異なる点です。柔らかすぎても押しにくく、硬すぎても押しにくいので、シリコン樹脂の硬さの調整が難しかったです。
水面下1m以内、30分くらいは水は侵入しない
ーー丸洗いが可能とのことだが、水の中に長時間入れておいても大丈夫なの?
「長時間」の定義にもよりますが、故意に水につけておくことは推奨しません。防水性能としては水面下・15cm〜1m、30分くらいは問題なく水の侵入はしません。
ーー使用する時の注意点を教えて。
・消毒を行う場合は消毒液を直接製品にかけず、マイクロファイバーの布に染みこませ、キーボード表面を軽く拭いてください。
・本体の防水性能は真水・水道水にのみ対応しており、温水や塩水、洗剤、薬品、汗、コーヒーやジュースなどには対応しておりません。真水・水道水以外の水分(コーヒー・ジュースなど)が付着した場合は、速やかに常温の水道水で洗い流してください。洗う際にブラシなどは使用せず、手で洗ってください。
・洗濯機や超音波洗浄機などで洗わないでください。
・本体が濡れている状態では、絶対に使用しないでください。水が付着したままで使用した場合、故障・発熱などの恐れがあります。
・ケーブルのコネクタ部分は防水ではありません。ケーブルのコネクタ部分に水がかからないようにしてください。
ーーどのような人にオススメしているの?
病院や介護施設、工場・物流倉庫、公共施設の方にオススメできるものとなっております。
病院や介護施設などは、清潔さが必要となり、手が濡れた状態でキーボードを使用する場合がある。事務所で複数人が1つのキーボードを使用することが考えられるため定期的に掃除をするほうが衛生的であるためです。
工場・物流倉庫では、ホコリや塵が発生しやすく機器が汚れやすいため、定期的に洗えると長く機器を使うことができます。また病院や介護施設などと同様に、複数人が1つのキーボードを使用することが考えられるため定期的に掃除をするほうが衛生的なためです。
公共施設でも清潔さが必要となり、パソコンコーナーは複数人が1つのキーボードを使用することが考えられるため定期的に掃除をするほうが衛生的です。
ブラック、ホワイトの2種類のカラーバリエーションがあり、家電量販店や直販サイト「サンワダイレクト」から標準価格19580円(税込)で購入できる。現在は2色展開となるが、ユーザーからの要望があれば他のカラーバリエーションも検討するとのことだ。
隙間掃除が苦手な面倒くさがりの人や常に清潔でいたいといったキレイ好きな人にはぴったりかもしれない。