東京都八王子市を流れる北浅川にかかるこちらの橋。
橋の近くには「警告」と書かれた看板が設置されています。

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実はこの橋、国でも自治体でもなく周辺の住民などの手で「勝手に作られた橋」。
通称“勝手橋”と呼ばれています。
めざまし8は現地を取材し、“勝手橋”の実態に迫りました。

「全国で1万を超える可能性も」建設事務所が住民に撤去の訴え

東京都八王子市を流れる北浅川にある“勝手橋”を調査してみると、

めざまし8リポーター:
近くで見ますと鉄パイプと鉄板と素材はシンプルなもので
作られているので簡易的な作りとなっています。

欄干はなく、幅も人がすれ違うのがやっと。

自転車を押して歩くと、ギリギリの状態になります。
さらに、橋を渡っている人の目線で見ると、かなり狭いのがよく分かります。

めざまし8リポーター:
近くで見るとこの橋の幅が本当に狭いですね。
1メートルもないのでここを1人で渡るのは足元が怖いなという印象があります。

橋の幅が狭く、快適に渡れる橋ではないことが分かります。
さらに、近畿大名誉教授 米田昌弘氏に“勝手橋”の現状を聞くと、

近畿大名誉教授 米田昌弘氏:
小さい橋もありますので、全国、場合によっては1万を超える可能性も、
あるかもわかりませんね。自治体は関知しないところで、橋をかけました。
その時に事故が起こった時に誰が責任取るんですかという問題。

こうした「管理者不明の橋」が、全国で1万以上あるといいます。
そもそもなぜ、住民たちはこのような橋を作ったのでしょうか?

近隣住民:
これが無いとすごい不便です。

Qあちらの橋を通るとかなり遠回りになる?
近隣住民:
そうですね。

この橋から直線距離でおよそ350m行ったところには、陵北大橋というしっかりとした橋がかかっています。しかし、市街地へ向かうには遠回りとなるため、住民たちの手で作られたこの“勝手橋”を多くの人が利用しているというのです。

そして、この橋は川が増水すると、これまで何回か流されてきましたが、その都度、住民が修復してきました。

川を管理する南多摩西部建設事務所によると、

南多摩西部建設事務所:
橋を作る場合は占用許可申請が必要で、正式な手続きを踏んでいないため、
橋として認めていません。住民に撤去を求めています。

さらに、めざまし8が取材を進めると、東京23区内にも“勝手橋”とみられる橋がありました。

“近道になる” 危険を感じながらも通行 管理者不明の橋の把握には差が…

こちらは東京・大田区のJRなどが走る高架下。そこには水上に浮いているような歩道が。
実際にリポーターが向かってみると、

めざまし8リポーター:
大田区地域基盤整備課第一課も注意書きをしています。
柵と鉄板で簡易的に作られている印象ですが、柵の横には穴も開いていますし、
鉄板の下の方見てみますと、隙間があって下の水が見えるような状態です。

さらに、男性が通る際には、かがんで通る姿も見受けられました。
この橋も国や自治体などの許可を得ていない“勝手橋”とみられます。

そして、こちらは視聴者が撮影した映像。

横を見ると大きな穴が空いているのが分かります。すぐ頭上を電車が通過し、貼り紙には「事故・けがについては自己責任」の文字もあるのが確認できます。

橋の利用者に話を聞くと、

利用者:
人・自転車が通るためになくてはならない道なんです。これは大切な道です。

Qよく利用する?
利用者:
もう毎日です。毎日。

Q渡るのは怖くない?
利用者:
今日みたいに天気の悪い日は特に水滴も落ちてきますし、
大丈夫かなって思うことはあります。

利用者は危険を感じることもあるといいますが、線路を渡る近道になるため、
この橋を利用するといいます。

住民たちの利便性か、それとも安全性か、事故があった場合の責任はどこへ。
今こうした、住民たちの手によって勝手に作られた“勝手橋”の管理が問題となっているのです。

では、今後どうするべきなのでしょうか。

近畿大名誉教授の米田氏によると、事故が過去にあったことから、都道府県側に橋の管理者の把握を求めるようにしたといいます。
しかし、その結果報告を受けるようなシステム作り、義務化はしていなかったため、都道府県ごとに管理者不明の橋の実態把握には差が出来ているという現状のようです。

さらに、米田氏は、いかにその橋が公共性があるかを調査し、本当に必要な橋は自治体などが管理、そうでない橋は安全面から撤去するべきであると指摘しています。

(めざまし8 「NewsTag」 11月23日)