環境省がまとめた、愛媛県内で2019年度に殺処分されたネコの数は1887匹。全国の都道府県でもトップレベルの多さになる。
理由のひとつに、他県と比べて保健所などに引き取られるネコの数そのものが多いということがある。
そして、このうちの約65%が新しい引き取り手が見つからないまま、殺処分されるという悲しい現実もある。
殺される命を少しでも減らしたいと奮闘する人たちを取材した。

多いときには100匹超…「多頭飼育崩壊」の現場

愛媛・松山市内の住宅。
敷地内にはたくさんのゴミの山、ところどころにネコの姿が見える。

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元々この家で飼っていたネコが、野良ネコなどと繁殖して増えたもので、最も多い時には100匹を超える状態になったという。
各地で問題になっている「多頭飼育崩壊」。

(Q:最初に飼っていたのは?)
住んでいる男性:
2匹です。(管理は)できる範囲ですよね。極力時間を作って。さすがに野良ネコが集まってきて、子ども作ったりして増えてしまうと、どうにも…

この状況を知った地元のNPO団体が、2021年9月ごろからネコの保護に乗り出した。ネコの性別や健康状態を、細かくチェックして管理。感染症を防ぐためのワクチン接種や、敷地内のゴミの片付けなども進めている。

(Q:独特の臭いは?)
NPO「わにゃんこ愛媛」のスタッフ:
アンモニアですね。目が痛くなるでしょう

しかし、今も室内は動物の排せつ物による臭いがこもり、劣悪な環境が続いている。

目の前で殺される命「とにかく助けなきゃ」

NPO「わにゃんこ愛媛」・倉瀬奈々子さん:
初めて見た時は本当に衝撃ですね。ネコの目とかが死んでる。もう表情が無い。ガリガリ。栄養失調状態

10月末には東京のNPO法人が獣医師チームと松山入りし、ネコがこれ以上は増えないよう去勢手術を行った。

半年以上にわたる活動で、これまでに32匹を保護したそうだが、問題の解決にはまだまだ時間がかかるという。

NPO「わにゃんこ愛媛」・倉瀬奈々子さん:
殺処分でどんどん殺されてて、わたしも保健所に出入りしていたんですけれど、本当にそこに目の前に命があるのに、それを殺すという感覚が、ちょっと理解できなくて。とにかく助けなきゃという。それだけですね

殺処分されるネコを少しでも減らしたい。
その一心で活動を続ける。

不幸な動物を減らすためにできること

不幸な目に遭うネコなどを減らすため、これらの団体の活動以外にわたしたちにできることはないだろうか。

行政機関が引き取ったネコやイヌに、新たな飼い主を探すのは限界がある。
特にネコは繁殖力がとても強く、1匹のメスネコが1年で20匹以上を産むということで、まずは不必要に増やさないことが大切。

そこで環境省は、飼いネコについては「野良ネコと触れ合わないよう室内で飼う」「不妊・去勢手術する」などの対応を取るよう呼びかけている。

また、野良ネコも「かわいそうだから」という気持ちだけでエサをやると、どんどん集まり、繁殖する原因になるので避けるべきとしている。

命を扱う責任について、きちんと考え行動することが、動物たちの命を救うことになる。

(テレビ愛媛)