長崎県内に早産で小さく生まれた子どもと、そのママたちのサークルがある。

厚生労働省の統計では、生まれてくる赤ちゃんの1割近くが2500グラム未満の低出生体重児、いわゆる未熟児。サークルでは成長の喜びや育児の悩みなどを共有するとともに、低体重で生まれた子どものための母子手帳のサブブック「リトルベビーハンドブック」の導入を目指して活動している。

小さく生まれた子どもたち 母が感じる成長

海をバックにポーズをとる親子。カメラに写るのは、早産で小さく生まれた子どもとそのお母さんたち。

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撮影会の参加者:
プルプルする~重たい!

子どもを抱き上げ、ずっしりとその重みを感じられることも、お母さんたちにとっては大きな喜び。

五郎丸光さん:
605グラムととても小さく生まれたけど、ここまで頑張って成長してくれてうれしい。頑張ったね

ーー撮影はどうだった?

白井悠月くん(4):

楽しかったです!

白井千恵さん:
普段は慌ただしくて昔のことを思い出すことはなかなかないけど、改めてあんなに小さかったのにな、という思いです

出産後の孤独感や悩み…共有できる場をつくりたい

撮影会を企画したのは杉村優子さん。杉村さんは、2019年10月に次男の奏空くんを予定より約3カ月早く、1020グラムで出産した。

杉村優子さん:
(産まれた時は)おぎゃーって小さい声で泣いてくれたのでほっとしたんですけど、すぐにNICU(新生児集中治療室)に運ばれるので。本当だったら産んですぐに抱っこして抱きしめてあげて、おっぱいあげてとできたかもしれないのに、それができなくて寂しい思いがいっぱいでした。保育器の中の息子を見て、ごめんねと思って泣いてしまって

杉村さんは助産師で、予定より早く出産した人のケアにあたったこともあった。自分が小さな赤ちゃんを産んで一番感じたことは、周りに同じようなお母さんがおらず、孤独だということだった。

杉村優子さん:
退院後、地域の助産師さんに早産のお母さん達のサークルや集まる場があるか確認した時、いま長崎市にはないんだよねって言われて。ないなら皆さんどうしてるんですかねって。困った時に誰かに寄り添ってもらったりできないんですか?と思った

それなら自分がそういう場を作ろうと、2021年に「長崎リトルベビーの会 Lino(りの)」を立ち上げた。

子どもの成長の喜びや育児の悩みなどを共有するとともに、低体重で生まれた子どもの成長を記録できる手帳「リトルベビーハンドブック」の長崎県内への導入を目指して活動している。

2021年8月には、県に作成を求める要望書を提出した。

「リトルベビーハンドブック」は母子手帳と何が違う?

小さく生まれた赤ちゃんの多くは、身長や体重の増加、運動機能の発達がゆっくりで、一般に配布される母子手帳では記録できない項目がある。

国際母子手帳委員会・板東あけみ事務局長:
(日本の母子手帳は)世界で初めての母子健康手帳だが、日本のがパーフェクトかというと、そうではない。体重のグラフは1kgからしかないので、赤ちゃんが1kg以下のママは書こうと思っても書く場所がない。発達の「はい」と「いいえ」のチェック項目では、「いいえ」が続くと記入が止まってしまう

これは静岡県が作成したリトルベビーハンドブック。

体重の表示はゼロからで、出生時の体重別に発育の目安が書かれている。子どもの成長を細かく記録できるページもあり、母子手帳で記載が難しい部分をこの手帳で補うのだ。

リトルベビーのお母さんにエール 写真展を開催

「長崎リトルベビーの会」は、小さく生まれた赤ちゃんたちのことを知ってもらおうと写真展を開く予定。11月17日の世界早産児デーに合わせて、19日から30日まで長崎市のコクラヤギャラリー東長崎店で開催する。

長崎リトルベビーの会・杉村優子代表:
NICUで頑張っているお母さんたちに、こういうふうに成長していけるんだよって未来の赤ちゃんたちの姿を見てほしいなというのと、一緒に頑張ってくれたNICUのスタッフ、看護師、助産師、先生方に感謝を伝えたい

リトルベビーのお母さんたちにエールを贈るとともに、赤ちゃんの生きる力や命の尊さを伝える写真展となりそうだ。

(テレビ長崎)