ハロウィンの夜、走行中の京王線車内で乗客を切りつけるなどして逮捕された服部恭太容疑者。なぜジョーカーに憧れ、凶行に及んだのか。

男女17人を刃物で襲い、車内に放火

「あぶない、あぶない」「やばい、やばい」と乗客の声が電車内に響き渡る。

電車内の様子 10月31日午後8時ごろ(撮影:木村俊介さん)
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10月31日、ハロウィーンの夜、東京・調布市内を走行していた京王線の車内で発生した事件。男女17人が刃物で刺されるなどした上、車内に火が放たれ、恐怖で慌てふためく乗客たち。

電車の窓から脱出する乗客たち 10月31日午後8時ごろ(撮影:木村俊介さん)

その大混乱の中、「バットマン」の悪役、ジョーカーの仮装をした男がタバコを吹かし、うすら笑いを浮かべながら座っている。殺人未遂の現行犯で逮捕された、福岡市出身の服部恭太容疑者(24)だ。

座席でタバコ吸う服部容疑者(視聴者撮影)

服部恭太容疑者:
人を殺しても何とも思わないジョーカーの態度に惹かれている。憧れていた

事件前、携帯電話関連のオペレーターとして勤務

ジョーカーに憧れ、事件を起こしたと話す服部容疑者。何が彼をこの凶行に駆り立てたのか。

事件の4年前、プリントシールに写るのは当時19歳の服部容疑者だ。

服部容疑者のプリントシール画像(2017年1月)

福岡市内の団地で家族と暮らしていた服部容疑者は中学時代、陸上部に所属するスポーツマンだったという。

中学時代の後輩A:
砲丸投げとか、投てきの方でしてましたね

中学時代の後輩B:
とにかく、おとなしかったです。別に目立つ方でもなかったし

地元の高校を卒業後、服部容疑者は大学に進学せず、介護ヘルパーやネットカフェなどで働いたという。プライベートでは…。

中学時代の後輩B:
(恋人の)おかあさんに会って「続いとると?」と聞いたら、「もう別れとるよ」と(答えたのを)聞いたので…

服部容疑者は長年交際していた恋人と破局。恋人だった女性は、別の男性と結婚したいう。

その後、服部容疑者が影響を受けたと主張する映画「ジョーカー」が公開された。社会から見捨てられた主人公が、ジョーカーという名の犯罪者へと変貌を遂げる物語は反響を呼んだ。

服部恭太容疑者:
ジョーカーは平気で人をやっつけていて、それに憧れていた

事件前、服部容疑者は福岡市内にある携帯電話関連のオペレーターとして働いていた。しかし、2021年5月頃、顧客からクレームが来たことがきっかけで退職を申し出ている。

服部恭太容疑者:
仕事で失敗し、友人関係もうまくいかなくなり死にたいと思ったが、自分では死ねず。6月ごろから死刑を考えていた。大量殺人を考えていた

「たくさんの人を燃やして殺したかった」

2021年7月頃、福岡を離れた服部容疑者は消費者金融で借金をしながら神戸、名古屋と旅を続け、9月に東京に姿を現したという。

そして、2021年8月に起きた小田急線の襲撃事件に刺激を受けた服部容疑者は、ハロウィーンの夜、ジョーカーの仮装をして京王線の車両に乗り込み、事件を起こした。

事件前、渋谷の街を歩く服部容疑者(視聴者撮影)

服部容疑者は乗客をナイフで刺したあと、車両を練り歩いた。そして、逃げ惑う人たちへ向けてライターのオイルとみられる液体をかけ、火が付いたライターを床に投げたという。

京王線内の様子(乗客撮影)

服部恭太容疑者:
シートに座ってる人もいたが、たくさんの人を燃やして殺したかったので、人だまりを狙った

列車内という「密室」で起きた凶行。

この事件を受け、福岡市地下鉄では、事件の翌日から警察と交通局の職員が「特別警戒」を開始した。1日約3万人が利用している福岡空港駅では、午前5時台の始発から深夜0時の終電まで、不審な人物がいないか目を光らせている。

多くの人を殺すため福岡から上京した服部容疑者は、調べに対し次のように供述しているという。

服部恭太容疑者:
2人以上殺せば死刑になると思った

服部恭太容疑者:
この日のためにジョーカーの服を買った。殺せなくて悔しい

(テレビ西日本)

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