10月29日から31日に行われたフィギュアスケートの東日本選手権。

この大会での上位選手の演技を振り返っていく。

ジュニア男子は三浦佳生、ジュニア女子は住吉りをんが優勝し、三浦は5年連続5回目、住吉は2年連続4回目の全日本ジュニア選手権の出場が決まった。

シニア男子は島田高志郎、シニア女子は渡辺倫果が優勝。ユニバーシアード代表を除く男子は上位6名、女子は上位5名が、12月23日から26日にかけてさいたまスーパーアリーナで行われる全日本選手権へ出場する。※佐藤駿と樋口新葉は予選免除

ジュニア男子

ジュニア男子の表彰式
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ジュニア男子はシードの三浦に加えて、上位8名が全日本ジュニアの出場を決めた。

今大会2連覇を果たした三浦はショートが朝9時ごろの滑走になり、「今までで一番早い」という試合だったが、武器であるジャンプをまとめて高得点に。朝ということもあり、東京選手権よりはスピードもなかったが、「丁寧に滑ることを心掛けていた」ようで、大崩れしなかった。

三浦佳生のショート

ショート後に「冒頭に4回転フリップか4回転ループにチャレンジしたい」と話していた通り、フリーの日の朝の公式練習でも精力的にチャレンジ。すでに4回転トゥループとサルコウの2種類を自らの武器としているが、今大会では新たに習得しようとしてる大技に挑んだ。

4回転ループは直前の6分間練習でも1本着氷させたが、「曲のタイミングと跳ぶタイミグが合わないので今回はやめた。もっとしっかり助走など調整してから」と本番では回避した。

冒頭のトリプルアクセルは、GOE(出来栄え点)+3.04点の出来で好スタートを切るが、2本目の4回転サルコウが1回転に。その後も転倒するなど、精彩を欠いてしまった。

ジュニア男子で優勝した三浦佳生

「すごく悔しいの一言で、体もすごく動いて、調子も良くて、そんな中で気持ちが前に前に行ってしまって、そこが一番の僕の課題」と冷静に振り返る。

「こういうことが二度と起きないようにしっかりと練習していきたい」と気を引き締め直した。出場を決めた全日本ジュニアでは「ダントツで優勝したい」と昨年2位で終わった大会のリベンジを誓った。

1 三浦 佳生(目黒日本大学高等学校)215.05
2 大島 光翔(明治大学)197.94
3 門脇 慧丞(法政大学)160.98
4 菊地 竜生(目黒日本大学高等学校)148.19
5 小田垣 櫻(目黒日本大学高等学校)142.49
6 木村 智貴(西武東伏見FSC)139.77
7 周藤 集 (MFアカデミー)133.07
8 山田 琉伸(埼玉栄高校)130.83
9 北村 凌大(MFアカデミー)129.97

ジュニア女子

ジュニア女子の表彰式

ジュニア女子は上位10名が全日本ジュニアの出場を決めた。

優勝した住吉は、リンク全体を余すところなく使い滑っているのが印象的。今季は試合を重ねるごとに成長を感じさせ、テーマとしている「強い女性」を目指すべく、自信を持つことを心掛け、今までの弱点を克服しつつある。

住吉りをんのフリー

ショートでは得意のフリップにミスがあり、演技後には悔しそうにしていたが、60点台に乗せた。フリーでは完璧な演技まであと一歩のところまでたどり着いた。演技中のリカバリーもできていたため、大きなミスなく終えた。

今大会を優勝したことでまた一つ自信を持つことができた住吉は、「全日本ジュニアではショート・フリーともに完璧な演技をして優勝したい」と言葉も力強くなった。

1 住吉りをん(駒場学園高校)182.56
2 奥野 友莉菜(明治神宮外苑FSC)166.09
3 千葉 百音(東北高校)161.77
4 中井 亜美(MFアカデミー)153.80
5 髙木 謠(MFアカデミー)152.29
6 元榮 愛子(目黒日本大学高等学校)144.51
7 菅野 夏帆(KOSE新横浜プリンスFSC)138.78
8 鈴木 なつ(Mエイトクラブ)133.69
9 三枝 知香子(アクアリンクちばSC)132.07
10 田邊  桜香(星槎国際横浜)122.78

シニア男子

シニア男子はユニバーシアード代表の山隈太一朗を除く上位6名が全日本へ。ただし、12月17日から20日にかけてスイスで開催されるユニバーシアード帰国後の隔離措置が緩和された場合、山隈が追加される。また免除選手として佐藤駿も全日本へ出場する。

シニア男子の表彰式

昨年の全日本選手権以来、10カ月ぶりの試合となった島田。

会場となったダイドードリンコアイスアリーナでの試合は、2011年に出場した全日本ノービス選手権以来、10年ぶりとなった。

北京オリンピックシーズンの初戦を島田は優勝で飾る。ショートでは「気持ちが浮ついていたのが自分でもわかった」と冒頭の4回転サルコウが3回転になるも、最後のトリプルアクセルを踏ん張り、ミスを最小限に留めた。

新ショートの「Giving Up」はしっとりと色っぽく緩急がつき、見応えのある演技だった。今年9月に20歳となった島田にとって、新たな一面を見せることができるプログラムに。ミスがあった中でも80点に近い点数を出し、一つ手ごたえをつかんだ演技となった。

島田高志郎のフリー

フリーの「チャップリンメドレー」は、2015年にジュニアデビューのシーズンに使用し、6年ぶりに選曲。当時と編曲が異なり、島田の成長が詰まったプログラムに仕上がった。

2015年に「チャップリンメドレー」を演じたときの島田

しかし、今回の演技は開口一番、「自分に完敗しました」と悔しさを露わにする。冒頭の4回転トゥループを耐えるが、3本目のトリプルアクセルで転倒。「焦りが前に出てしまった」と話し、表現の面でも「まだまだだなと感じた」と振り返った。

シニア男子で優勝した島田高志郎

4年連続6回目の出場となる全日本では、「こんな演技は二度としないように。練習が良かった分、悔しいと思えてスタートラインに立てた感じ。試合でできる強さや一つ一つの技術をしっかり磨いていきたい」とベストパフォーマンスを誓う。

前回のオリンピックシーズンはケガの影響もあり、島田は全日本に出場できなかった。「五輪シーズンを初めて体験できる」と全日本の舞台で新たな経験を積みたいと明かした。

シニア男子2位の山隈太一朗

2位の山隈太一朗は、昨年の全日本のショート落ち以来、3回転ルッツや3回転フリップがトラウマで「苦しい演技が続いていた」というが、今大会でようやく成功し「ホッとしました。ようやく一歩を踏み出せた」と久々に明るい表情に。

ユニバーシアードからの帰国後、現状の隔離措置では全日本に出場できないが、「もし出られたら、お客さんの熱量を感じて、ベストを尽くしたい」と意気込んだ。

1 島田 高志郎(木下グループ)217.22
2 山隈 太一朗(明治大学)181.25
3 長谷川 一輝(東京理科大学)176.91
4 石塚 玲雄(早稲田大学)175.35
5 古庄 優雅(日本大学)145.83
6 鈴木 楽人(法政大学)145.26
7 堀    義正(明治大学)136.59

シニア女子

シニア女子の表彰式

シニア女子もユニバーシアード代表の渡辺倫果を除く上位5名が全日本へ。帰国後の隔離措置が緩和された場合に渡辺が追加される。また免除選手として樋口新葉も全日本へ出場する。

1位の渡辺は、ミスがあっても崩れない強さと安定感を見せた。ショートで「久々に抜けた…」と3回転ルッツが1回転に。それでも最後の3回転ループをコンビネーションに変更し、冷静にリカバリー。

フリーを演じる渡辺倫果

フリーでは6分間練習でトリプルアクセルを着氷させるが、本番で転倒。しかし、トリプルアクセルの成功へ少しずつ近づいていることを感じさせる挑戦だった。

その後も大きなミスもなく、ショート5位から逆転優勝。現状、全日本には出場できないが、「出られるなら昨年の悔しさを晴らしたい」と昨年のショート落ちの雪辱を誓う。まずはユニバーシアードを見据え、「日本代表としてやるべきことをしっかりとやりたい」と語った。

シニア女子で優勝した渡辺倫果

1 渡辺 倫果(法政大学)172.34
2 青木 祐奈(日本大学)170.07
3 松原 星(明治大学)169.27
4 川畑 和愛(早稲田大学)163.28
5 本田 真凜(JAL)152.02
6 佐藤 伊吹(明治大学)148.29

アイスダンス

アイスダンスはシニアでは、海外を拠点としている選手が多いため、任意参加の競技会となり1組のみの出場に。

アイスダンス平山姫里有・立野在組

結成2シーズン目の平山姫里有・立野在組は、「探り探り感がなくなった」とチーム力も向上し、スケーティングも磨いてきた。

しかしリズムダンスではレベルの取りこぼしが目立ち、スコアも伸びず。フリーダンスは平山が「ずっと滑りたいと思っていた」という、男女のすれ違う恋模様を描いた「シェルブールの雨傘」を選曲。

アイスダンスで優勝した平山姫里有・立野在組

ワンフットステップはほとんどのカップルが横並びで滑る中、2人は交差するなど独特の動きを入れ、「他にないものをこだわって作った」と言い、2人とも見どころとして挙げた。

コレオツイズルがノーバリューになるなど課題もあり、全日本までにどう修正してくるか期待したい。

アイスダンス
1 平山 姫里有・立野 在(倉敷FSC)141.45

ジュニアアイスダンスの表彰式

ジュニアアイスダンスでは、昨年の全日本ノービスの覇者、來田奈央・森田真沙也組が1位に。リズムダンスでは第一滑走だったためか、緊張して慎重になりすぎたという。フリーダンスでは自分たちらしい、エネルギー溢れる滑りをすることができたと振り返る。

ジュニアアイスダンスでは來田奈央・森田真沙也組が優勝

全日本までの課題は、レベルを取りこぼさずに丁寧な滑りをすることと、細かいエッジワークなど足元の技術を磨くことで、「リズムダンスでは50点以上、フリーダンスでは90点以上を目指します!」と意気込んだ。

ジュニアアイスダンス
1 來田 奈央・森田 真沙也(木下アカデミー)128.04
2 佐々木 彩乃・田村 篤彦(日本大学・正則学園高等学校)115.36
3 山下 珂歩・永田 裕人(セント星ヶ丘FSC)101.26
4 藤木 翠・下川 誠也(パピオフィギュアクラブ)88.73
5 小松 春陽・熊野 英輔(明治神宮外苑FSC)79.12