甲羅をブラッシングされながら“バンザイ”のポーズ、お腹を隠して“照れ”のポーズ…。
普段あまり馴染みのある動物ではないが、実は愛嬌たっぷりなウミガメのかわいい行動を、編集部はこれまでにもいくつかの記事でご紹介してきた。
そんな中、またも不思議でかわいい行動が投稿され、話題となっている。
ウミガメは猫です。 pic.twitter.com/hwS0RZYZA7
— 道の駅ウミガメ公園 公式 (@umigamekouen) October 11, 2021
ウミガメは猫です。
このコメントともに動画に登場しているのは、三重県紀宝町にある「道の駅 紀宝町ウミガメ公園」の「だんご」ちゃん。
実はだんごちゃん、掃除用ブラシを追いかけて水槽の中をくるくる泳ぎ回る姿がかわいいと、以前も注目を集め、編集部でも紹介したアカウミガメだ。
(参考記事:まるで“亀じゃらし”!? 掃除ブラシを追いかけるウミガメの子どもがかわいい…なぜ?飼育員に聞いた)

その様子はまさに“猫”が顔を洗っている姿
水槽の底に寝転がり、何やら前肢(前足)を口の先で「はむはむ」とつつくような動きをしたあと、“両手”を使って顔を覆うような仕草を見せているが…。その様子はまさに、猫が顔を洗っている姿そのもの!

確かに「ウミガメは猫です」と言われても納得しそうになるその仕草だ。道の駅ウミガメ公園公式Twitter(@umigamekouen)には、「これは猫ですね」「どう見ても猫だな…」「ウミガメってこんな仕草するんだ!!」とコメントが寄せられ、10万件を超える「いいね」がつき、動画は130万回以上再生されている(11月8日現在)。

では実際、この「猫っぽい」仕草は一体何をしているところなのだろうか? 道の駅 紀宝町ウミガメ公園の担当者にお話を聞いてみた。
猫っぽい仕草の正体は「前足のかゆみ」?
――だんごちゃんのプロフィールを教えて。
種類はアカウミガメ、5才で性別は不明です。甲羅の大きさは約40cmあります。
――猫っぽい仕草はズバリ何をしていた?
前足が痒かったのか、口にエサが引っ掛かっていたのかもしれません。

――この動きをだんごちゃんはよくするの?
あまりしません。
別のウミガメが同じような仕草をすることも
――他のカメたちもこんな動きをすることはある?
大きな餌を引きちぎる時にこのような動きをすることがあります。

みたらし団子のような体の色合いから名付けられたというだんごちゃん。ウミガメは人間と同じくらいの寿命があると言われる動物のため、まだまだ子どもの年頃なのだという。
公式Twitterでは「ウミガメ公園のアイドル」とも呼ばれているだんごちゃんだが、話題になった不思議な仕草は「前足がかゆかった」「口にエサが引っかかっていた」ことが理由として考えられるそうだ。

動画のような動きは普段からよくするものではないそうだが、他のウミガメたちも似たような動きをすることはあるのだそう。
だんごちゃんの動画が投稿される10日前にも、顔をこする別のウミガメの様子がやはり「ウミガメは猫です」とのコメントとともに投稿されていた。
ウミガメは猫です。 pic.twitter.com/Ly4whHKyIF
— 道の駅ウミガメ公園 公式 (@umigamekouen) October 1, 2021

ちなみに、だんごちゃんの動画はTwitterでは24秒ほどにカットされていたが、ウミガメ公園の公式YouTubeチャンネルには「前脚と戦うアカウミガメ」として1分44秒の“フルバージョン”もある。
前足がかゆかったのか、エサが引っかかってしまっていたのかはだんごちゃんのみぞ知るところだが、さらに“猫っぽい”仕草がたっぷり見られる動画になっている。

――かわいい動きが話題になったが、感想を…
この動画をきっかけに、ウミガメやカメに少しでも興味を持っていただければと思います。
ウミガメ公園は、定置網に引っかかってしまったウミガメを保護し、個体情報の記録などを行った後、回復したウミガメたちを海へと放流する活動を行っている。だんごちゃんはウミガメ公園で生まれた個体だが「いつかは海に帰る予定」なのだそうだ。
顔を洗ったり、ブラシを追いかたり、“アイドル”だんごちゃんが海に旅立つ日まで、本当にウミガメ?と言いたくなるかわいい仕草がたくさん発信されるのを楽しみにしたい。