秋が深まってきて、鍋もおいしい季節になってきた。2021年に流行する鍋と言われているのが「まるごと鍋」。安くおいしく、栄養も摂取できる鍋を追跡調査した。
気温が急降下し、いよいよ迎えた「鍋」の季節。でも相次ぐ食材の高騰に頭を悩ませている人も多いのでは?
高値のイメージの魚が少し手ごろに…

スーパーではお客さんが値札とにらめっこ。これから安くなって欲しい鍋の食材は何?
買い物客:
定番のものですよね、長ネギだとかね。魚は必ず入れますけど、う~ん…
買い物客:
夫が肉が大好きなので、高いのはちょっと困りますね
スーパーの仕入れ担当者に聞いてみると、今後値段が下がりそうなのは、いまが旬のあの魚なんだとか。
北海市場 鮮魚部部長・斉藤 亮彦さん:
北海道の鍋と言えば、"秋シャケ"。旬の秋サケが並んでいます。シーズンの初めは若干高い値段でスタートしましたが、10月に入り値段が9月と比べて2~3割ほど安くなっています

太平洋側の赤潮の影響はある一方、オホーツク海や日本海での水揚げが不漁続きだったここ数年より好調で、卸値が下落傾向だ。

では野菜は?
北海市場 鮮魚部部長 斉藤 亮彦さん:
ハクサイは一時すごく値上がりしていましたが、今は4分の1で129円。2週間前にはほぼ倍でした。鍋には欠かせない野菜で、丁度いい時期に下がってきたかなと

野菜もお手頃に…でも肉は輸入品は高値
一方、肉は牛・豚ともに輸入品を中心に高騰が続きそうだ…。また鳥インフルエンザの影響で高値だった鶏肉は「国産品」は価格が落ち着きそうだ。

2021年のトレンド鍋は…SDGsもポイントに
ぐるなび大学・小崎 俊幸さん:
2021年のトレンド鍋は、"まるごと鍋"になります
2009年からグルメ情報サイト、ぐるなびが行なっている「今年のトレンド鍋」の発表会だ。

2017年には「フルーツ鍋」。そして2020年は1人で個別に味わう小さな鍋「こなべ」など、その年ならではのユニークな鍋を提案してきたが、2021年は「まるごと鍋」となった。

ぐるなび大学・小崎 俊幸さん:
食材を"まるごと"使い切る。端材でだしを取るなど、食品ロスに配慮した鍋。サステナビリティに配慮された鍋です
2021年は鍋だって「SDGs」!それを実現する鍋を、札幌市の料理研究家・諏訪美希子さんに考案していただいた。

料理研究家・諏訪 美希子さん:
まるごとキャベツ鍋を作っていきます。野菜のロスが出ないよう、キャベツも丸ごと全部食べられるレシピを考えました

栄養たっぷり!キャベツを使った「まるごと鍋」
主役は小ぶりのキャベツ。今は胆振や空知地方の品が市場に出回っていて、安値で安定しているそうだ。他の材料はニンジンや玉ネギにトマト缶。ベーコンやひき肉、卵に調味料だ。

料理研究家・諏訪 美希子さん:
キャベツの"芯"をくりぬきます
まず芯の周りに包丁を入れ、くりぬく。ここに挽肉などの具材を詰め込むためにスプーンなどで穴を広げる。
料理研究家 諏訪 美希子さん:
キャベツを器にします。硬い芯の部分は使いませんが、できるだけロスを出さないように

キャベツの穴にはベーコンを2枚。この中に具材を詰めるが、ひき肉や卵、パン粉などでロールキャベツの中身のような具材を作る。みじん切りの生玉ネギ、同じくみじん切りにしたニンジンも入れるが、食品ロスを少なくするために…

「SDGs」の工夫も
料理研究家・諏訪 美希子さん:
ニンジンは皮ごと使います。野菜は皮の付近に栄養が詰まっていて、きれいに汚れを落とせば使えます
できあがった具材は、くり抜いたキャベツの穴にギュッと詰める。そして、ここからが鍋を使った調理だ。

料理研究家・諏訪 美希子さん:
くりぬいたキャベツの中身を鍋の底に敷きます。鍋に肉が焦げつかないようにします
その上に肉の方を下にして、まるごとキャベツをド~ン!
料理研究家・諏訪 美希子さん:
すごい画ですね(笑)
バターに水、コンソメスープの素やトマト缶を加え塩・コショウで味付け。フタをして30分間煮込む。「まるごとキャベツ鍋」の完成だ!

キャベツが大きくてフタが閉まらなくても、火にかけるうちにキャベツが縮むので大丈夫。さらにアクを取る手間もないので楽チンだ。
キャベツの栄養を残さず、まるごと食べられる「まるごとキャベツ鍋」。残ったスープにはご飯を入れリゾットにすると、無駄なく食べられる。この冬に向けて試してみてはいかが?

(北海道文化放送)