日本人女性がかかるがんの第1位が乳がん。
生涯の内、9人に1人が乳がんを患うと言われているが、その発症メカニズムはわかっていなかった。その乳がんが発症しやすくなる仕組みを、世界で初めて金沢大学の教授が発見し発表した。

金沢大学 がん進展制御研究所・後藤典子教授:
「どうして乳がんが出来てしまうのか」っていう、その辺りが今回明らかにすることができたんですね

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発見したのは、金沢大学がん進展制御研究所の後藤典子教授を中心とするグループ。

金沢大学 がん進展制御研究所・後藤典子教授:
これ細胞1個なんですけど、赤と黄色、このドットです。「FRS2β」っていうたんぱく質です

乳腺細胞の中にあるたんぱく質「FRS2β」。これが、乳がん発症の環境を整える。

乳がん細胞が作られる仕組みとは

何らかの刺激でFRS2βが活性化すると、炎症性サイトカインという物質を放出する。

すると、これに引き寄せられるように、間質細胞や毛細血管などが集まり、がん細胞にとって栄養や酸素を補給しやすい環境が作られてしまう。

金沢大学 がん進展制御研究所・後藤典子教授:
土壌が整えられてしまって、そこにちょっとがん細胞が出来ると、ワーッと育っていってしまうんです

乳がん細胞を移植したマウスでの実験では、FRS2βがある状態だとがんが大きく増殖するが、人工的に無くした状態だと大きさは変わらない。
つまり、FRS2βの値を調べることで、ごく初期の乳がんが今後進行するかどうかがわかるという。

将来的に予防や治療につながる研究

金沢大学 がん進展制御研究所・後藤典子教授:
(乳がんの)治療といっても、いま実は乳房全摘とか部分切除とか、患者さんにとってもドクターにとっても残念な治療しかないんですけども、「FRS2βが機能していないから、あなたはもうちょっと(様子を)見てていいんじゃないですか」というようなことをいうことができる。それはもう非常に大事なことだと思います

将来の乳がん予防や治療につながる大発見。
今後は人の細胞での研究を重ね、5年以内に診断キットなどの実用化を目指す。

(石川テレビ)