コロナ禍でイベントの少なかった2021年の夏休み。
「地域への恩返しに」と、広島・尾道市の造船所から因島の人々へ、とっておきのプレゼントが用意されていた。

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コロナ禍でイベントもプールも中止に…

8月上旬のとある休日、尾道市因島にある海水浴場のしまなみビーチ。夏休み真っ只中で、例年は多くの海水浴客でにぎわう場所だが、人影もまばら。
因島アメニティープールも、毎年子ども達の元気な声が響く施設だが、休園中。

地元の中学生:
コロナだから、家でずっと絵を描いたりしてます

地元の中学生:
わたしも同じですね

話を聞かせてくれたのは、地元の中学生。

地元の中学生:
イベントとか大会とかいろんなものが中止になったりして、やることがあんまりない

地元の中学生:
学校の課題で1日1個日記を書く時に、部活がなかったりしたら、あんまり書くことがないのが多い

「地域の人を元気にできれば」花火を準備

この日は、35度を超える猛暑日。そんな中、桟橋で作業をしている人たちが...
いったい何をしているのか?

男性:
これは、打ち上げる玉を一発ずつ、筒の中に込めてます。ここは石田造船さん所有の、桟橋っていうんですかね

実は、花火を準備していた場所は造船会社の中にある桟橋だった。

富士火工 代表取締役 松田照夫さん:
こちらの社長さんのところでは、夏にサマーフェスタっていうお祭りを、こちらが会場となって催しされております。その時に花火を打たしていただいている、大事なお客さんです。
通常でしたら今、小さな子どもからいっぱいここに人が集まって、ミュージックフェスタとかそんな感じでにぎわっているんですけど、コロナで閑散としてますけどね。
地域の人に喜んでいただこうということで、ことしも花火のご注文をいただいております

石田造船 代表取締役社長 石田全功さん:
7年前から、海の記念日を記念して、8月の第1週に子どもたちを主演としたサマーフェスティバルというのを開催してまして。日ごろのクラブ活動を通して発表をする場がない、というのが学校の方からありまして、何かできないものかと

石田造船 代表取締役社長 石田全功さん:
それでドックを閉鎖して、島中の幼稚園、小学校、中学校、高校生までが一堂に同じ日に会して、建造ドックの中にステージを組んで、それで始めたのが7年前なんです

石田造船の創業は、今から約100年前の1919年。
誰かと同じことをしていてはつまらない。みんなが喜ぶものを作りたい。そうした発想から、ちょっと変わった船を作る造船会社として注目されている。

代表的な船は、佐賀・唐津市呼子町の海中展望船“ジーラ”。船底部分に作られた窓から海の中を眺めることができ、人気を集めている。
ほかにも、最近では有名テーマパークで使われる海賊船など、個性的な船を造っている。

石田造船 代表取締役社長 石田全功さん:
去年はコロナがあったからフェスは中止をして、花火だけでも打ち上げてほしい、また打ち上げたいという気持ちで、去年打ち上げたわけです。
やはりことしも同じくコロナでできなくなった。みんな家に閉じこもって、どこへも行くところがない。近隣の花火がみな中止になっているものですから、「ことしは花火あげるの?」とか、「いつ上げてくれるの?」とか、「やってくれるんだろうね」とか、そういうお爺ちゃんお婆ちゃんの声が圧倒的に多くて。
花火を上げることによって、この地域の人が笑顔になるとか、癒されるとか、喜びを感じられればというのが主旨で

花火が上がる石田造船の対岸は、絶好の観賞スポット。
高台にある家へ伺うと、ベランダから真正面に石田造船が見えた。

藤川和美さん:
石田造船さんの花火はいつか、とチェックしていたんです。ことしはどうなんだろう?と思ってたんですけど。自分の家から見えるって最高じゃないですか。嫌なことがあっても花火を見たら元気になれるというのが、素晴らしいなと思います

徐々に陽が沈み、いよいよ打ち上げの時刻。
夜空には、桟橋から打ち上がる大輪の花火が。

藤川和美さん:
素晴らしかった。毎年これが楽しみだから

中学生:
コロナであっちこっち花火とか中止になったから、見れて良かったです

中学生:
久しぶりに外に出て、たくさんの色とりどりの花火が見られて、とても楽しかったです

石田造船 代表取締役社長 石田全功さん:
みんな最後は拍手喝采で、「良かった良かった!」「ありがとうありがとう」とみんなが。花火の力って、やっぱりすごく大きいんだなと思いました

富士火工 代表取締役 松田照夫さん:
われわれ自身もそうなんですけど、下を向いて歩くのも上を向いて歩くのも一緒のことだと思いますので、どうせならやっぱり真っすぐ前か上を向いて、今後も進んでいきたいと思います

(テレビ新広島)