ポッキー、プリッツ、ビスコなどのロングセラー菓子を販売する江崎グリコ株式会社がフードロス削減に取り組んでいる。
過去には「冬のくちどけポッキー」のふぞろい品を販売したが、新たに形がふぞろいの「ジャイアントカプリコ〈いちご〉」を10月22日から数量限定で発売する。
ジャイアントカプリコは、サクサクのアイスクリームコーンにふわふわ食感のエアインチョコが入っている、かぶりつきたくなる形状の菓子。1本、108円前後(税込・参考価格)で販売されている。
チョコレートを膨らます製造工程でふぞろい品が発生してしまうのだが、これまでは社内の良品基準に当てはまらないと販売することはできなかった。
しかし、ふぞろい品を無駄にすることなくフードロス解決の一助につなげたいとの思いから、「ジャイアントカプリコ〈いちご〉ふぞろい品」(10本入り)として、ぐりこ・や店舗7店、新大阪駅ぐりこ・やコーナーで発売することとなった。値段は735円前後(税込)で、さらに通販チャンネルでの販売も予定しているという。
“形がふぞろい”であるだけで、もちろんおいしさは変わらないという、ちょっとお得な商品ということだ。
コーンは破棄、チョコは再利用していた
スーパーなどで割れた煎餅が安く販売されたりすることはよく見かけるが、なぜ江崎グリコでは社内基準に当てはまらなかったジャイアントカプリコをこれまでは販売していなかったのだろうか? また、ふぞろい品と通常商品はどう違いがあるのだろうか?
担当者に話を聞いた。
ーーなぜジャイアントカプリコの「ふぞろい品」を販売しようと考えた?
フードロス対策の一つとして、今回のふぞろい品発売に至りました。お客様に少しでもお得にジャイアントカプリコを楽しんで頂ければと考えております。
ーーこれまではどうしていた?
コーンの部分については廃棄しておりましたが、チョコレートの部分については、還元という形で再利用しておりました。
ーー「ふぞろい品」とはどういう状態なの?
コーンの欠けやチョコ部分のサイド空洞などがあるため、社内の良品基準に当てはまらず、今までお客様へ販売することができなかった形がふぞろいの商品を「ふぞろい品」として販売しています。
ーー通常商品と違う点を教えて
「ふぞろい品」は通常品と異なり、ふぞろい品を使用しています。また、その分、お値段もお求め安くなっています。
ふぞろいなカプリコをそれぞれの個性としてイメージしてもらうオリジナルのパッケージデザインも、通常のジャイアントカプリコとは異なる点です。
ーーこれまで販売していなかったのはどうして?
社内良品基準の設定上、販売には至っておりませんでした。お客様にふぞろい品として納得頂ける基準を社内で再検討し、新たな良品基準を設定したことで販売が可能になりました。
親子で地球環境について話すきっかけに
ーー発売決定まで苦労した点は?
良品基準の再規定です。社内関係部門、生産工場との確認を重ね、お客様にふぞろい品としても納得頂ける新たな基準作りに多くの時間を要しました。
ーーこだわった部分はある?
パッケージデザインです。外箱パッケージ側面へフードロスについての説明を記載するなど、カプリコふぞろい品を通して親子で地球環境について話すきっかけになればと考え、パッケージを作成致しております。
ーー「ふぞろい品」を販売するメリットを教えて
食品ロス問題に貢献できるほか、お客様にとってもすこしお得なお値段で美味しさはそのままの「ジャイアントカプリコ」をお楽しみいただけます。
なお同社によると、Glicoグループでは、2021年3月にGlicoグループ環境ビジョン2050を策定し、環境課題への解決に向け積極に取り組んでいる。カプリコブランドとしては、2020年12月に大阪府和泉市のいちご農園と連携し、いちご狩りが中止になったことで余剰となったいちごを使用した「カプリコミニ大袋<いちご狩り>」を発売した。
美味しさは変わらず、フードロスの削減にも貢献できる「ジャイアントカプリコ〈いちご〉ふぞろい品」。どのような“ふぞろい”なのかを確かめながら味わうのも、楽しそうだ。