身近なのに知られていないウシの魅力

大きな体をのそのそと動かしながら、のんびりと干し草を食んでいる姿。
見ているだけでなんだか癒される『ウシ』。

ホルスタイン種の仔牛
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今回は意外と知られていないウシの魅力について、幼い頃から彼らの虜になり、牧場へ足繁く通う入社2年目・德田聡一朗がご紹介します。

身の周りはウシだらけ

牛乳、バター、ヨーグルト、チーズ…日々の生活の中で、乳製品を見ない日はありません。
さらには牛肉や牛革など、私たちの周りには常にウシの存在があるのです。
人間がいちばんお世話になっている動物といっても過言ではないかもしれません。

そんなウシの姿を、じっくりと観察したことがありますか?

実は、とても可愛らしい動物なんです。

どんな時でもゆる~く生きるウシ

ウシの魅力といえば、なんといってもそのゆるさ。放牧されたウシたちは日々のんびりと牧草を食べ、満足するまで食べたら体を横たえて、草を反芻しながらぼーっとしています。

そんな自由気ままな姿は、私たちの日々の疲れを忘れさせてくれること間違いありません。

美しく茶色に輝くジャージー種

臆病…だけど好奇心が強い

ウシの大きな体を間近で見たとき、あまりの迫力に驚いた経験はないでしょうか。

その屈強な巨体に反して、実は音に敏感なかなりの臆病者。一方で好奇心旺盛な性格でもあり、牧場に見知らぬ人がやってくると柵から「にゅ~っ」と顔を出し、興味津々な様子で出迎えてくれます。

大人のホルスタイン。好奇心旺盛!

つまり、内心ドキドキしながらも、好奇心に負けて近づいてしまうのです。そう考えると、なんとも愛しく思えてきます。

ルックスに癒される

長いまつ毛に覆われ、愛情に満ちた優しい目。大きな体を持て余すような、ゆったりのんびりとした佇まい。眺めているだけで癒される、かわいらしい姿をしています。
特に仔牛はビー玉のような透き通った目、ふわふわの体毛、薄ピンク色の鼻…と、格別の可愛さです。

生後2週間のホルタイン かわいいぃぃ

仔牛は好奇心がより強く、会いに行くと勢いよく近寄ってきます。そんな無邪気な仔牛たちを前にすると、立ち去ろうにも名残惜しくて離れることは難しいでしょう。

親友関係を築き、音楽に聞きほれる

今まで牧場に足を運んできた中で、私が見かけたウシたちの興味深い習性が2つあります。
1つ目は親友を作ること。
とある牧場で2頭のウシがじゃれ合っていたのですが、いつまで経ってもお互いに離れようとしないのです。
その後、イギリスのノーサンプトン大学の研究で、ウシは人間と同じように親友を作る習性があるという論文を目にしました。仲のいい個体同士で過ごすことでリラックスし、乳牛であれば乳の出がよくなるそうです。

仲良しのホルスタイン

そして2つ目は音楽に興味を示すこと。
牧場でジャズの演奏会があったのですが、その音に惹かれるようにウシたちがわらわらと集まってくるのです。彼らは音に対して興奮したり怖がったりする様子は見せず、ただじっとその場に立ち止まって、演奏者を見つめていました。生来の好奇心からでしょうか、なんとも意外な観客たちに驚きました。
私がこの習性を目撃した、滋賀県にある山田牧場のスタッフの方にお話を伺いました。
ウシは物音に敏感であるという点は前述の通りですが、特に心地いいと感じる音には積極的に興味を示すそうです。彼らは人間の年齢で例えると5歳程度の知能があり、耳に入ってきた音楽が楽しいと感じるとその音の方へ向かっていくとのこと。
またウシは個体によって好みの音楽があるようで、この時はジャズでしたが、メタルが好きな子やクラシックが好きな子など、それぞれ興味を示す音楽のジャンルが違って個性が見られるそうです。普段あまり見る機会の少ないウシたちにも、こうした知られざる面白い生態があるのです。

こんな時代だからこそ、ウシ

新型コロナウイルス蔓延の影響もあり、なにかとストレスを感じやすい現代社会。
そんな今だからこそ、のほほんと穏やかにしているウシに魅力を感じます。

あどけないジャージー種の仔牛

経済動物としてだけでなく、ウシという動物本来の魅力を多くの人に知ってほしい。

そんな思いを胸に、今後もウシを追い続けます。

(フジテレビアナウンサー 德田聡一朗)