週に何回くらい魚を食べるだろうか? 「魚離れ」が進む中、もっと消費を増やそうと、いろいろ工夫を凝らした商品が登場している。
この記事の画像(10枚)かんかんがくがくの議論が交わされる新商品開発の裏側に潜入。ユニークな販売方法で魚離れを食い止めることはできるのだろうか?
魚を「自販機で販売」プロジェクトが進行
9月、札幌市中央区の水産会社「フジウロコ 大橋水産」で会議が開かれていた。消費者の「魚離れ」を食い止めようと「自動販売機」で販売する新商品開発のための会議だ。
会議の参加者:
スーパーで売っているものだと大きいから、グリルじゃないと焼けないけど、これくらい一口サイズになればフライパンでも焼ける
会議の参加者:
食べやすいのはわかるけど、ボリューム感を求めるお客さんもいる。もうちょっと切り方を変えてみるとか
「ボリューム」「食べやすさ」「調理のしやすさ」などについて議論が交わされた。
そして、いよいよ水産会社の前に登場したのは…
今川 純子 記者:
調理のしやすさを追求し、魚をスティック状にしたものを、こちらの自販機で買うことができます
コンセプトは「フライパンで簡単に焼けるサイズ」
フライパンで簡単に焼けるサイズにすることが決まり、細長く切ったホッケの一夜干しなど、あわせて7種類の商品が販売されることになった。
フジウロコ 大橋水産・今村 美恵子 取締役:
いま魚離れが深刻で、魚を触れない人もいるので、骨を取ったものやスティック状にして、フライパンで簡単に調理できる。焼いてすぐにパクっと食べられる…そういう商品を目指しています
深刻な「魚離れ」
「魚離れ」が止まらない。
農水省が発表した「食糧需給表」によると、国民1人当たりの魚介類の年間消費量は2001年の40.2キロをピークに減少し始め、2018年には23.9キロにまで落ち込んでいる。
街の人:
(魚料理は)しない。難しそうだから。お肉ばっかり
街の人:
お魚は面倒。あまり積極的にはしない
街の人:
魚焼きグリルを汚したくない
スーパーでも手ごろな「魚」商品が発売
魚離れが進む中、大型スーパーでも2021年5月から調理のしやすさにこだわった商品が発売された。
タラ、アジ、サーモン、ブリ、サバの5種類で、いずれも骨を取り除きキューブ状にカットして冷凍している。
袋から出してすぐに料理できるので、魚料理のわずらわしさが全くなく、一口サイズなので、そのままいろいろな料理に使うことができる。
サーモンを焼いて、ゆでた麺とパスタソースで絡めれば「サーモンのクリームパスタ」のでき上がりだ。
イオントップバリュ・商品開発本部 天野 雄一郎さん:
魚は調理が面倒、骨があり食べにくい、生魚は品質劣化が早い点に着目しました。結着剤などは使わず、魚そのものだけを重ねて作っています。魚の形状や骨が苦手な人にもおいしく召し上がっていただけます
コロナ禍で自宅で料理をする機会が増えている今、いろいろな商品を活用して魚料理を楽しんでみてはどうだろうか。
(北海道文化放送)