CMのタイ語を翻訳すると・・・
いまタイで、静岡産の茶葉を使った緑茶のテレビCMが話題となっている。
売り上げアップにも貢献しているというそのCM。
いったいどんなものなのか?
◆アクション編
監督役:
(タイ語)タイ人が好きなCMは? テイク2
映画の撮影シーンのような始まり。そして茶畑のなかをランボー風の男性が走る。
ランボー風男性:
(タイ語)静岡産の茶葉から上質な緑茶ができます!なぜなら・・・
撃たれて地面に倒れこむが、叫び続ける。
「良い土で栽培されているから・・・良い土!良い土!」
ナレーション:
静岡県民はタイ人に静岡の良い茶葉に注目してほしいと願っている
こちらのタイのテレビCM。
紹介されているのは、『静岡茶』という商品名の緑茶だ。
◆ラブストーリー編
監督役:
(タイ語)タイ人の好きなCMは? テイク1
川につかりながら倒れた男性と、それを抱き起す女性。
男性:
静岡~
女性:
はい!
男性:
(タイ語)静岡産の茶葉から上質な緑茶ができます。なぜなら良い水で栽培されているから
男性:
良い水!
女性:
良い水!

ロケ地も静岡!出演者も県民!
ロケ地は富士市。タイ語を話している出演者は、なんと全員一般の静岡県民だ。
アクション編に出演した、迫真の演技のランボー風の男性も、静岡県民!
ランボー風男性:
個人的な好みとしてはラブストーリーの方がいいかな

タイ人の反応は?
CMを見たタイ人:
面白いし、笑っちゃいます
他のタイ人:
日本人なの?タイ語を話そうとしていて、驚きです

『静岡茶』飲んでみると・・・
武田絢哉記者:
こちらの静岡茶は、静岡県産の茶葉を使ってタイで生産されています。味は砂糖入りなので、少し甘い感じがしますね

販売されているのは、無糖、砂糖入り、ほうじ茶の3種類。
砂糖入りがあるのが、タイらしい特徴だ。

タイの大手飲料メーカー「イチタン」が2018年に発売し、タイ全土に出荷されている。
『本物の緑茶』を伝えるために
武田記者:
CMの放送で売り上げが伸び、今ではタイのペットボトルの緑茶でトップシェアを誇ります
CMの狙いは『本物』を表現すること。タイ人ではなく静岡県民に出演してもらい
『本物の緑茶』だと強調したかったそうだ。
CMを制作したコムサン監督:
静岡は世界でも最高のお茶の生産地です。CMはとにかく『本物』でなければいけない。これはこれまでの緑茶のCMにはなかったことです

最高の水を富士川の清流で。良質な土は、富士山をのぞむ茶畑で表現。
タイ人が大好きな映画仕立てに仕上げ、何より日本人が一生懸命タイ語を話す演技がタイ人の心をつかんだ。
CMを見たタイ人:
若い人ではなくて、お年寄りが出演しているのが面白い
他のタイ人:
CMの景色や茶畑が気分を爽快にしてくれますね
そこで、実際にコマーシャルに出演した静岡県民を訪ねてみた。
監督役として出演した、島田市の長谷川広亘さんは…

長谷川広亘さん:
大変だったのは、やっぱりタイ語ですね。ぜんぜん聞いたことがない言葉をいきなりしゃべろって言われても。はじめはカンペも何もなしで、聞いたとおりしゃべればいいよって…全然できませんでしたね
タイ語に苦戦してNGを連発してしまったそうだ。
そして、なぜか富士川で倒れる夫婦に、紙吹雪を降らせる小道具役を演じた、茶農家の三浦克暢さんは…

三浦克暢さん:
台本がなくて、こんな感じもあまりないんですよね。せめてここだけは着地して、ゴールはこういう感じというお話なので。手探りで、悩みながらやった思い出がありますね
と苦労しながらも、楽しんだ様子。
タイでCMが話題となっていることについては・・・
小道具役 三浦さん:
マジで?これでいいんだ・・・みたいのはありましたね

監督役 長谷川さん:
信じられないっていうのもあったし、大変うれしく思いますよね
CMがヒットし、売り上げも上昇!イチタンのタン社長は、さらなる静岡とのタイアップも狙っているそうで・・・
タン社長:
たった1回だけでなく、静岡県との協力を真剣に考えています。それが静岡という名前をこの緑茶に使った理由です。観光の協力は非常に重要です

タン社長はタイに静岡や緑茶をPRするテーマパークのような施設の建設も検討しているそうだ。
CMで話題となった『静岡茶』が、静岡とタイを結ぶ懸け橋の1つになりつつある。
(テレビ静岡)
