自民党総裁選で出馬を表明している高市前総務相が12日午前、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演し、靖国神社参拝について「ことさら外交問題にしようという声が上がっていることはおかしい」と強調した。さらに「アメリカのアーリントン墓地にも行った。感情としては色々な思いはあるが、お互いの国のために命を捧げられた方々に敬意を表し合うということを当たり前にしたい」と語った。

また、党内の保守派に影響力があり高市氏を支援する安倍前首相から「できるだけテレビなどに出演して、多くの方に政策や主張を知ってもらうべきだ」とアドバイスを受けたことを明らかにした。高市氏によると、安倍氏は「次の首相にとっては皇室の在り方を決定しないといけない大事な時期になる」との認識を示しているという。

「日曜報道 THE PRIME」に出演した高市早苗前総務相(9月12日)
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「ワクチン国産化」経済政策で持論展開

一方、経済政策を巡っては、新型コロナ対策として医療体制の整備とともに、治療薬やワクチンの国産化を進める「危機管理投資」の必要性を訴えた。さらに「海外にも転換する製品技術ができれば多くの所得や雇用を生み出す成長投資にもなる」と強調した。
さらに「危機管理投資、成長投資に予算をつける」と訴え、「財務当局がプライマリーバランスにこだわり、安倍内閣時に機動的な財政出動が中途半端に終わってきた」と指摘。持論である「基礎的財政収支=プライマリーバランスの黒字化」を一時凍結し、積極的な財政出動を進める考えを示した。

安倍氏「女性候補の出馬は大事」 党内から不安の声も

高市氏は、最大派閥・細田派(96人)出身で、細田派内に支援の動きがあり、出馬に必要な推薦人20人の確保にめどがたった。さらに竹下派(52人)、二階派(47人)の一部も支援に回る動きがあるほか、高市氏自身が党内のベテラン議員らに直接支持を働きかけることで、国会議員の支持拡大を狙う。また安倍氏は周囲に「高市氏の政策は明確で分かりやすい。経済規模(GDP)トップ3のアメリカ、中国、日本で女性トップは過去にいない。女性候補が総裁選に出ることは大事なことだ」と語る。

ただ、党内からは高市氏について「対中政策について不安が残る。中国も先鋭化しているのにここで刺激したらどうなるのか」と不安の声もあがる。

高市氏は週末も積極的にテレビやインターネット番組、雑誌などメディアの取材に応じ、情報発信を強めている。さらに高市氏は11日夜には東京都内のホテルで、自身を支える議員らと今後の戦略や情勢分析など対応を協議した。13日からは、国会議員の事務所を訪ねて、挨拶周りを進めることにしている。

発信力を強める高市氏

「信念と違うことは説明できない」 河野氏念頭に指摘

高市氏は、総裁選でライバルとなる河野規制改革相が「原発政策」や「女系天皇」を巡り持論を封印しているとの声が出ていることについて、「私は他候補の批判は一切しない」としながらも、「自分の信念と違うことを明確に説明するというのは相当大変で、譲れない所は譲れない。信念を持っていないと国会論戦に堪えられないし自分の言葉で語りかけることが難しくなるのではないか」と指摘した。

17日の総裁選告示後、候補者同士の論戦が本格的に行われる。コロナ対策をはじめ、安全保障、経済政策などの政策論争に注目が集まる。