島根県出雲市の特産の1つ「出西しょうが」が、出荷の最盛期を迎えている。

この出西しょうがを全国へ発信した立役者の男性が、2020年に交通事故で亡くなった。その思いを引き継ぎ、ショウガづくりに乗り出した関係者たち。試行錯誤の1年目の収穫を取材した。 

「出西しょうが」を特産品に成長させた父

出雲市特産の出西しょうがは、繊維質が少なくピリッとした辛味が特徴。

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東京・関西・北海道など全国にファンがいる、出雲の代表的な特産品に成長した出西しょうがは今、出荷の最盛期を迎えている。 

出西しょうが農家・永戸薫さん:
お客さんが待っている。なんとかして採らないといけないというプレッシャーはあったけど、そこを無事、乗り越えられたのはうれしく思っています。安心しました

出雲市出西地区で、出西しょうがを約1ヘクタール栽培する永戸薫さん。薫さんの父・豊さんの功績なくして今の「特産・出西しょうが」はない。 

永戸豊さん(2020年8月):
新しいショウガの香りで、食欲を出して元気になってもらえたら

在りし日の父・豊さんは、1998年に組合を作り全国に発信。400年前からあった出西しょうがを特産品に成長させた立役者だ。

しかし2020年8月、出荷の時期に交通事故に遭い亡くなった。

ショウガづくりを継ぐも異常気象で厳しい船出

出西しょうが農家・永戸薫さん:
とにかくやるしかない。携わってくれている人も多いので、続けなきゃいけないと最初に思いました

豊さんの突然の死に直面し、長男・薫さんは跡を継ぐ決意をする。2021年から母・文江さんや手伝ってくれる仲間と共に、ショウガづくりを引き継いだ。

しかし、豪雨や日照り、台風、記録的猛暑など1年目は異常気象に見舞われ、厳しい船出となった。

そして、迎えた初めての収穫シーズン。8月27日午前6時、薫さんはショウガづくりを手伝ってくれている仲間と畑に来ていた。

ショウガづくりを手伝う 西村英人さん:
こいつが一番やっかい。普通に生えていたらいいけど、ショウガとショウガの間に…

夏の天候不順で雑草が繁茂し、草刈りが追い付かないほどだった。

ただ、意外な恩恵もあったという。収穫を間近に控えた8月、台風9号が直撃したものの草があったおかげで暴風でも倒れなかったのだ。

永戸さんの出西しょうがは、なんとか生き残った。 

永戸さんの畑で収穫された「出西しょうが」

出西しょうが農家・永戸薫さん:
今年は異常と皆さん言われているので、なかなか1年生にはつらい

ショウガづくりを手伝う 西村英人さん:
(豊さんは)自分たちが知らない間に、いろいろ試しておられたと思いますけど、そのあたりが自分たちはわからないので…

「ここまで来れた」今年も父と同じ出荷量を目指す

父・豊さんが育てた2020年の出荷量は約7トン。2021年も同じ量を目指しているが、出荷量は未知数だ。

それでも、伝統の継承へ一歩を踏み出した。

ショウガづくりを手伝う 西村英人さん:
想像していたよりは採れています。もう本当、ダメかなと思っていたので。全く採れないと思っていたので

出西しょうが農家・永戸薫さん:
なかなか期待に応えてたくさんの物量を出すことは今はできないけど、でもなんとかここまで来れました

(TSKさんいん中央テレビ)