島根県の山間にある温泉が、温泉愛好家が選ぶ「ひなびた温泉」の全国1位に輝いた。タイムスリップしたかようなレトロな雰囲気が魅力だという温泉を実際に体験した。
加水も加温もしない「完全源泉100%かけ流し」
鬱蒼とした森林に囲まれ、昼間なのに薄暗い林道。見通しの悪いカーブが続く。
この記事の画像(11枚)福村翔平記者:
このあたりに温泉があるということですが…こちらですかね。かなりひなびた場所にありました
島根県美郷町にある「千原温泉」。島根のほぼ中央部、三瓶山の麓にひっそりとたたずむ、日帰り入浴のみ利用が可能な湯治場だ。
このロケーションなどから、温泉愛好家たち330人が選ぶ「ひなびた温泉」の全国ランキング1位に輝いた。
このランキングでは、山陰両県から大田市の「小屋原温泉 熊谷旅館」が6位に入るなど、6つの温泉がランクインしているが、その中でもぶっちぎりの1位だったという千原温泉。
どんな特徴があるのか?
福村翔平記者:
ぬるめの湯ですが、湧き出る温泉で体の芯から温まる感じがします
耳をすませば、川のせせらぎが聞こえる。
そして、足元から湧き出る源泉。
その上に浴槽を設置し、加水も加温もしない「完全源泉100%かけ流し」。泉質を守るため石鹸やシャンプーは使用できない。
「薬湯」として長く親しまれ…有名になったきっかけは
この秘湯の歴史は、1885年に温泉宿設置の記録が残っていることなどから100年以上前とされ、開湯以来「薬湯」として親しまれてきた。
有名となったきっかけが…。
千原温泉・田邊康文亭主:
広島の原爆でやけどを負った方がここに来て、やけどのあとがきれいになったということで有名になった
原爆の被爆者が療養に訪れ、傷が癒えたことから評判が広がったといい、今では広島県を中心に年間6000人から7000人が疲れを癒しに訪れている。
千原温泉・田邊康文亭主:
今後これをどうこうしようということはないので、この湯を愛してくれた常連さんにかわいがってもらうということを続けていきたい
全国一の称号を得た山間のひなびた温泉。これからも訪れた人を癒し続ける。
(TSKさんいん中央テレビ)