皆さんは「ナトカリ」という言葉をご存じか?じつは高血圧の予防につながる、あるバランスについての言葉。
何が高血圧の予防になるのか、ナトカリに詳しい医師に話を伺った。

「ナトカリ」は高血圧の予防になる?

仙台市青葉区にある東北大学 東北メディカル・メガバンク機構。こちらで、ナトカリについて研究を進める寳澤篤教授。そもそもナトカリとは何なのか?

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東北大学 東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門 寳澤篤 教授:
ナトカリというのは、尿中や血中のナトリウムとカリウムのバランスを指す言葉

ナトカリとはすなわち、尿や血液中のナトリウムとカリウムの比率のこと。何故、この数値に注目するかというと…

東北大学 東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門 寳澤篤 教授:
ナトリウムを過剰に取ることで、高血圧やがんになりやすい。カリウムには、血圧を下げる効果があるし、がんを抑制する効果がある。ナトカリのバランスが崩れていることを評価することで、血圧予防やがんの予防に役立ててもらえると思う

こちらはナトカリの比率を測る専用の測定器。尿検査ですぐに調べることができる。検査時間は、数十秒。

梅島三環子 アナウンサー:
ここに数値として出るんですね。ぱっと出ます。その場で、検査ができるんですね

この比率、「4.1」を超えると塩分が多く、バランスが崩れている目安になる。

東北大学 東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門 寳澤篤 教授:
ナトリウムを多く取っていて、カリウムを取ることで出ていくことはある。減塩もすごく重要だが、ナトリウムを取った時には、少なくともカリウムでバランスをとるようなイメージを持ってもらえれば

高血圧の患者が多い登米市では?

梅島三環子アナウンサー:
そのナトカリ比測定を特定健康診査に取り入れた自治体があります。登米市です

登米地域は、宮城県内でも特に高血圧の患者が多いエリアの一つ。男性は2位、女性はなんと1位。このことから、今回の研究に参加し、市民にナトカリ比の大切さを伝えている。
2021年で5年目。住民の健康意識も高まり、ナトカリ比の数値も改善されているという。

梅島三環子アナウンサー:
数値はいかがでした?

50代:
かろうじて良好の範囲で安心した。3段階で一番悪い段階の年もあった

30代:
結果は良好でした。数値に出てくると塩分など気にした方がいいのかと思う

登米市市民生活部健康推進課 及川満代さん:
登米市は、脳血管疾患の死亡率が県平均より高く、高血圧の人も多い。食卓に漬物が乗っている風習がある地域。
ただ、ナトカリ測定を始めてからはお茶のみのなかでも気を付けるようになったと住民から聞いた。数値で簡単に見ることができて、より現実的になって、皆さんもやる気になっていると思う

ナトカリ比を改善する食べ物は?

では、このナトカリ比を改善するにはどうしたらいいのか?

東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 小暮真奈 助教:
野菜を取ることをお勧めします

こう話すのは、管理栄養士の資格も持つ小暮真奈さん。

梅島三環子アナウンサー:
なんで野菜を取った方がいい?

東北大学東北メディカル・メガバンク機構 小暮真奈 助教:
野菜にはカリウムが多く含まれているので、野菜を取ることでナトカリ比を下げることができます

いつもの食事に少しずつ野菜を取り入れることでカリウムの摂取量を増やし、ナトカリ比を下げることができるという。取りたい野菜の量は一食分で、生の状態で120gが目安。これだけ取れれば、一日に取りたいカリウムは十分に取れるそう。

東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 小暮真奈 助教:
何かを減らすというと、抵抗感が出てきてしまうかもしれないが、何かを増やすなら、たくさん食べていいとなる。抵抗感なく、意識しながら食べることができると思う

寶澤教授も、今後もこのナトカリ比についての認識を広め、県民の健康意識を高めていきたいとしている。

東北大学 東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門 寳澤篤 教授:
今まで塩が血圧に悪い、野菜を取ると血圧に良いとよく知られていたが、自分がどのくらいの塩や野菜を取っているか数値として見ることができなかった。食事の見直しが起こることで、健康で長生きにつなげていけるのではと期待している

※注意点として、腎臓病などでカリウム制限をされている方は、必ず医師に相談して下さい

(仙台放送)