フードロスを削減できるお得なサービス

スーパーやコンビニ駅など身近な場所で実は今、新しい割引サービスが続々と登場している。めざましテレビでは、お得な上に食品ロスも削減できるというサービスを調査した。

「スターバックスコーヒー」が8月23日から始めた割引サービス。閉店3時間前を目処に在庫状況に応じてドーナツやケーキなどを20%引きにして販売するというもの。

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この取り組みについて担当者は…

スターバックスコーヒージャパン商品本部フード部・森田一毅部長:
「フードロス削減プログラム」と呼んでいるものになりまして、お求めやすくお渡しするというようなところをお客様を巻き込んで実施することによって、ゴミを減らしていこうと…

直売所の売れ残った野菜を駅で販売

「ココ調」班が、まず向かったのは夕方の東京・池袋駅。

改札のすぐ隣でなにやら野菜を販売している。

大東文化大学3年・高柳琳さん:
埼玉県の東松山市から運んできた売れ残ってしまったお野菜をこちらで販売しています

こちらは埼玉県東松山市などが中心に行っている「レスキュー直売所」。地元で売れずに余ってしまった新鮮な野菜をその日のうちに池袋に運び、安く販売しているという。

日によってロスになる野菜の種類や数も違うため、基本的にはセットにして販売。

販売員:
いろんな野菜を買っていただけるようにいろんなセットを作って500円で…

例えばゴーヤー、ピーマン、トウガラシ、ナスは2袋入って直売所で通常550円のところを500円。もともと安い直売所の野菜をさらに安く買うことができる。

その直売所は、池袋から電車で1時間ほどのところにある埼玉県東松山市の農産物直売所「いなほてらす」。

フードロスについて担当者は…

東松山農産物直売所 いなほてらす・栗山俊幸さん:
やっぱりどうしてもお客さんは形のいいものから選んでいってしまいまして、最終的にどうしても形の悪いものですとか、見た目がちょっと汚れたりとかするものがロスになりやすい

こちらの直売所だけで1カ月にロスになる野菜の量は約1トン。

売れ残った野菜はどうなってしまうのか…

野菜生産者・森田光夫さん:
直売所に引き取りに行って、場合によっては廃棄してとか家で食べるとか

この時期はキュウリやゴーヤーなどを出荷しているという森田さん。出荷した野菜の10%ほどは毎日ロスになっているという。

そこでロスを解消するために始めたのが超スピーディーな販売方法。午後4時直売所の営業が終了すると、スタッフの方が売れ残った商品をわずか15分でコンテナに詰め終え、車に積んでいく。

車で向かった先は最寄りの森林公園駅。東武東上線で池袋駅と直結している。野菜の入ったコンテナは電車にどんどん積み込まれていく。鉄道会社全面協力のもと電車に乗せて池袋駅まで輸送する仕組みだ。

午後6時30分直売所の閉店後からわずか2時間半で池袋駅での販売を開始。

池袋駅の利用者:
5回目くらいなんです。新鮮だし何が入っているか楽しみなのもあって買っています

池袋駅の利用者:
500円でこの量はちょっと考えられないですよね。電車で運ぶっていうのも新しい取り組みでいいなと…

そして販売開始から約45分で完売。埼玉の直売所の営業終了からわずか3時間15分という超スピード販売だ。

大東文化大学2年・茂木彩花さん:
売れ残ってしまったお野菜も捨てずに誰かの元に届けたいっていう思いでやっているので、ちゃんとその農家さんの思いも受け継いで販売できたらいいなって思います

スーパーではAIを使って値引き・発注

一方都内のスーパー「東急ストア」では最新技術を使った方法でお得になる食品ロス削減を行っている。

総菜(デリカ)担当者:
今、AIを使って値引きの作業をしています

「東急ストア」では、発注システムから値引きの額までAIを活用中。

価格と消費期限、天候、リアルタイムでの売れ行きなどを見ながらAIが発注数、割引シールを貼るタイミングまで計算しているという。

ちなみに雨が降っていたこの日午後7時にAIが総合的に計算して出した総菜の割引率は20%

総菜(デリカ)担当者:
割合についてはその日の売れ方によって様々ですので固定ではないんですが、10%~50%引きの指示が出てきます

割引率とタイミングそして的確な発注が分かることで、約20%のロス削減につながっているそう。(※AI導入店舗の場合)

家庭の余った食品をこども食堂へ寄付

一方、コンビニでも新たな取り組みが行われている。

ファミリーマート サステナビリティ推進部・大澤寛之さん:
こちらの箱はファミマフードドライブといって、ご家庭で余った食品を寄付していただく受付の箱になります

現在は全国500店舗以上で実施されており、24時間営業だからこそ、いつでもどこでも寄付ができ家庭での食品ロス削減にもなるというもの。

集まった食品は社会福祉協議会などを通じて、子ども食堂などへ届けられる。

SNSで売れ残りの割引情報を拡散

そして東京・高円寺では大学生がお得なロス削減を行っている。

早稲田大学・小泉勇輔さん:
お店の売れ残りの写真を撮って、それをインスタにあげるというのをやっています

高円寺のアンテナショップ「山形県飯豊町アンテナショップIIDE」で働く大学生小泉さんが2021年2月に始めたインスタグラム「高円寺フードロスゼロ」。

現在、高円寺周辺の9店舗でインスタのアカウントを共有。お得な割引情報などをアップし、街全体で食品ロスを減らそうというもの。

この取り組みについて小泉さんは…

早稲田大学・小泉勇輔さん:
(インスタは)やっぱり若い人が見てることもありますし、コロナ禍になって収入に困ってる学生とかがいるので、うまくマッチングして本当に欲しい人に欲しい物を届けられるということができればと思って…

このインスタに参加している「酒場ニホレモ」では…

酒場ニホレモ副店長・林大輔さん:
ただ来て食べるだけより、SNSとかを見て「こういう感じで作っているんだ」と、若い人が広めてくれるのも影響力があっていいんじゃないかなと

実際小泉さんのアルバイト先ではこの日、閉店1時間前にいつもより多く弁当や総菜が売れ残っている状態。

早稲田大学・小泉勇輔さん:
やっぱり雨ということもあって、残っちゃってる状況ですね。これからタイムセールというかたちで売り出そうと思っています

弁当や総菜をまとめ買いすれば、最大30%引きで販売するタイムセール情報を早速インスタにアップした。

すると、すぐにお客さんが来店。残っていた唐揚げと総菜を20引きの496円で購入していった。

インスタ利用者:
インスタフォローしています。フードロスの情報ってなかなかどう見つければいいか分からないですけど、ふっと見た時にポッとは入ってくると気軽でいいですよね

インスタ利用者:
なかなかフードロスとSNSって結びつかないじゃないですか。発想としてもすごいですし、お米作っている人も嬉しいじゃないかな

さらに東京・杉並区の「レクトサンドカフェ」も独自にインスタでフードロスを削減中。

レクトサンドカフェ店主・毛利恵美子さん:
ピーマンのベジ肉詰めとカレーチーズロールが(売れ残って)ロスになりそうなので、おいしいうちに食べて頂きたいので…

閉店2時間半前にお惣菜とパンの割引情報をアップする。

通常216円のカレーチーズロールを、ほぼ半額の110円で販売すると無事完売。

レクトサンドカフェ店主・毛利恵美子さん:
インスタにあげるとチラホラとお客様がいらっしゃるので、すごく反響はあるかなと思っています

三宅正治キャスター:
なるほどね。ロスもなくなる、安くて助かる。何よりも大学生が自分たちで考えて、自分たちで行動しているというところが素晴らしいですね

立川大樹アナウンサー:
池袋駅で野菜を販売しているのも大学生の方たちなんですね。まだ生産者の農家の方たちと直接まだお会いはしていないそうで、これからはそういった交流会などを広げて、いい関係を持続継続させていきたい。さらに商品への理解も高めていきたいと話していました。

(「めざましテレビ」9月8日放送分より)