8月24日に開かれた工藤会トップの裁判で、総裁の野村悟被告に死刑、ナンバー2の田上不美夫被告に無期懲役が言い渡された。
今後の暴力団捜査への追い風になるのか。

工藤会最高幹部・野村被告に死刑判決

水谷翔記者:(8月24日 午後4時ごろ 福岡地裁)
野村被告に極刑が言い渡されました

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工藤会の最高幹部に対し、言い渡された判決。

足立勉裁判長:
野村被告は死刑。田上被告は無期懲役とする

犯行への直接的な指示を示す証拠がない中で、異例の判決となった。

福岡地裁は1998年以降、市民を狙った4つの襲撃事件で、野村被告が首謀者、そして田上被告は犯行の意思決定に関与したと認定した。

また、野村被告の量刑理由について裁判長は…

足立勉裁判長:
組織力や指揮命令系統を利用して犯行を実行させ、これに首謀者として関与した刑事責任は誠に重大。極刑を選択すべきである

「勝利のひとつの階段のぼった」安堵する市民

トップへの死刑判決に、長年 工藤会捜査に携わった元福岡県警の藪さんは。

元福岡県警・藪正孝さん:
死刑判決はインパクトが大きい。今回の事件を弾みにして、未解決の事件もぜひ検挙してほしい

一方、北九州市内で長年暴力追放運動を続けてきた男性は。

暴追運動に参加する男性:
安心が一番ですね。何よりも安心感ですかね。(死刑判決は)完全な勝利とは言えませんけど、勝利のひとつの階段をのぼったくらいですかね

男性が暴追運動に本腰を入れたのは、2003年に小倉北区の高級クラブに手榴弾が投げ込まれ、12人が重軽傷を負った「ぼおるど事件」がきっかけだったと話す。

暴追運動に参加する男性:
手榴弾を投げるということは、無差別殺人のようなこと。あれがひとつの暴追の転換期といえ、少しそこから盛り上がってきたかなと

そしてこの「ぼおるど事件」で負傷した女性は、工藤会トップが指示したと認定されたことでひとつの区切りがついたと話す。

ぼおるど事件の被害者:
一段落つけたかなと。指示するだけの権力や支配力が(両被告に)あったってことが証明された

「後悔するよ」裁判長に脅迫じみた発言も

そうした中、判決を受けた被告2人は、閉廷後、裁判長に対して脅迫ともとれる発言をしている。

田上不美夫被告:
なんやこの裁判は。裁判官やなく、検察官やね。ひどいね、あんた、足立さん

野村悟被告:
公正な裁判をお願いしたのに、全然公正やないね。全部、推認、推認、推認。こんな裁判があるか!あんた、生涯このこと後悔するよ

弁護側は、判決を不服として控訴する方針。

また暴力団に詳しい弁護士は、今回の判決が暴力団捜査、そして暴追運動の後押しになると評価する一方で、暴力団の活動にさらに変化が出てくる可能性があると指摘する。

暴力団に詳しい・堀内恭彦弁護士:
今までは、トップが関わる直接的な証拠がなければトップの責任は問えないということで諦めていた事件も多いんですけど、暴力団側も組織性を隠したり隠蔽したり、そういう動きになってくると思う。直接的な実行犯に組員を使わないとかですね、そういう犯行が増えると思います

暴力団捜査にも大きな追い風になるとみられる8月24日の判決。
一方で、変化するとみられる暴力団犯罪に対して、先を見据えた取り組みも求められる。

(テレビ西日本)