偽札輸入などの罪に問われていた元技能実習生の男性に、熊本地裁が無罪判決を言い渡した裁判について、熊本地検は控訴を断念したことが7月31日にTKUの取材で分かった。

熊本地裁「故意認められない」無罪判決

この裁判はベトナム国籍の元技能実習生・チャン ヴァン ビインさん(38)が、2023年に仲間と共謀し、ベトナムから日本に偽の旧1万円札176枚を輸入。その紙幣を熊本県内の金融機関で両替するなどした罪に問われていたもの。

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7月に開かれた裁判員裁判で、検察が懲役9年を求刑していた一方、チャンさんは「偽物の紙幣だと知らなかった」と一貫して無罪を主張。

熊本地裁は17日、「チャンさんが、紙幣が偽造されたものであると認識していたことについて、決定的な事情がなく、故意があったと認められない」として無罪を言い渡した。

熊本地検「判決内容を精査」と控訴断念

控訴期限の7月31日、TKUの取材に熊本地検は「判決内容を精査した結果、控訴しないこととした」と明らかにした。これにより、チャンさんの無罪が確定することになる。

チャンさんの弁護人を務める、村山雅則弁護士は「地検が市民感覚を尊重して、適正な判断をしたものと考えている」とコメントしている。

(テレビ熊本)

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