東京・台東区の職員16人感染で不燃ごみ回収が中止に

止まらぬ新型コロナウイルス感染拡大は、暮らしを支えるこんなところにまで及んでいた。

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東京・台東区では可燃ごみの回収は行っているが、職員の新型コロナ感染が相次ぎ、不燃ごみの回収は休止となってる。

感染者が相次いだのは、台東区清掃事務所。台東区によると、職員16人の感染が確認されたため、ごみの収集にあたる人員の確保が困難になったという。このため区は、8月16日から31日まで、区内全地区で不燃ごみの収集を休止すると公式サイトで発表した。

【台東区ホームページ】
新型コロナウイルス感染症陽性者が複数確認されています。ごみの収集体制を維持するために、清掃事務所では職員の配置を工夫し、通常通りの収集業務ができるよう努めてきましたが、業務に必要な職員の確保が困難となったため、下記の期間において「燃やさないごみ」の収集を休止いたします。

現在、台東清掃事務所の職員のうち、約20人が自宅待機中。残りの人員で、可燃ごみや資源ごみなどの収集は通常通り行うという。

不燃ごみが回収できないことで、さまざまな業種に影響が出ている。区内のヘアサロンではこの時期、スプレーなどを多く使うため困っているという。

美容室 ARSPACEの店員:
8月って結構忙しい時期なので(不燃ごみが)出せないというのは難しいです。放置しておくっていうのは、こういう暑い時期でもありますので…。

また、味噌専門店では影響の広がりを懸念する声が聞かれた。

郡司味噌漬物店の従業員:
不燃ごみだからそんなに困らないですが、燃やすごみだと結構、生活に直面する感じはありますね。

身近な行政サービスの提供中止。今や同様の事態がどこで起きてもおかしくない状況だ。

菅首相が整備表明「酸素ステーション」とは

東京など6つの都府県に発令中の緊急事態宣言は再び延長される見通しで、延長幅は9月12日までとする案が政府内で検討されている。

菅首相は8月16日、小池知事らとともに東京港区のホテル内に設置された療養施設へ。重症化防止の効果がある抗体カクテル療法の実施状況などを視察した後、そろって会見に臨み、今後の感染対策についてこう話した。

菅首相:
まず東京の感染を抑えることが、全国の感染拡大を抑えることにつながる。

小池都知事:
国と連携を図ることが都民の命、そして健康を守ることに直接つながってくると。

東京都では16日、新たに2962人の感染を確認。月曜日としては最多の数字だ。全国の重症者も前の日から40人増えて1603人となり、4日連続で過去最多となるなど感染の急拡大が止まらない。

都内では、自宅療養者が先週初めて2万人を突破。この危機的状況に、菅首相はある対策を打ち出した。

それが、自宅療養者に酸素を投与するための「酸素ステーション」の整備。実は、神奈川県ですでに運用が始まっていた。入院が必要な患者に対し、搬送先が決まるまで応急処置として酸素投与をする緊急施設という位置づけ。

政府関係者:
ポータブルの酸素を置いてやる。東京都のコロナ専用病院とか、病床が空いているんだよね。そういうところを活用するやり方もあるし、酸素缶を集めてどこかの建物でやることもあるかも。今、東京都とも話をしている。

しかし、専門家からは懸念の声が上がっている。

昭和大学・二木芳人客員教授
酸素投与は基本的に、治療というよりも患者さんの症状を緩和するだけの療法ですから。やはりそれだけでは不十分で、必要な患者さんが行き着けるかどうかというところも大いに疑問ですよね。

さらに施設の開設により、医師や看護師不足が加速する恐れもあり、現状ではある程度の治療ができる施設を増やすことが急務だと指摘。

“宣言”9月12日まで延長か 専門家「ほとんど効果が得られない」

そこで浮上するのが、東京都では7月から設置が始まり現在、沖縄県などで運用が始まっている「入院待機ステーション」だ。

体育館や病院内の空き部屋を活用し、自宅療養などで容体が悪化した患者の入院先が見つからないときに一時的な治療を行う、いわば野戦病院的施設。

政府は緊急事態宣言の期限延長に加え、新たに京都府・兵庫県・福岡県を軸に宣言の対象拡大も検討。17日に開く政府対策本部で正式決定する方向だ。しかし…

昭和大学・二木芳人客員教授:
ただ単に地域や期間を延長したというだけでは、私はほとんど今のタイミングでは効果が得られないと思います。

13日、菅総理はいわゆる「ロックダウン=都市封鎖」についてこう述べた。

菅首相:
世界でロックダウンをする、外出禁止に罰金をかけても、なかなか守ることができなかったじゃないですか。やはりワクチンだということで、人流の抑制と同時にですね、そうしたことをしっかり全力で取り組んできています。

(「イット!」 8月16日放送分より)