2年間髪を伸ばし続けたプロバスケの藤田浩司選手
バスケットボールB3リーグ「鹿児島レブナイズ」で活躍する藤田浩司選手。トレードマークは、長く伸ばしたロングヘアーだ。
2年間にわたり髪を伸ばしてきた背景には、2020年に鹿児島県・大隅地方に甚大な被害をもたらした大雨が影響していた。

高い身体能力を生かしたプレーに加え目を引くのは、背中まである長い髪。実は2年間、髪を伸ばし続けてきた。6月下旬、鹿児島市の理容室に藤田選手の姿があった。
鹿児島レブナイズ・藤田浩司選手:
最初は寄付することを知らなかったが、寄付の経験があるチームのスタッフに聞いて、何かのためになるなら伸ばしてみようかと。

藤田選手が髪を伸ばし続けた理由は、病気や事故で髪をなくした子どもたちに医療用のウィッグをつくるためだった。このボランティアは、「ヘアドネーション」と呼ばれ、今、子どもから大人まで、広がりを見せている。

――ヘアドネーションはどうやって知りましたか?
髪の毛を寄付した人:
SNSです。髪の毛いつ切ろうか迷ってたけど、もしも切るなら人のためになったらいいなと。
寄付を受け付けるボランティア団体のほとんどで、寄付する髪の毛の長さは31cm以上が条件。

美容師:
多い時で月4~5人くらい来られます。
きっかけとなった大隅地方の大雨「人の役に立てることはないか」
寄付を行う人のほとんどが女性というこのヘアドネーション。
そんな中、藤田選手がこのボランティアを選んだのにはこんなきっかけがあった。2020年、大雨で各地に被害がでた大隅地方。

そこで片付け作業を手伝っていたのは、レブナイズの選手たちだった。選手自らが志願し行ったボランティア活動だったが、藤田選手の姿はない。

この時はスケジュールの都合でボランティアに参加できなかったが、「自分も何か人の役に立てることはないか」とその時、伸ばしていた髪をさらに伸ばし寄付することに決めた。

バスケットのプレー中には、ボールと一緒に髪をつかんでしまったり、髪が顔に当たることもあった。それでも信念を貫き、寄付ができる長さまで髪を伸ばした。
「笑顔になってほしい」2年分の願いを込めて
受け取った子どもたちに「笑顔になってほしい」。藤田選手はそんな願いを込め、切った髪の毛を送った。


ヘアドネーションを経験して、藤田選手は、こんな思いを強くした。
鹿児島レブナイズ・藤田浩司選手:
元々知らなかった人が、自分をきっかけにヘアドネーションのことを知ってくれるといいなと。ヘアドネーションをその方がやってくれたら発信してよかったなと思うし、とても意味のあることを自分自身やったなと思えるので。

――またやりたいですか?
鹿児島レブナイズ・藤田浩司選手:
まあ伸びればやりたいなと思いますし、そこまで伸ばすのも苦じゃなかったので、やりたいなと思います。
(鹿児島テレビ)