経済活性化への期待の半面、差別につながる懸念も…
新型コロナウイルスのまん延が長引き、海外への渡航が難しい状況が続く中、「ワクチンパスポート」に注目が集まっている。
12日、加藤官房長官が会見で、ワクチンパスポートについて「7月26日から市町村での申請受付を始める」と明らかにした。
ワクチンパスポートとは、ワクチンを接種したことを公的に証明するもので、海外渡航がスムーズになると期待されている。
対象の国や地域は今後公表されるが、一般論として例えば、入国時の隔離期間の短縮や免除などが想定されている。
申請に必要なものはパスポートと申請書、2回接種したことを示す接種済証で、発行手数料は無料。住民票のある市町村に提出すると、窓口か郵送で、書類で手元に届く。

また、ワクチンパスポートの国内での活用については、経団連から飲食店での割引、国内移動の際に何らか特典をつけられないかや、大規模イベントの優先入場など、経済活性化に向けたメリットについて提言があった。

政府は国内利用のガイドライン作成を検討しているが、接種を受けていない人の入場拒否など、差別や不利益につながることがないよう呼びかけるなど慎重な姿勢だ。

フランスの例では、ワクチン接種などを証明する「健康パス」の提示を8月から飲食店などの利用で義務化するという厳しい対策が発表され、「差別につながるのでは」と早くも懸念の声が上がっている。
(東海テレビ)