鹿児島市で活動する94歳の彫刻家・中村晋也さん。
約10年にわたり制作してきた壮大なスケールの作品の原型が、このほど完成した。

鹿児島市のアトリエで数々の作品を創り出してきた彫刻家・中村晋也さん(94)。

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約10年の集大成「釈迦八相像」 

JR鹿児島中央駅前に設置された「若き薩摩の群像」をはじめ、多くのダイナミックなモニュメントを手掛けてきた。

その中村さんが、11年前から制作に取り組んできたのが「釈迦八相像」。
仏教の開祖・釈迦の生涯を、8つの場面で表現している。

4つ目の場面にあたる「苦行」。釈迦が出家をして、断食や座禅を組む様子が表現されている。
高さ3m・幅5m・奥行き1.5mという壮大な作品の中で、中村さんは一人ひとりの表情を巧みに表現し、魂を吹き込んでいく。

「情熱」を「使命」と表現

こちらは、7年前に「釈迦八相像」を制作していた時の様子。
真剣なまなざしで作品と向き合う中村さんは、この作品にかける「情熱」を「使命」と表現していた。

彫刻家・中村晋也さん:
「使命」ですよね。もし僕がこれをしなかったら、当分やる人はいないんじゃないかな

この「釈迦八相像」は奈良県の薬師寺に贈られ、すでに後半の4場面は西塔に設置されている。残る前半の4場面も、2022年春頃をめどに東塔に納められる予定。

この日は完成した原型を見ようと、薬師寺の住職もアトリエを訪れた。

薬師寺・加藤朝胤管主:
ただただ感動。形だけではなく、血が通っている、そんな思いがしますね

彫刻家・中村晋也さん:
完成というのはない。いい作品かどうかというのは、人が決めること、自分の手を離れたら、私の作品ではない。すでにこの作品に関しては私は卒業してしまった。次の仕事に心の中は入っていく。離れられない人は作家じゃない

彫刻界の最前線に立ち、94歳になった今も作品制作への情熱を失わない中村さん。
その集大成とも言える作品が、いよいよ完成の時を迎える。

(鹿児島テレビ)