皆さんは、普段どれくらいの塩分を取っているか意識したことはあるだろうか?
塩分の取り過ぎは高血圧につながると言われ、高血圧は新型コロナの重症化リスクの1つにも挙げられている。
宮城県の成人男性の一日あたりの食塩摂取量は平均11.9gで、全国ワースト。日本高血圧学会が推奨する、一日あたり6g未満のほぼ2倍。
日ごろの食生活でいかにして塩分を減らすかに関心が高まる中、宮城・名取市内の会社が「かまぼこ」で減塩にチャレンジした。

この記事の画像(20枚)

試行錯誤の末に完成した「減塩笹かまぼこ」

宮城・名取市に本社がある笹かまぼこの「ささ圭」。

寺田早輪子アナウンサー:
店内には揚げかまぼこや、お寿司のようなかまぼこも…。おいしそう。こちらには、「減塩」と書かれた笹かまぼこがあります

2021年はじめに新発売された「減塩笹かまぼこ」。
見た目は、ごく普通の笹かまぼこだが、表示されている食塩相当量は0.4g。一般的な笹かまぼこに比べ、約40%減塩されている。

ささ圭 常務 佐々木尭さん:
かまぼこ独特のプリっとした弾力は、塩を一定のある温度で加えると、なめらかで独特の弾力、食感が出る。塩がかまぼこづくりの一番の肝と言っても過言ではないので、非常に苦心した

かまぼこにとって「食塩」は、弾力ある食感を生む、無くてはならないもの。それをいかに少なくするか。
食塩の代わりに用いられたのが、弾力を生みだす働きをする納豆菌由来の成分。試行錯誤を重ねた結果、減塩笹かまぼこが生まれた。

寺田早輪子アナウンサー:
磯の香り、香ばしさは一般的な笹かまと変わりない。しっかりした弾力。塩気もあり、おいしい

普段の食生活に減塩食材を

創業55年にして初めての挑戦となった「減塩」笹かまぼこの開発。きっかけは名取市からの呼びかけだった。

名取市 管理栄養士 高橋千春さん:
名取市の国民健康保険加入者の健康診断(2018年度)で、140/90以上の血圧の高い人が4人に1人(1186人)という結果が出た。減塩に関する環境づくりを進めるため、減塩プロジェクトを始めた

名取市は市民の高血圧を予防するため、2019年に「元気なとり」減塩プロジェクトをスタート。減塩のメリットやコツを紹介する催しなどを開催し、減塩の啓発に努めてきた。

こうした流れの中で白羽の矢が立ったのが、全国的にも有名な「笹かまぼこ」。地元のかまぼこを生かして減塩できないものか、ささ圭に声をかけた。

名取市 管理栄養士 高橋千春さん:
身近にかまぼこ、笹かまを食卓に出しているのと思うので、1gでも減塩できれば血圧が下がる率が高くなるので食卓に並べてほしい

こちらは医師や栄養師などで作る日本高血圧学会のホームページ。8年前から「減塩食品リスト」を公開している。

そこに並ぶのは、しょうゆ、だし、梅干し、かまぼこなど…。いずれも成分表示の内容や試食などの審査を通過した、減塩率20%以上の食品ばかり。2021年4月からささ圭の「減塩笹かまぼこ」も掲載されている。

ささ圭 常務 佐々木尭さん:
私が良くやるのは、おひたし。ほうれんそうなどのおひたしに一緒に刻んで入れることで、かまぼこのうま味も出るので、あまりしょうゆを入れなくても、おひたしをおいしく食べられる

「高血圧」は、新型コロナの重症化リスクの1つにも挙げられている。
高血圧や腎臓病に詳しい東北医科薬科大学の森建文教授は、減塩食材を普段の食生活にうまく取り入れてほしいと話す。

東北医科薬科大学医学部 森建文 教授:
新型コロナ感染症が流行してから外に出る機会が少なくなって、巣ごもり状態で、家でじっとしている。高血圧患者の血圧が少しずつ上がっている傾向。
日本高血圧学会では(食塩摂取量)「一日6g未満」を推奨。ペットボトルキャップで3分の2くらいが6g。非常に少ない量と言える。同じ食べ物を食べるのなら、減塩食品リストの中から選んでもらって、減塩に努めてもらえるとよい

(仙台放送)