新型コロナウイルスの北海道の感染は減少傾向だが、危機感が高まっているのが保育の現場だ。幼い子どもたちの感染を防ぐために、何が必要なのだろうか。

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札幌市白石区の白石中央保育園では子供たちが元気いっぱいに過ごしているが、消毒の回数を増やすなど感染対策を続けている。

相次ぐクラスターに危機感

しかし、5月には市内の保育施設でクラスターが相次ぎ危機感を強めている。

保育士:
子どもの成長をうながすために保育をしていくのですが、どこからコロナウイルスがまぎれ込んでくるか分からないのが心配

感染を防ぐこと。そして、ぬくもりのある保育をすること。
現場は、難しいかじ取りを迫られている。

札幌市私立保育園連盟 菊地 秀一 会長:
保育現場は3密は避けられない。0歳、1歳の子にマスクなんて現実的ではないですから

白石中央保育園では、フロアごとに職員を分けている。
感染のリスクを減らすと同時に、濃厚接触者を限定するためだ。

白石中央保育園 秦 光円 園長:
今までは頭同士をくっつけて寝ていた。今は頭を離して、息が隣の子にかからないように工夫しています

これまでと違う対応に戸惑いや難しさも…

昼もこれまでとは違う。
先生は食事の手伝いをするものの一緒には食べず、別の部屋で「黙食」。

ただ、食育の大切な機会だけに難しさも感じている。

保育士:
食事の時も、もぐもぐとか飲み込みの仕方などは直接見せてあげて初めて獲得できる。ちょっと今はできていない。どう子どもたちに伝えていこうか悩んでいる

さらに…

保育士:
顔の表情も絵本だけじゃなくて、私たちもその表情をして教えたい。(子どもには)マスクから上しか見えない。頑張って声のトーンや大きさ、体の動きで表現しますが、難しいと感じる時がある

保育所・幼稚園の職員も優先接種の対象とするよう要望

感染拡大を防ぐため、札幌市の私立保育園などで作る団体は5月、市に保育所や幼稚園の職員もワクチンの優先接種の対象とするよう要望した。

札幌市私立保育園連盟 菊地 秀一 会長:
保育者が感染した場合、子どもに感染させてしまうリスクが変異株によって高まっている。子どもの健康を守る観点で、保育者のワクチン接種っていうのは非常に重要だと感じている

白石中央保育園には6月10日、優先接種を知らせる連絡があった。札幌市の対策会議で、保育所や幼稚園の職員へ優先接種が行われることが決まったのだ。

白石中央保育園 秦 光円 園長:
本当にとても安心しました。7月上旬から接種券が配られるようですけど、その間コロナに負けないで頑張っていきたいと思う

札幌市の保育施設では、2020年11月の第3波で園児や職員の感染が急増した。その後、減少したものの、2021年4月からまた急増している。クラスターの数も増えていて、5月は市内の保育施設で10件が確認されている。

(北海道文化放送)

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