発達障害のある子どもたちが通う岡山・倉敷市真備町の学習施設が、新たな取り組みを始めた。
被災の経験から学んだ、子どもたちの“居場所づくり”だ。

ホハル・滝沢貴祥さん:
“味”(という漢字)分かる? それじゃないな

子ども:
(Q.教えてもらってどう?)
よく分かる。
(Q.ここに来るのはどんな気持ち?)
楽しい

発達障害のある子どもたちが放課後に通う学習施設「ホハル」。

ホハル美川(岡山・矢掛町)
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ここは、岡山・矢掛町の閉園した幼稚園を借りて、2020年秋にオープンした「ホハル」の2つ目の施設だ。小学生から高校生まで、約30人の子どもたちが通っている。

ホハル・滝沢貴祥さん:
子どもたちの居場所は必要です。何より僕ら大人が元気になれます

ホハル・滝沢貴祥さん

西日本豪雨で全壊も…1カ月で再開

小学校の教師だった滝沢貴祥さんは、同じく元教師の兄・達史さんと一緒に3年前の2018年4月、倉敷市真備町に障害のある子どもたちの居場所「ホハル」を立ち上げた。

滝沢貴祥さんの兄・達史さん(右)

施設の名前には、子どもたちが自分で帆を張って船出ができるようにとの願いが込められている。
しかし、オープンからわずか3カ月、西日本豪雨で施設は全壊してしまった。

岡山・倉敷市真備町(2018年7月)

滝沢貴祥さんの兄・達史さん:
われわれはすぐに再開しなければと、独自に寄付、クラウドファンディングを利用して…

滝沢貴祥さんの兄・達史さん

協力してくれた人たちへのお返しに選んだのは、泥だらけのおもちゃだった。

滝沢貴祥さんの兄・達史さん:
おもちゃを捨てるのが、一番つらいというか、切ない気持ちになってて。切ない気持ちを共有できたらいいなと思って。これを届けられたら、災害のことやリアリティーを届けられるかもしれないと思った

協力してくれた人たちへのお返しは…

思いに賛同してくれた人たちからは、約500万円の資金が集まった。
「ホハル」は、被災からわずか1カ月で、子供たちの居場所を取り戻すことができた。

被災経験生かし福祉避難所としての機能も

あれから3年。

ホハル・滝沢貴祥さん:
子どもが、真備の方もいっぱいになってきて、さらに(隣の)矢掛の子たちも受け入れたいと借りた

当時10人ほどだったホハルに通う子どもたちは、2つの施設で約100人に増えた。

滝沢さんは、この新しい施設で、被災当時から抱えていたある思いを形にした。

ホハル・滝沢貴祥さん:
福祉避難所を考えています。真備の子たちって、なかなか避難所に入れなかった子がいます

ホハル・滝沢貴祥さん:
障害があって、声を出してしまったり、飛び跳ねてしまったり、車の中で過ごした家族が多かったので、そうした子どもたちと家族を支援したいと、広い空間を借りた

テントや寝袋は50人分用意された。水や食料、発電機なども備えられている。
災害が起きた時、この場所は障害がある子どもたちと、その家族が避難できる場所にもなる。

ホハル・滝沢貴祥さん:
ここだったら大きな声を出しても、みんな分かっているので、ちょっとぐらい優しく接してくれる

西日本豪雨からもうすぐ3年。
「ホハル」は、子どもたちの船出の後押しを続けていく。

(岡山放送)