「食育」ならぬ「木育」は、木のおもちゃやワークショップなどを通して、子育てに木を生かそうという取り組みだ。
この「木育」をテーマにしたスポットが6月、愛媛・新居浜市にオープンした。

60種類もの木のおもちゃで自由に遊ぶ

6月1日、愛媛・新居浜市に「ワクリエ新居浜」がオープンした。
廃校をリノベーションし、地域の交流拠点として新たに生まれ変わった施設だ。

ワクリエ新居浜(愛媛・新居浜市)
この記事の画像(11枚)

開放感あるカフェスペースやコワーキングスペースなどもあり、子どもから大人までさまざまな使い方ができる。
そして、施設の中にあるのが「木育ひろば 木音(ころん)」だ。

橋本利恵キャスター:
奥の部屋から、子どもたちの声が聞こえますよ。「木育広場」って書いてるんですが、子どもたちがいて、これは木のおもちゃかな? みんな楽しそうに元気に遊んでます

このスペースが使えるのは、乳幼児とその保護者などとなっている。

元気に遊ぶ子どもたち

「木育」を提唱している「東京おもちゃ美術館」がセレクトした60種類もの木のおもちゃがそろえられ、自由に遊ぶことができる。

利用したお母さん:
家だと、木に囲まれて遊ばすことはできないし、これだけ木のおもちゃをそろえてあげることもできないので、いい機会だと思います

スペースの利用は1日3部制で、現在は感染対策のため、1回あたり7組までの完全予約制となっている。

「木育」で子どもだけでなく親もリラックス

木育インストラクターの吉田みのりさんは、子育てに「木」を取り入れる「木育」には、さまざまな良さがあるという。

木育インストラクター・吉田みのりさん:
木には、触った時に温かさだったり、柔らかさを感じたり、優しい匂いだったり、木目の美しさだったり。木と木がとぶつかる音が五感にぶつかって、刺激になるんじゃないかと思います。乳幼児期に、たくさんの木のおもちゃに触れてもらってほしいなと思ってます

木育インストラクター・吉田みのりさん

利用したお母さん:
手触りもいいし、香りもいいし、成長過程にもいいのかなって思います

「ひのきのたまごプール」。ひのきには、抗菌作用や香りのリラックス効果もある。

ひのきのたまごプール

子どもたちだけでなく、コロナ禍の中で子育てをしている親たちにとっても、ほっとできる空間だ。

木育インストラクター・吉田みのりさん:
やっぱり匂いの効果があるのか、お母さんたちもリラックスして、表情も柔らかかったように思います

子どもたちを育みながら森林も守る街に

施設がある新居浜市は「木育」を推進し、2019年から「ウッドスタート」という取り組みを始めている。

利用したお母さん:
健診の時も木のおもちゃをもらって、もともと新居浜が地元じゃないですけど、そういうのに力をいれてるところなんだって知って、子育てしやすい街だなと思って

お母さんが受け取ったのは、積み木のセットだ。
新居浜市は、生後5カ月の赤ちゃんに、新居浜の別子銅山のヒノキで作った「銅山のつみき」をプレゼントしている。

新居浜市がプレゼントしている「銅山のつみき」

別子銅山は、燃料用のまきを取るための伐採や煙害で、山林が一時荒廃した。
その山を再生させようと、明治中期に大規模な植林が行われ、その結果、林業が発展したという歴史がある。

この積み木に使われている木材は、この別子銅山のヒノキを地元企業が切り出して製材したものだ。

別子木材センター

別子木材センター・石井国光さん:
地域の材を使って木育のおもちゃを作るということについては、雇用が生まれ、いろんな作業があるので、経験を生かしてやっていけるので、非常に会社にとってはありがたい。
地元の新居浜の木で育ってもらうというのは、地元に愛着が生まれるのではないかと思います

別子木材センター・石井国光さん

積み木を受け取った母親:
すごいですよね! こんなにあるんだと思って。これが(子供は)早速お気に入りみたいで

地元の恵みを生かしながら、子どもたちを育み、森林を守る。
「木育」が、地域の「人」と「環境」を次世代へつないでいる。

(テレビ愛媛)