1試合3発ものホームランを放つ、記録にも記憶にも残る阪神ドラフト1位のルーキー・佐藤輝明。

5月の月間MVPを受賞し、オールスターのファン投票では12球団最多の得票数。

6月12日、宮城・楽天生命パーク宮城で行われた楽天との交流戦では、田中将大からホームランを放ったことで、交流戦の新人最多記録を更新し、打点でも最多タイとなった。

この記事の画像(9枚)

そんな佐藤はヒーローインタビューで「祖父母の前でこういう活躍ができてとても嬉しいです」と、この地での活躍を喜んだ。

この日、スタンドでは佐藤の祖父・勲さんと祖母・美智恵さんが見守っていた。

勲さんは「非常にうれしいです」と笑みを見せ、美智恵さんも「宮城でホームランを打ってもらったのは何ものにも代えがたい」と孫の活躍をよろこぶ。

ホームラン量産を支えた“じいちゃんのお米”

そこで、怪物ルーキーのホームラン量産のルーツを探るべく、宮城で暮らす佐藤の祖父母の自宅を訪れると眼前に水田が広がっていた。

一つ目のルーツは「おじいちゃんのお米」にあった。

豪快なバッティングを生み出すのが、187センチ、94キロの恵まれた佐藤の体格。

しかし、子どもの頃は「輝明は割と食も細いし背もあんまり大きくなかった」と美智恵さんも語るほど、意外にも小食だったという。

そこで勲さんは田んぼで作っている自家製の宮城のブランド米「ひとめぼれ」を佐藤に送ったところ、見る間にパワーをつけるようになったという。

帰省中も休まず練習

もう一つのルーツは「休みでも猛練習」したこと。

勲さんは「来るとじっとしていない子だから、練習をやめなかった」と振り返る。

佐藤は夏休みや冬休みなどに帰省をしていたが、休みを満喫したい時でさえも練習に励んでいたという。

祖父母の自宅近くには勲さんが所有するテニスコートがあり、ここで練習していた佐藤。

筋トレ用のゴムチューブは当時のまま残されていた。また、この場所で練習した思い出が佐藤のイラストにも込められていた。

美智恵さんは「ガムテームで巻いてボールを作るわけさ。もう、うるさい位に家の中で打たせてた。私はあれがホームランのきっかけかなって(思っている)」と語る。

そして、勲さんは「願わくばもう1本、明日もまた続けて欲しいと思う」と孫のこれからの活躍を期待した。