広島のがんばる人をご紹介するコーナー。
ワクワクしたあの頃の感覚が、明日への活力につながる。

“昭和”をコンセプトにした人気のカフェ

コロナ禍で打撃を受けた飲食店が、山間の町で新たな拠点作りに取り組んでいる。
広島市中区舟入幸町にある「昭和喫茶びー玉ポケット」。

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その中へ一歩足を踏み入れると、まるでタイムスリップしたかのような昭和感漂うレトロな空間が。
懐かしいゲーム機やキャラクターグッズなど、貴重なお宝に囲まれた中でカフェ時間が楽しめる珍しいコンセプトのお店。

たくさんの“お宝”に囲まれた店内

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
これが昭和20年代のカープ選手の、今でいうところのプロ野球カード。富くじ付きのカードでして、10万は超えると思うんですけどね、マニアから言わせたら。
仮面ライダーを全部知ってるよとか、そういうお子さんも多いので、本当に幅広いです客層は

オーナーによると現在の価値は10万を超えるという

懐かしくて新しい、昭和世代の貴重なアイテムが集まる「びー玉ポケット」。
古道具や骨とう品などを買い取るリサイクル業を営む原田さんが立ち上げたこのカフェは、オープンから9年、順調にファンを増やし、人気店へと成長した。
ところが…

コロナの影響で客足激減…

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
3月、4月くらいから、ぴったりお客さんが来なくなったですね。休業要請が出てからは、時短もそうですけど、ほとんど閉めてました。テイクアウトとか色んな策を講じてみたんですけど、やはりスタッフを養うまでには全然程遠いという状態

びー玉ポケット オーナーの原田直樹さん

売上げが見込めなくなる中、原田さんはここで、ある行動に打って出た。

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
うちへレンコンを卸してくれている業者に向けて「レンコン堀りでも何でもするけん仕事くれぇ」みたいな形で、夜中の3時に起きて、東広島まで行ってレンコン堀りをやっていました。もうやらないと食えないからです

レンコン畑に向かう途中、大きな出会いが

お店とスタッフを守るため、背に腹は変えられないと東広島市にあるレンコン畑まで毎朝1時間かけて通う日々…。
そんな中、ある出会いが原田さんを待っていた。

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
リサイクル業もやっているものですから、倉庫を3カ所市内に持ってたんですけど、そこの家賃もコロナのせいでままならなくなっていて、レンコン堀りに行っている間、阿戸町にすごい山小屋を見つけたので、「あ、ここ倉庫にいいんじゃないかな」と

レンコン畑に向かう道中でひと目惚れした1軒の山小屋。約10年前まで喫茶店として営業していた建物。

約10年前までは喫茶店として営業していたという

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
所有者の人に何度も交渉していくうちに、地域貢献のために頑張ってくれるのならということで、格安の条件で譲り渡してくれるということに

所有者との約束は「地域貢献」。
当初、倉庫にと考えていた原田さんだったが…

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
地域性とか、地元で美味しい野菜とか米がとれることとか、いろんな援助をしてくれる人が声をかけてくれて、やる気は全くゼロだったんですけど、阿戸町でも飲食店をということで

阿戸町の魅力を発信するカフェに。
しかし、ここで再び大きな壁が立ちはだかる。

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
表向きはそうでもなかったんですけど、中開けてビックリ。もう10年ぐらい放置していたのと、2年前の土砂災害で流木とか泥とかいろんな物が入り込んでいたんですよ。お金がなくてレンコン堀りを手伝いに行ったくらいだったので、当然お金がない状況で

コロナで売上げが途絶える中、資金はないけれど時間ならたっぷりある。
そう前向きにとらえ、廃品や廃材を集めながら、少しずつ理想のカタチを作り上げていった。

7カ月の月日をかけ、ついにオープン

そして…

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
新しくオープンした6鳴館です。約7カ月くらいかけて作りました

阿戸町の大自然の中に佇む「山小屋カフェ・6鳴館」。

新しくオープンした「6鳴館」

その店内はというと…

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
レトロ風の造りにしております

“昭和”を感じさせるものがいたるところに

木に包まれたぬくもり溢れる店内は、「びー玉ポケット」同様、昭和な雰囲気を随所に感じられる素敵な空間になった。

ここで楽しめるイチオシの看板メニューは、地元のお米を使った高級たまごかけごはん。

満足感のある卵かけご飯は1日20食限定

1つ250円もするという烏骨鶏の卵を贅沢に2個も!
添えられる小鉢には、地元の農家から仕入れた野菜をたっぷり使っている。
食を通して阿戸町の魅力を発信するとともに、原田さんはいま、中庭にカフェのイメージを覆すあるものを製作している。

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
お店の横を流れている川がホタルの繁殖地なんです。だから、そのホタルを観ながらゆっくり露天風呂に浸かっていただこうと思いまして、いまお風呂を作っています

阿戸町の自然を満喫してもらえるようにと思いついた、貸切の露天風呂。

制作途中の露天風呂

年内の完成を目指し、DIYで作業を進める原田さんだが、ここまで頑張れる理由は…

びー玉ポケット オーナー・原田直樹さん:
苦境にあった時こそ試されている時で、コロナコロナと言い訳してはいられないので、何でもやってやろうと。
経営とかいうのはですね、突き進むか、現状維持か、撤退か。
その中で、撤退っていうのが実は一番お金が掛かるんですよね。オープンよりも撤退の方がお金が掛かるもんで、お金がないというのもあって、もう突き進むしかないなと思っております

(テレビ新広島)