岩手県と青森県の旧南部藩を中心に、古くから愛されている「南部せんべい」。
小麦粉に「塩」と「水」だけをまぜた生地を、丸く焼いたシンプルなせんべい。

サクッと食感の秘密は生地の作り方に
岩手県民:
主人はおやつ代わりに食べてます
岩手県民:
好きですよ
ーーーどこらへんが好きですか?
岩手県民:
あの硬さとかかな?
岩手県民:
わたしはほとんどゴマせんべい。パリッとカリッというか
愛される理由は、その「食感」。
その秘密を探るため、岩手・二戸市にある老舗の南部せんべい店へ。
創業者の小松シキさんがシンボルキャラクターとなっている小松製菓。

小松製菓・小松豊社長:
この中の空気をどれだけ抱いているかっていうところが、1番大きな違いで、サクサク感がすごい感じられる
どちらも一見同じように見えるが、右が最新のゴマの南部せんべい。
実は改良されていた。

香ばしい香りが広がる工場。
ここで“サクッと食感”が生まれている。
森尾絵美里アナウンサー:
早速、“食感の秘密”を見せてもらいに来ましたが、こちらは?
小松製菓・小松豊社長:
生地を練っているところです
秘密はこの生地の作り方にある。
小松製菓・小松豊社長:
(食感の秘密は)生地の水の温度、あと、練りすぎない

水の温度は、その日の気温によって変えるという。
このゴマの南部せんべいは、1日に平均3万枚も焼いている。

味や形を変えた60種類の商品を販売
そのほかにも小松製菓では現在、60種類もの味や形を変えた商品が販売されている。

その1つが、若者から大人気の「チョコ南部」。

小松製菓小松豊社長:
南部せんべいは、伝統的に丸いものではなくてはいけない。伝統的でなくてはいけないみたいなのがずっとあって。チャレンジした商品が、もうかれこれ10年以上、若い方々を中心にすごいおいしいと
夏前には、バナナ味が登場するという。
シンプルで色んなものと合う南部せんべいは、SNS上でも「アレンジレシピ」が紹介されるほど。

SNS上では「この黄身のトロっとしたところが南部せんべいによく合う」、「ピザ生地にもグッド!」などという声も。
厳しい状況下でも心遣いを忘れない
一方で、お土産としても用いられる南部せんべいは、緊急事態宣言の出た2020年の4月・5月の売り上げが、前の年と比べ2割から5割ほど減った。
そんな厳しい状況下でも、心遣いを忘れない。

小松製菓・小松豊社長:
(新型コロナは)永遠には続かないと思いますので、次に岩手を訪れていただけるお客さまのために、今できることをしたい

南部せんべいが長年愛され続けているのは、食べる人への思いやりと新しいことへの挑戦があるのかもしれない。
(岩手めんこいテレビ)