レノボ・ジャパンが小中学生向けにパソコン解説動画を公開
全国の小中学校で1人1台端末を配備する「GIGAスクール構想」。
昨年度から実施され始めているが、そうした中、レノボ・ジャパンは5月17日、GIGAスクール端末を使う小中学生に向けて、端末の使い方などを解説した動画を自社のYouTubeチャンネルで公開した。

同社は昨年度、全国に約200万台のGIGAスクール端末を出荷しており、万が一トラブルが発生することも想定して、前年度対比で1.3倍まで国内修理能力を高めている。
さらに、大人では想定できない使い方をすることもある子供に、正しくパソコンを使用しトラブルを回避してもらう目的で、約3分の解説動画を作成。「パソコンのあつかいかた」「パソコンのかくぶのなまえ」「パソコンのきほんそうさ」の3本を公開した。
「パソコンのあつかいかた」では、パソコンをやさしく扱ってほしいとして、「たたかない」「ふまない」「落とさない」「投げない」「水をこぼさない」といった注意事項を紹介。さらに「パソコンの持ち方」では、両手で体の前に抱えて持つなど、具体的な方法を解説している。
「パソコンのかくぶのなまえ」では、電源ボタン、電源コネクターなどパソコン(クロムブック)の各部の名前と機能、そして、使い始めと終わりにする操作を解説。
「パソコンのきほんそうさ」では、写真の撮り方や撮影した写真に文字を入れる方法など、パソコン(クロムブック)の操作方法をわかりやすく説明している。
これらは小中学生に向けたのものであるが、今の小中学生といえばスマホやタブレットに慣れ親しんでいる世代のはずだ。
特に「たたかない」「ふまない」といったパソコンの扱い方については、ここまで丁寧に解説しなくてもわかっていそうだが、なぜこのような解説動画を公開したのか?レノボ・ジャパンの担当者に詳しく話を聞いてみた。
「取り扱い方が雑になるケースもあるようです」
――YouTubeチャンネルに「PCの使い方」の動画を公開した理由は?
文部科学省GIGAスクール構想という政策により小中学生全員に1人1台のパソコンまたはタブレットが昨年度配備されました。レノボは子供にテクノロジーを与えることは未来への選択肢を与えることである、という理念を持ってます。特にSTEAM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、アート、マスマティクス)といった分野に早くから興味を持つ上でパソコンの教育利用は欠かせないと考えています。
一方で、教室でパソコンを使った授業を行うにあたり、子供に基本的な操作やパソコンを壊さないための注意事項などを指導する先生の負担も大きくなっていると聞きます。そこで、こうした先生の負担を少しでも軽減できればという思いで作成しました。

――子供はスマホなどの電子機器の扱いに慣れているイメージがあるが、実際はそうではない?
パソコンとスマホは操作が異なるので、改めて教え直す必要があります。
――実際、パソコンを雑に扱う子供は多いの?
実際に学校関係者から伺った内容に基づいています。自己所有のスマホ、タブレット、ゲームなどと違い、学校から与えられたデバイスということもあり、取り扱い方が雑になるケースもあるようです。
――雑な使い方をする子供に傾向はあるの?
特にこういうタイプの子供が、ということはありません。授業中に退屈していじる、はしゃいでいるうちに乱暴な扱いになってしまうということが多いようです。

パソコンを使ったことで学習意欲がアップしたという声も
――ちなみに、大人も含めパソコンが壊れる原因で多いものは何?
落下による損傷、水こぼしなどの過失です。
――学習用端末を配備した学校からはどんな声を聞く?
パソコンを使った授業で従来よりも学習意欲が増したという声もあり、GIGAスクール政策は高く評価されていると思います。一方、今回のように先生の負担が増えたり、どういった教材や教え方をしたらよいのかというサービス、サポート面の充実を必要とする声もうかがっています。
パソコンは苦手な勉強が楽しいと思えるようになる便利な道具
――GIGAスクール構想で、こうした呼びかけをすることは想定外だった?
子供の使い方が乱暴なことは想定しています。当社のGIGAスクール向け端末は米国国防総省の定めるMILスペックという過酷な環境での使用テストをおこない、これに合格した頑丈なモデルを用意しています。また、修理依頼件数も増えることを想定し、現在国内の修理能力を昨年対比で1.3倍を目標に拡充しています。
――今後、動画は増えていくの?
6月にはWindows版の動画を追加します。その後は反応をみて検討したいと思います。
――今回の動画の中で、特に子供に伝えたいことは?
このビデオを通じて子供に伝えたいことは、パソコンは新しいことに興味を持ったり、苦手な勉強が楽しいと思えるようになる便利な道具です。だから大切に使って使い方を早く覚えて欲しいということになります。

パソコンは調べものに活用するなど、勉強する上でも大切なツールになりつつある。だからこそ、子供達は叩いたり投げたりせずに、大切に使って欲しいものだ。
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