牛舎の設備販売の仕事で、後継者不足に悩む畜産農家を見てきたデザミス株式会社、代表取締役兼CEOの清家浩二さん。

この記事の画像(6枚)

「畜産のイメージがあまり良くない。労働も大変ですし、後継者がなかなかつきにくい。牛にセンサーを付けて活動の変化を見れば、何らかの危機を察知して対処できる」

そう考えた清家さんは、2016年に最先端のIoT技術で牛の健康を遠隔管理するシステム「U-motion(ユーモーション)」を開発した。「U-motion」のUはUshiのUだ。

首輪型のIoTセンサーが「起立」や「採食」「反すう」などの牛の行動を24時間記録。それを元に、AIが「運動量が落ちている」「エサを食べていない」など、異常を感知するとアラートを発信する。

農家はリアルタイムでそれらの情報を確認することで、牛の病気にいち早く気づいて対応できる。

「U-motion」を付けた牛を飼育する農家は「起立困難の牛を見つけるために、母親と交代で夜中もカメラを使って見回っていたのですが、U-motionを導入してからは日々の生活も楽になりました」と話す。

さらに、日本で初めて牛の分娩兆候を知らせるサービスも開始。これで農家は余裕を持ってお産の準備ができ、発情アラートと併用することで出産率の向上が期待できるといい、「U-motion」は2020年度までに全国で10万頭の牛に導入された。

牛の体調の変化は畜産の経験が長くないと見極められないとされてきたが、IT化により、経験が少ない若い人も参入しやすくなり、農家は慢性的な人手不足を解消できる。また、農家だけでなく、何かあれば夜中でも牛舎に駆け付けていた獣医師の負担も軽減できる。

清家さんは「データやIoTを使いながら、すごく楽しい畜産やカッコイイ畜産に変えていきたい」と語った。

デザミス株式会社
https://www.desamis.co.jp/

「フューチャーランナーズ~17の未来~」
フジテレビ 毎週水曜日22:54~23:00放送中(関東ローカル)
BSフジ 毎週土曜日 21:55~22:00放送中
■動画はこちらから
https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/archive_125.html
■過去の動画一覧はこちら
https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/archive.html

SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/sdgs.html