一般向けに発売

ミドリムシを原料の一部にした燃料が、初めて一般向けに発売。

西村昌樹記者:
こちらのミドリムシと使用済みの食用油を使ってバイオ燃料が作られています

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バイオベンチャーのユーグレナは、東京都内のガソリンスタンドで、9日から3日間、バイオ燃料を販売する。

利用客A:
ものを再利用するというのは、いいのではないか

利用客B:
普通に給油するだけでできるならいいかなと

一般向けの販売は初めてということで、2025年までに量産化に向けた施設を完成させたいとしている。

低酸素化のイノベーションに期待

環境やエネルギー政策にくわしい、国際環境経済研究所理事・主席研究員の竹内純子さんに話を聞いた。

内田嶺衣奈キャスター:
ミドリムシを原料にした燃料の一般販売。
このニュースのポイントはどういったところにあるんでしょうか?

国際環境経済研究所理事・竹内純子さん:
政府が掲げるような大幅な低炭素化には、電化、例えばガソリン車を電気自動車に買い換えるといったことと、その電気の作り方を低炭素化していく、今、火力発電メインの電気を再生可能エネルギーや原子力といった方法で作るといったことを同時進行でやることが必要だと言われています。
ただ、車の買い換えにはコストもかかりますし、電気ではできない部分もありますので、そういったところは燃料の低炭素化というイノベーションも期待をされるところです。

次世代エネルギー事業の今後は

内田嶺衣奈キャスター:
こういった次世代エネルギーなどの事業を今後、さらに進めていくためにはどんなことが必要になってきますか?

国際環境経済研究所理事・竹内純子さん:
鍵はやはり「コストの低減」と「量産体制の確保」ということになります。

国際環境経済研究所理事・竹内純子さん:
コストの話をすると、一般の方には、コストの話はそんなにつまらないというような批判をされたりするんですけど、エネルギーというのはあくまで手段なので、最終的にはコストをちゃんと下げられるか、あるいは安定的な供給が確保できるかといったところが鍵になります。
例えばガソリンとバイオ燃料というのは、どちらも車を動かすという結果においては変わらないわけです。
何が違うかといえば、CO2を出す量ということになります。
そうなると、ガソリンとバイオ燃料の差額というのが、どれぐらいまで許されるかというのは、1トンあたりのCO2削減にいくらを出すかというところで決まってきます。

国際環境経済研究所理事・竹内純子さん:
もしそれがあまりに高額ですと、ほかの手段、例えば省エネ等でCO2を減したほうがいいということにもなりますので、コストを下げるということ。
そして、エネルギーの安定的な供給ということで、量産体制を確保することが鍵になってきます

内田嶺衣奈キャスター:
コスト面での課題というのは、まだまだあるようですが、バイオ燃料が一般販売されることで、こういった研究や取り組みが広く認知され、CO2削減への意識を高めていくきっかけにつながるといいですね。

(「Live News α」 4月9日放送分)