新型コロナウイルス感染拡大に伴い、大阪市では全国で初めてまん延防止等重点措置が適用された。しかし感染者数は劇的に増加。大阪府の医療体制も急速に逼迫し、大阪府は独自の医療非常事態を宣言するに至った。今回の放送では、スタジオの橋下徹氏と松井一郎大阪市長を中継で結び、大阪の現状と今後の対応を議論した。

松井市長「飲食店が感染拡大の元」

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長野美郷キャスター:
大阪府の新型コロナ新規感染者数の推移。今月6日に719人、7日に878人、8日は916人と連日過去最多を更新。この状況をどうご覧になりますか。

松井一郎 大阪市長:
皆さんに本当に危機感を共有してもらわないと、抑えるのは非常に厳しい状況。

反町理キャスター:
やはり飲食店が最大のポイント? 

松井一郎 大阪市長:
特にお酒が入ると声も大きく、また長時間になる。飲食店が感染拡大の元になっているというのが専門家の皆さんの意見。

反町理キャスター:
一方、大阪市の職員が5人以上の会食で感染したという話もあった。

松井一郎 大阪市長

松井一郎 大阪市長:
皆さんの信頼を損なう行為で、言語道断。府民・市民の皆さんに自粛を、お店には時短をお願いしている。要請する側の我が大阪市の職員がルールを破った。申し訳なかったと思います。

反町理キャスター:
橋下さんによる市政・府政で規律がだいぶ引き締められたという話があったが。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
3万8000人の組織ですので、松井市長としては言い訳にはできないでしょうが、徹底は難しい。厚生労働省の官僚23人の会食問題もあった。もちろん言語道断。ただ大阪市役所も厚生労働省も、全員がとんでもない組織だとは思ってほしくない。

枝野代表「”まん延防止”効果ないなら吉村知事辞めろ」発言は筋が通らない

反町理キャスター:
大阪の新規感染者数はここのところ、ずっと東京を超える数字。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
飲食店もそうだが、大阪の特徴として高齢者施設でのクラスター感染者数がかなり多いのでは。これを抑えること。

松井一郎 大阪市長:
高齢者施設の職員の皆さんは1週間に1度PCR検査を受けていただく制度も作っている。ただ無症状のうちに拡大してしまうということも。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
法に不備があり、無症状感染者を強制的に一斉検査することができない。

松井一郎 大阪市長:
今のコロナ対策の権限は知事にあるが、法が現場と見合っていない部分はたくさんあると吉村大阪府知事とも話をしている。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長、枝野幸男 立憲民主党代表(画面)

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
法の不備は政府の責任であり、国会議員の責任でもある。しかし立憲民主党の枝野代表は、大阪の感染拡大に対してまん延防止等重点措置の効果がなければ吉村府知事は辞めろと言った。不備のある法律を作ったのは国会議員じゃないか。もちろん政府与党に一義的な責任があるが、菅首相は効果がなければ辞めろなどとは言わない。そんな啖呵を切ったのだから、効果が出たら枝野代表こそ政治家を辞めるべき。

事業者にとって「緊急事態宣言」より不公平感がない

長野美郷キャスター:
全国的な感染再拡大はこれまでで最大の危機、緊急事態宣言が発令されるかどうかぎりぎりの段階だという日本医師会・中川会長の発言。大阪が緊急事態宣言を要請する必要性は? 

松井一郎 大阪市長:
緊急事態宣言時に比べ、今まん延防止等重点措置の期間の指定を受けた方が、事業者にとっては協力金の不公平感もなくなっている。そしてやっていることはほぼ変わらない。この措置をいかにうまく活用して抑えていくか。

反町理キャスター:
まん延防止等重点措置の実効性についてはどうお感じになりますか。

松井一郎 大阪市長:
メリハリをつけた形でお願いする。大阪モデルという基準があり、数字によって対応策を変えていく。何をしても緊急事態のままならば、皆さん「もう自由に行動しよう」となりますよ。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
緊急事態宣言を大阪ではずっと継続すべきだった、解除が早すぎたと言うコメンテーターもいるが、結局時短要請だけの宣言を継続しても意味はない。いわゆる山梨モデルのような本質的な感染対策に舵を切らなければ。

「山梨モデル」は大都市・大阪での実行に障害が多い

反町理キャスター:
山梨モデルの説明。山梨県「グリーン・ゾーン」の、飲食店を対象とする場合の主な認証基準。テーブルの間は対人距離を最低1メートル以上確保、真正面の着座配置をしない、座席の間隔を最低1メートル以上確保、十分な換気など。人が実際に店まで行って測っている。このシステム、大阪では?

松井一郎 大阪市長:
府・市職員50人体制の見回り隊というものを組織した。300人に拡大して全てのお店を回ろうとしているが、市内の居酒屋だけで6万件。非常に時間がかかる

反町理キャスター:
何が障害になっているのか。費用なのか、それともお店側に抵抗があるといったことか。

松井一郎 大阪市長:
やはりマンパワーが必要。お店側もピリピリしており、現場の対応力も必要。取り締まりを行うというわけではないのだが、この対策の重要性を丁寧に説明してうまく説明して理解してもらうことができる人材を大量に集めるというのは難しい

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
分科会の尾身会長が、見回りなど直接介入も必要になると。しかし、反発するようなお店もある中では、「お願いベース」ではなく法的な根拠を作らなければ。そして、感染対策をしたお店には時短解除、休業解除といったインセンティブをしっかり与えること。するとお店の方も比較的協力してくれるのでは思う。まだ吉村府知事からも松井市長からもこの話が出ていないが、どうですか。

松井一郎 大阪市長:
それは考えていかなければならない。一方で、合わせて10万件のお店がある。インセンティブを与えたお店が毎日きちっと対策を実行しているかというフォロー調査が必ず必要。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
市政や府政にはいろんなルールがあるが、全施設チェックなどやっていない。抜き打ちチェックや密告からの調査・摘発。それでも効果がある。その方向性が政府や自治体から打ち出されれば、お店の方もある程度納得してくれるのかなと思うが。

反町理キャスター:
見回り隊の財源は、自治体の持ち出し? 国の助成金は。

松井一郎 大阪市長:
政府からは国が措置をすると伝えられています。ただ、すぐにふさわしい人を多く集めることは難しい。

反町理キャスター:
開始して数日経っていますが、見回り隊の皆さんは結構辛い思いをされているのですか。

松井一郎 大阪市長:
今は職員がやっていますが、大阪市・大阪府の職員にもルール破りの会食があった。現場へ行くと「府や市も職員がルールを破っているのに何しに来たんや」という厳しい言葉も浴びていますよ。

反町理キャスター:
それは厳しいな。

新しい協力金の枠組みは進歩

長野美郷キャスター:
政府は今月、飲食店の時短営業などに対する協力金の新しい仕組みを決めました。従来の一律給付ではなく、中小企業は売り上げ規模に応じた金額。大企業は売上高の減少額の4割で、上限20万円。どう評価されますか。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
従来の一律給付よりは一歩・二歩前進した。一番の問題点は額が十分かどうかではなく不公平さだった。規模や売り上げに応じて行うのは本来の姿。

長野美郷キャスター:
ただ、この枠組みですぐに行えるのでしょうか?

松井一郎 大阪市長:
自主申告では丼勘定になってしまうから、財務省の協力のもと納税情報などを計算しなければできない。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
でも、そのためには結局法律がいるのでは。国会議員は本当に、もっと頭を使って汗かいて、知恵を絞ってほしい。

高齢者は優先接種されるが、施設従事者には優先接種されない現実

松井一郎 大阪市長(左)、橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長

反町理キャスター:
高齢者のワクチン接種が始まります。大阪市の接種システムの状況は。

松井一郎 大阪市長:
大阪市の場合は、例えばひと月ほどかけて全ての高齢者施設を回れるかなという状況です。施設だけでも5万人が入所されているが。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
しかし従事者には優先接種されないのでは。医療従事者や高齢者は優先されるが、なぜ施設従事者は優先されないのか。こうした優先順位をつけるのが政治の役割だと思う。

松井一郎 大阪市長:
入所者が打つことで重症化を抑えられる。このワクチンで一番期待するのは、感染しないことではなく重症化しないこと。そのリスクがあるのは高齢者で基礎疾患のある人。そこで優先順位をつけている。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
僕はコメンテーターですから無責任なことをいうが、もっと戦略的に優先順位に加えていくべき所があり、政治主導で進めてほしい。現実は難しいが。

反町理キャスター:
自分が府知事ならやれます?

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
松井さんとタッグを組めるならやりますよ。批判は松井さんが全部受けてもらえれば。

反町理キャスター:
弾除けになってもらって。

橋下徹 弁護士 元大阪府知事 元大阪市長:
そうそう(笑)。

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