2031年の札幌延伸に期待…開業5年の北海道新幹線 コロナ禍で厳しい現実も
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2031年の札幌延伸に期待…開業5年の北海道新幹線 コロナ禍で厳しい現実も

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開業から5年...コロナ禍で“追い打ち”北海道新幹線

3月26日、開業から5年を迎えた北海道新幹線。
新函館北斗駅では、ご当地キャラクターが客を出迎えるイベントが開かれ、祝賀ムードにあふれていた。

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本州と北海道が結ばれて5年。北海道新幹線の1日の平均乗車人数を見てみると、開業した2016年度は6,200人ほどで盛り上がりを見せていた。
しかし2017年度は5,000人、2018年度は4,600人、2019年度は4,500人と徐々に減少。
2020年度は2月までのデータで1,500人ほどと、開業当初の7割以上減。コロナ禍が追い打ちをかけた。

北海道南部の北斗市にある北の玄関口「新函館北斗駅」は、5年間でどのように変わったのか?

水上孝一郎記者:
新函館北斗駅前です。この5年でホテルなどは進出しましたが、企業の立地が決まっていない土地が3割あるということです

北海道新幹線の開業に合わせ、北斗市が約100億円をかけて整備した駅前の商業地には、ホテルやレンタカー店が軒を連ねている。2020年6月には2軒目のホテルができ、2023年には3軒目が完成する予定。
5.3haのうち7割ほどは売却が決まったが、3割は企業の立地が決まっていない。

新幹線開業から約1年後に誕生した、駅に隣接する北斗市観光交流センター別館「ほっくる」。駅を訪れた人やホテルの客などに利用してもらおうと、飲食や物販などの店が最大18店舗あった。
しかし、売り上げの低迷などが影響し、2021年現在 7店舗にまで減少した。

期待高まる10年後の“札幌延伸”

北斗市の池田達雄市長はこの5年を振り返り、今後の動きに期待する。

池田達雄 北斗市長:
5年前は何もなかった。それからホテル、郵便局、レンタカー店、レストランも進出、少しずつ駅前も建物ができている。そのスピードが速いか遅いかという議論はまた別として、少なくとも企業誘致は順調に進んでいると思っている。無理に詰め込む、急いで街づくりするのではなく、新幹線が札幌に延伸する10年後、さらにその後も考えたときに腰を据えて、きちんとした駅前らしさをかもし出す街にしたい

10年後を予定している北海道新幹線の札幌延伸。JR北海道が目指す新函館北斗 - 札幌間の所要時間は約1時間。
利便性アップを見据え、長期的なスパンで新函館北斗駅前の開発を考えているといいう。ショッピングモールや大型店舗などはもちろん、医療機関などの進出も想定している。

池田達雄 北斗市長:
札幌と青森から1時間で結ばれる条件の中で、例えば透析をする患者や慢性疾患の専門病院が駅前にあってもおかしくない。テレワークができる施設があってもいい。そういった企業や病院が興味を示してほしい

新函館北斗駅にある観光案内所の職員・勘田眞綾さんは、新幹線が開業してから5年間、観光案内をしてきた。

北斗市観光案内所 勘田眞綾さん:
5年間はあっという間。期待も不安もいっぱいの状態でスタートを切って、新幹線はお客さんの夢を乗せていると実感した

勘田さんもまた、新幹線の札幌延伸を心待ちにしている。

北斗市観光案内所 勘田眞綾さん:
何もないとか、寂しいと言われることもあるけど、まだまだ伸びしろがある。お客さんからも「頑張ってね」って言われることも多いので、これから伸びていくぞという思いはある。札幌まで延伸する2031年になると、もっといろいろな人の夢を運んでくる。喜んでもらえるように自分をアップデートして、より良い情報を提供することに務めていきたい

10年後への期待は、新函館北斗駅から列車で20分ほどの函館市でも高まっている。

工藤寿樹 函館市長:
市長に就任した当初は、北海道新幹線の札幌延伸は函館に不利と思っていた。函館に泊まってくれればいいと思っていたが、新千歳空港から札幌と函館に来るインバウンドが増えた。新幹線で札幌 - 新函館北斗間の所要時間 1時間への期待は非常に大きい。インバウンドの半分ぐらいは函館に運んできたいなと思うぐらい。様変わりすると思う

工藤市長は札幌延伸に向け、街の魅力アップに力を入れるとともに、北海道南部を周遊できるような自治体間の連携も強化していくとしている。

それぞれの“コロナ禍” 厳しい状況だからこそ感じた“新幹線効果”も

北海道新幹線の開業以降、函館を訪れる観光客は、4年連続で500万人を超えた。東北や北関東の国内の客に加え、インバウンドも増加した。

そうした背景もあり、新幹線が開業した2016年以降、函館市内では50以上の宿泊施設ができている。特に函館駅前エリアはホテルの開業ラッシュとなっていて、2019年から20年にかけて、5軒のホテルが誕生した。(2021年3月現在)

2019年12月、函館駅に隣接してできた複合商業施設「HAKOVIVA」。
その一画にある「ラ・ジェント・ステイ函館駅前」も、開業して1年半ほどの新しいホテルの一つ。

ラ・ジェント・ステイ函館駅前 沼畑剛支配人:
2019年12月にオープンして、年明け1月に新型コロナウイルスの影響で5,000万円近くのキャンセルが出た。それだけキャンセルが出るということは、北海道新幹線の効果だったと思う。ポテンシャルのある地区だと感じた

コロナ禍で売り上げが厳しい状況になったからこそ、函館に新幹線効果があったことを肌で感じたという。

複合商業施設「HAKOVIVA」内で土産物店を経営する井川大輔さんは、コロナ禍で新幹線効果をあまり実感できなかったという。

鶴井龜作商店 井川大輔さん:
開業したてだったので商品はかなり入れたけど、2020年4月~5月に数百万の破棄を出してしまった。どうにかして売ろうという試行錯誤をして、台湾出身の妻が知人家族にあてて少しずつ商品をアップし、函館に来られない台湾の人が30万円分の商品を注文してくれたりして、SNS販売に力を入れた

妻・ジェイミーさん:
対面販売だけではなく、通信販売に力を入れています。つながりのできた海外の人が、いつか函館を訪れることを願っています。

同じく「HAKOVIVA」でジンギスカン店を経営する花田雅人さん。
期待通りの1年にはならなかったというが、試行錯誤を続けている。

箱館ジンギスカン本店 花田雅人さん:
開業5年目だったので、駅前ということもあり、北斗市からかなり入ってくるんじゃないかなと思っていたけど、大変厳しかった。今は地元の人に足を運んでもらって盛り上げていきたい

開業5年の節目を迎えた北海道新幹線。
厳しい現実もあるが、10年後の札幌延伸に向け、期待は高まる。

ラ・ジェント・ステイ函館駅前 沼畑剛支配人:
今はコロナ禍で厳しいが、函館のホテルは食事が有名だったり、エリアとして力がある。札幌延伸で札幌と函館を両方楽しめる北海道新幹線の効果はあると思う

北海道新幹線の札幌延伸は、コロナ禍で苦境に立たされる函館の観光業界の希望の星となるのか。

(北海道文化放送)

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