3月24日から28日まで、スウェーデン・ストックホルムで開催されていた世界フィギュアスケート選手権2021。

ペアの三浦璃来・木原龍一組は、世界選手権ではショートプログラムで8位、ペアフリーでは10位に入り、北京オリンピックへの日本の出場枠を1つ獲得した。

この成績は日本のフィギュアのペアでは歴史的快挙でもある。そもそも日本では、ペアは三浦・木原組のみのため、2020年の全日本選手権もカナダを拠点とする三浦・木原組の入国が新型コロナウイルスの影響で厳しく、ペア競技自体が中止となった。

そんな三浦・木原組にとって今シーズン初の大会となった世界選手権。ショートプログラムやフリー演技後に振り返り、来シーズンへの意気込みを語った。

困難な状況の中でも信頼感が高まった

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24日に行われたペアショートプログラムでは、三浦・木原組が64.37点をマークし8位についた。

――ショートを振り返って

木原:
全体的に楽しめたので、細かいミスは出てしまったんですけど、パーソナルベストが出たので、すごくよかったのかなと思います。

三浦:
ミスも悔しいんですけど、パフォーマンスをすることができて、得点を出せたのでよかったなと思います。

――1年間温め続けてきたものを披露できたことについて

木原:
まだまだ伸びしろはあるかな。この1年間試合がキャンセルになったり、中止になったりして、このプログラムを早く披露したいと話していたので、ようやくみなさまに披露できたのはうれしかった。

――練習環境はいつもより難しかったかもしれないが、価値のある時間になったのでは

木原:
特に今年1年は世界的に大変な状況で、僕たちだけではなかったと思うんですけど、難しい状況が続いて練習や移動の制限、2人で乗り越えなければいけないことがたくさんあった。ただその分だけ、信頼感が高まったのでよかった。

三浦:
今回の世界選手権は私たちにとっては久しぶりの試合で、試合があってさらに成長ができるので、今回は大きな課題、たくさん見つかった。

――どんな課題が?

三浦:
一つ失敗するとどんどん落ちて行ってしまうので、今回のショートは立て直せたので、よかったと思います。

――フリー進出も見えてきたと思いますが

木原:
今回はもちろん“フリーを滑りたい”という思いもあったんですけど、フリー進出を目標にしていなかった。フリーは自分たちがトロントでしっかりやってきたことを発揮するだけだと思うので、楽しみっちゃ楽しみ。

僕たちが頑張らないと(次世代の子たちが)“やってみよう”という気持ちにならないと思うので、結果を出さなければ注目をしてくれないので、僕たちが頑張ることで下の世代が育つというか、新しいチームの誕生のきっかけになる。

――フリーへの意気込み

木原:
フリーではトロントでしっかり準備してきたので楽しんで滑れることに感謝しながら頑張りたい。

三浦:
新しい曲調なので、新しい私たちを見せられるように頑張りたい。

今すぐにでも練習したい気分

ペアフリーでは、三浦・木原組が120.04点をマークし、合計184.41で10位に。北京オリンピックの枠を一つ獲得した。

――フリーを終えて

木原:
2つのミスが出てしまったり、レベルの取りこぼしもあったんですけど、パーソナルベストが出たのは成長かなと。練習からいいものが出ていたので悔しいです。

三浦:
練習で1つミスしても気持ちを落とさずに上げていく練習していたんですけど、スローループではコケることがほとんどなく、自信もあった技なので、試合で決められなかったことがすごく悔しい。

――どんな気持ちでリンクに?

木原:
今まで僕たちは前半グループで滑ることが多かったんですけど、今回は初めて第4グループで滑れることになって、もちろん緊張もありましたが、このグループで滑る機会がなく、滑る前までは楽しみにしていたのですが、本番が始まると体が硬くなってきたと感じました。

――自己ベストが出たこと、代表枠が決まったことについて

木原:
代表枠を獲得できたのはうれしいですけど、今日の内容が僕たちにとってはベストではなかったので、すごく悔しいです。伸びしろあると思うので、今すぐにでもカナダに帰って練習したい気分です。帰れないですけど。

――来シーズンに向けて

木原:
良い思いもできたし、苦い思いもできたので改めて勉強になりました。来年はもっと厳しい戦いになると思うので、今日の悔しさを必ず生かして逆襲したい。

三浦:
全体的に良い経験をさせてもらえたので、この悔しさをばねに来シーズンも2人で頑張っていきたい。

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班