年間300万本売れるみたらし団子…創業以来のこだわり製法でもっちりとした歯ごたえに

岐阜県羽島市に、1年で300万本以上売れる人気のみたらし団子がある。その名は「羽島ダンゴ」。こだわりの製法で作られるもちもちの団子に、スッキリとした甘みのタレが絡む、地域の人たちに親しまれる名物だ。

「羽島ダンゴ」は、6年前に始めた通販も好調で、地域の商品を紹介するお取り寄せサイトの”団子部門”で2020年の1位になるなど、今やその人気は全国区となっている。

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羽島ダンゴの店舗は、愛知や岐阜のスーパーやショッピングモールにある。

女性客A:
タレが、他の店と違って甘めで好きです

女性客B:
もっちりしていて、子供たちも大好きで、3本でも4本でも食べちゃう

年間300万本も出る東海地方の隠れたヒット商品・羽島ダンゴ。その美味しさの秘密は工場にあった。

午前1時45分。岐阜県羽島市にある羽島ダンゴの工場では、日の出前から団子作りが始まる。

羽島ダンゴの担当者:
こだわりは、生のだんごをその日のうちにお客さまに味わっていただく

羽島ダンゴの鉄則その1、「その日作った団子を、その日のうちに食べてもらう」。
当たり前のようだが、それを実現するために、毎日深夜から作り始めている。

材料は国産のうるち米。もち米ではモチモチ感のみが残ってしまうため、歯切れのいい食感にするために、うるち米を使っている。

練った生地を機械にセットすると、串に刺さったみたらし団子の形になって出てきた。それを丁寧に木製のせいろに並べて、蒸していく。

羽島ダンゴの担当者:
木のせいろによって、団子が絶妙な水分量で仕上がると同時に、木のいい香りも伝わって優しい味になる

羽島ダンゴの鉄則その2、「木のせいろで蒸す」。
全てを機械に任せることもできるが、あえて木製のせいろで蒸すことにより、理想とするもっちりとした歯ごたえに。創業以来、ずっと続けている製法だ。5分ほど蒸すと冷まして、専用の箱に入れる。

午前5時。出来たての一番おいしい状態で、愛知や岐阜にあるお店に配送する。

常連「これじゃないと団子じゃない」…スッキリとした程よい甘さで人気

工場には、併設の直売所もある。大きなタヌキの焼き物が目印の「羽島ダンゴ たぬきのお店」。1本1本手焼きして、特製のタレにくぐらせた「はしまだんご(甘辛)」(1本90円)。多い日には、この店だけで600本売れる人気商品だ。

女性客C:
今日は17本です。孫がたくさんいるので

女性客D:
幼稚園ぐらいから食べていて。もちもちで、これじゃないと団子じゃない感じ

生の団子を使っているだけに、もっちり。ほどよい水分量で、ツルリと爽快なのどごし。タレは他より少し甘めだが、その甘さがすっきりしているためしつこくなく、絶妙だ。

米はあったものの決め手はタレ…創業から半世紀 研究重ねてたどり着いた理想の味

羽島ダンゴの創業は、昭和40年。今から50年以上前、小さな工場から始まった。

羽島ダンゴの齋藤浩美社長:
田んぼがあり、米だけはあったんですよ。団子を作ったらどうかと、市場へ行って焼いて売ったり

米農家が余った米を使い団子を作ったのが始まり。ただ、味の決め手となるタレは、試行錯誤を繰り返した。

齋藤社長:
はじめは醤油だけのも、ドロドロのタレも。1本じゃなくて2本3本食べても飽きないような味を

研究を重ねたどり着いた理想の味。現在、愛知・岐阜に9店舗を展開。地域の人に親しまれるソウルフードとなった。

東海地方のソウルフードが全国に…お取り寄せサイトの“だんご部門”で全国1位を獲得

最近では、通販に力も入れている。

齋藤社長:
通販も気に入った味が出ているもんですから、これはいけるんじゃないかということで

通販は6年前に始めた。反応は好調で、「はしまだんご」(20本3080円(送料込み))は、年間300万本に届いた。

店頭で出すものと同じように調理した団子を、氷点下30度で急速冷凍することで、自慢のもっちり感をそのまま家庭でも。調理も簡単で、届いたままの箱をレンジでチンするだけ。ラップすらいらないこの手軽さもうけた。

全国の地方新聞社が地域の商品を紹介するお取り寄せサイト「47CLUB」のだんご部門で、羽島ダンゴは、2020年1位を獲得。

齋藤社長:
全国から注文を頂いて、全然違う地域の人に美味しいと言ってくださるものですから、これを全国的に広めたい

ネットでも売れ続けている羽島ダンゴ。岐阜・愛知のソウルフードが今や全国区の人気だ。

齋藤社長は「40年同じことをやって思考錯誤でやってきたが、お客さんに感謝の気持ちを忘れないようにやっていきたい」と話す。

(東海テレビ)

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