自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

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「アリの行列をじっと眺めて、しゃがんだまま動かない…こんなに釘付けになるのってどうして?」

じっと地面にしゃがみこんで、何をしているの?と覗いてみると、アリの行列を眺めている我が子。パパママが止めなければ、何時間でも見ていそう……でも、途中で飽きないの?
大人から見れば不思議なことに夢中になっちゃう子どもたち、一体どこを楽しんでるの?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

――「アリの行列に夢中」…一体どうして?

“アリ”は絵本などにも非常によく登場する生き物です。よって、子どもたちにとっては、なじみのある存在。絵本でしか見たことがなかったものが、目の前にいたら、やはり「わ~アリさんだ~!」と飛びつきたくなります。

絵本の中には様々な生き物が出てきますが、案外、実際にそれらに会える機会は少ないものです。キツネやタヌキ、そしてウサギやクマ、どれも絵本には頻出する人気キャラクターですが、子どもが外にお散歩に行って、会えるようなものではありません。その点、「アリさん」は家の庭や公園でも会える身近な存在です。メディアで「会いに行けるアイドル」が人気のように、絵本の中の存在に実際に会えるというのは、やはり子どもたちにとって大きな魅力なのだと思います。

アリは、絵本の中でも、行列になって歩く習性や勤勉に何かを運んでいる様子を描かれていることが多いので、実際に行列を見たら「ほんとにやってる!」と感激し、それを追跡したくなってしまうのでしょう。ファンタジーをリアル体験できること、これが大きいのではないでしょうか。


――何歳くらいの子どもに見られる?

1歳を過ぎて、自分で歩けるようになれば、こういう体験を楽しむお子さんは出てくるものです。ただ、1歳の子と3歳の子では、認知的な発達レベルが違いますので、その楽しみ方も異なります。小さい子ほど、単純にアリが動いている様子自体を楽しんで見ているのに対し、大きくなるにつれて、そこにストーリーを見出す子が多いように思います。

たとえば、最近読んでもらった絵本の中に出てくるアリさんと比べながら、

「わ~、このアリさん、パンの小さいのを持ってる~」
「これからお家にこれを持って行くんだね」
「この穴のなかにお家があるんだよ」
「これがお父さんで、これが子ども」
「で、お母さんは穴の中でごはん作ってるの」

このように目の前の行列がどこに進んで行くのか、どんな目的でそこに進んでいるのかなど、想像をかきたてて見つめている子もいるでしょう。

アリの行列は子どもでなくても、思わず目に留まってしまう気がします。少なくとも私は、あれば見入ってしまいます。「この先になにがあるんだろう」のような興味からです。ですので、〇歳の子に特有に見られるという傾向というよりも、興味のある人は何歳になっても目が行ってしまうという類のもののように思います。真摯に生きる姿を、分かりやすく見せてくれるのが、アリの行列の魅力なのかもしれません。

子どもたちがアリの行列に釘付けになっちゃう理由は、絵本などでよく見て知っている、かつ身近ないきものの行動を実際に見られるチャンスだから。
そしてさらに、年齢が上になるにつれて、アリの動きからストーリーを想像して楽しめるというのもポイント。親しみのあるいきものが現実に動いている!という楽しさと、自分の中の想像力が組み合わさることで、「アリの行列を眺める」ことが魅力的な遊びになっているのだ。

そしてそんな遊びの時間、できれば邪魔せずに見守っていたいけれど……おうちにはタイムリミットが。「アリさんはおしまいにして、帰ろうね!」と声をかけても、「あとちょっと…」とグズって困ってしまった、というパパママもいるのでは。

――夢中になると動かなくなっちゃう……なんて声をかければ子どもたちは納得しやすい?

時間には限度がありますので、それは致し方ありません。その場にいられる最大の時間まではそこにいるとしても、次がある場合は、先を急ぎましょう。

もちろん、そこに居続けたい子どもたちにとっては、ママの、「行くよ」はもっとも聞きたくない言葉かもしれません。でも、できないものはできないということを教えていくことも、子育てではとても大事なことです。それを学ばずに育ち、小学生になって困ってしまったというのはよくある話なので、小さい頃から、「これ以上はムリ」ということはきちんと教えていってあげてください。

「今日の夜ごはんは大好きなコロッケだよ」のように、その先にある楽しいことを伝えたり、今回のようなケースなら、アリの行列をスマホで録画して、「お家に帰って後で見てみようね」と気持ちを前に向けたりするのもいいかもしれません。いずれにしても、前の方に目線をずらす働きかけがおすすめです。

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(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)