被災した日本人女性が企画 ロスでオンライン追悼集会

東日本大震災から10年となり、ロサンゼルスでもオンライン形式の追悼集会が開かれました。追悼集会『Love to Nippon』は、ロサンゼルスから里帰り中に宮城県気仙沼市で被災した鵜浦真紗子さんが企画して、震災の翌年から始まりました。参加した人たちは歌や音楽の演奏などに思いを込めたビデオメッセージを寄せ、これからも手を取り合って進んでいきましょうと、被災地に向けてエールを送りました。主催した鵜浦さんは、「ロサンゼルスでも起こりえる巨大地震に備えて、アメリカの人たちにとっても3.11が防災を考えるきっかけになってほしい」と話しています。(ロサンゼルス支局長 益野)

里帰り中に宮城県気仙沼市で被災し、追悼集会「Love to Nippon」を企画した鵜浦真紗子さん
里帰り中に宮城県気仙沼市で被災し、追悼集会「Love to Nippon」を企画した鵜浦真紗子さん
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いち早く被災地に駆けつけた韓国の救助隊

東日本大震災の発生から10年、こちらでは発災当時、被災地で活動した韓国の救助隊の活動の様子などが展示されています。甚大な被害の中で、震災から2カ月で日本は23の国と地域から人的派遣による支援を受け入れました。実はこの時、諸外国の中で最も早く被災地に駆けつけたのは、韓国の救助隊でした。震災翌日に先発隊が被災地に入り、総勢100人を超える救助隊が、12日間被災地で活動し、18人の遺体を発見、収容しました。韓国では、一部の心ない人が震災を中傷するような行為をとったことも事実ですが、その一方で隣国としていち早く手を差し伸べてくれたことを忘れずにいたいものです。(ソウル支局 熱海)

震災当時、総勢100人を超える韓国の救助隊が活動した
震災当時、総勢100人を超える韓国の救助隊が活動した

女性への感謝を込めて 兵士も花をプレゼント

3月8日の「国際女性デー」は、ロシアで最も大切な祝日の1つ。街中が花で彩られます。というのもこの日は、男性が日頃の感謝と敬意を込めて女性に花束を贈る習慣があるのです。生花店にとっては1年で最大の”書き入れ時”で、店内は多くの男性でごった返し、街中は花束をもった男性であふれました。ロシア軍ではパラシュート部隊が3月8日を祝いながら降下し、地上で待ち受けた女性兵士に花をプレゼント。ショッピングモールでも迷彩服の兵士が「ありがとう」の言葉を添えてチューリップと風船を女性に手渡しました。コロナで花が値上がりする中でも変わらぬ国際女性デー。この日を境に、極寒のロシアにも春の足音が近づき始めます。(モスクワ支局長 関根)

兵士たちから花束や風船を受け取る女性たち
兵士たちから花束や風船を受け取る女性たち

「マスクを燃やせ」集会相次ぎ非難殺到

アメリカでマスクの着用義務化を巡る対立が再び激化しています。アイダホ州では「義務化は個人の自由の侵害」と主張する人々が「マスクを燃やせ」集会を開催。鍋の中にマスクを次々と放り込み、火を付けて抗議しました。また、感染者数が全米2位のテキサス州がマスクの義務化解除を強行すると、州内各地でマスクを燃やす祝賀パーティが開催されました。
保守の州で広がる「アンチ・マスク」の動きに、バイデン大統領は「ネアンデルタール人のような考え方だ」と猛反発。マイケル・ムーア監督ら著名人からも「テキサスに貴重なワクチンを与える必要はない」との極論が飛び出すなど、非難が殺到しています。(ワシントン支局 瀬島)

鍋の中にマスクを次々と放り込み、火を付けて着用義務化に抗議
鍋の中にマスクを次々と放り込み、火を付けて着用義務化に抗議

約15億枚以上の使い捨てマスクが海洋ごみに?

新型コロナウイルス対策の必需品として、世界中で利用されているこの使い捨てマスク。一方で、適切に処分されずに海などに流れ込むマスクも増え続けていて、海洋生物などの命を脅かしています。環境NGOによると、この1年間に海に流れ込んだ使い捨てのマスクは約15億枚以上、世界で作られたマスクの3%に当たると推定されます。マスクが分解されるには長い時間がかかり、野生生物が絡まったり、胃の中からマスクが見つかったりするケースが相次いで報告されています。感染から身を守るマスクを、環境破壊の元凶にしてはならない、環境団体は“コロナごみ”の処分に警鐘を鳴らしています。(NY支局長 上野)

海底に沈む使い捨てマスクは野生生物や環境にも影響
海底に沈む使い捨てマスクは野生生物や環境にも影響

週2回のPCR検査を受けながらの学校再開

ロックダウンから約2カ月ぶり、ロンドンを含むイングランドでは、制限緩和の第一弾として学校が再開されました。このうち中学生以上の生徒は、週に2回のPCR検査を受けながら通うことになります。学校が再開され久しぶりに会う友達と笑顔で話す児童が見られます。保護者「子供にとって学校は大事だから再開してほっとした」と話しています。ワクチン効果もあり、1日の感染者数はピーク時の10分の1以下に減りました。政府は、生活必需品以外の小売店の再開は4月、パブなど店内での飲食は5月と慎重に解除を進め、6月にはほぼ全ての規制解除を目指します。(ロンドン支局 小堀)

学校が再開し笑顔で登校する児童たち
学校が再開し笑顔で登校する児童たち

医療体制が危機 感染対策は「ワクチン頼み」

1日の感染者数が依然2万人を超えているフランス。首都圏では集中治療室の使用率が9割を超え、医療体制が危機を迎えています。政府は一部の地域で外出規制の強化や移動の自粛などを呼びかけていますが、効果は上がっていません。この週末もセーヌ川周辺には人が密集し、警察官が集まった人を追い返す事態に。また夜には自宅でパーティーを開く人も多く、感染拡大を招く悪循環が続いています。市民からは「セーヌ川から市民を追い出したのは理解できないね。飲酒が禁止されているのであって、出かけることが禁じられているわけではないでしょう。今週末も外出したいよ」という声も。まもなく薬局でのワクチン接種も始まるフランス、感染対策は「ワクチン頼み」なのが実情です。(パリ支局 藤田)

セーヌ川周辺には多くの人が 警察に追い出される一幕も
セーヌ川周辺には多くの人が 警察に追い出される一幕も

「海上隔離プラン」でタイに旅行客は戻るか

リゾート地での「ヴィラ隔離」やゴルフ場での「ゴルフ隔離」など様々な隔離プランを打ち出しているタイで「海の上での隔離プラン」が登場しました。これは、入国後2週間の隔離期間をヨットやクルーズ船内で過ごすもので、観光地のプーケットでは試験的に旅行者のヨットでの隔離が始まりました。しかし、「2週間」という隔離期間がネックとなり、海外からの旅行客が戻る見通しは立っていません。タイ政府はワクチン接種済みの入国者の隔離期間を4月から7日間に短縮する方針を表明。隔離なしで入国できるワクチンパスポートの検討を始めるなど旅行客の負担軽減を模索していますが、世論の反対も根強く、道のりは不透明です。(バンコク支局 池谷)

試験的に始まったヨットでの2週間の隔離
試験的に始まったヨットでの2週間の隔離

得意のサッカーで大統領再選へアピール

トルコのエルドアン大統領が得意のサッカーで、再選に向けアピールです。「止まることなくゴールを目指す」と宣言し、スーツ姿でボールを蹴る姿をツイートした67歳のエルドアン大統領。実は若い頃はプロを目指したこともあるほどのサッカー好きで、華麗な足さばきを見せています。7年前の大統領選挙の最中にも親善試合に出場し、ハットトリックを披露。トルコで最も人気のあるスポーツ、サッカーでの活躍を武器に有権者の心をつかむのに成功しました。支持率がじりじりと下がる中、建国100年となる2023年の大統領選では再選のゴールを決められるのか、その手腕が問われます。(イスタンブール支局長 清水)

(画像:エルドアン大統領公式Twitterより)
(画像:エルドアン大統領公式Twitterより)

リモート形式の全人代 香港民主化を阻む決定

人民大会堂で1週間に渡って開かれていた全人代は11日に閉幕を迎えます。2020年に引き続きコロナ対策モードの全人代。取材するメディアの数を絞り込み、会見はすべて巨大モニターを使ったリモート形式で行われました。
一方、議題としても前回の国家安全維持法に続き、2年連続で香港問題が焦点に。香港の選挙制度見直しについて決議案が圧倒的賛成多数で可決されると、会場はひときわ大きな拍手に包まれました。今後は選挙にあたり候補者の資格を事前に審査する制度などが導入され、民主派の立候補は事実上困難になる見通しで、香港の民主化の道は断たれることになりそうです。(北京支局 岩佐)

香港の選挙制度を見直す決議案が圧倒的賛成多数で可決され、拍手する習近平国家主席
香港の選挙制度を見直す決議案が圧倒的賛成多数で可決され、拍手する習近平国家主席

右肩上がりの中国アニメ市場 「呪術廻戦」も人気

人気アニメ「呪術廻戦」のコラボカフェが中国にも登場しまして、オープン初日は朝から待ちわびる人たちが列を作っています。カフェの営業は1日5回で、当日の整理券も一部発行されますが、基本は予約入場制です。1回50人が上限の予約は、オープン段階で4月頭までいっぱいに。関連グッズを1度に150万円以上買った人や、全ての料理を注文した人などで、店内は活気にあふれていました。中国の調査会社によると、2014年に1兆円台だった中国国内のアニメ市場の規模は毎年右肩上がりで、2019年には3兆円を超えました。上海には、鬼滅の刃とのコラボ店舗も登場するなど、中国巨大市場に参戦する日本アニメが今後も増えそうです。

4月初旬まで予約が一杯になっているという人気ぶり
4月初旬まで予約が一杯になっているという人気ぶり

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
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