ユニクロ・GUが約9%の値下げ…背景に「総額表示」問題

ファストファッションの勝ち組「ユニクロ」。その店内に並ぶ商品にある変化が起きていた。

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小澤陽子アナウンサー:
こちらのニットですが見てください。タグに「+消費税」の表示がなくなっています

秋冬物の商品の値札には、本体価格の金額横に「+消費税」と表示されているが、春物の商品の値札からは「+消費税」の表示が消えている

実は4月からは、消費税を含む税込み価格いわゆる「総額表示」が義務付けされる。

これに先立ちユニクロなどを運営するファーストリテイリングは、現在の税抜き価格をそのまま税込み価格にすると発表したのだ。対象はユニクロとGUの全商品で3月12日の販売から始まる。

この総額表示の先取りで、買い物客には大きなメリットが生まれることに。

ユニクロ銀座店 フロアマネージャー 相馬葉那さん:
消費税をレジで改めて見ることがなくなるので、お客さまにとって価格がとてもわかりやすくなるというところと、約9%お買い得になります

現在消費税抜きで表示している値札を変えずに、税込みの価格として販売を続ける。これによって実質約9%の値下げになるのというのだ。

春物の全身コーデだと1296円もお得に

実際どれほど安くなるのだろうか?春物の中で一番高額なトレンチコートで確認すると…

ユニクロ銀座店 フロアマネージャー 相馬葉那さん:
現在税込み1万6390円の商品です。3月12日から税込みで1万4900円に変更されます

小澤陽子アナウンサー:
ということは、差額として1490円安くなるということですね

さらに、春物で全身コーディネートするとどのくらい安くなるのかも調べてみた。

商品価格は、デニムの上着が3990円、白いニットが2990円、スカートが2990円。サンダルを含めた合計は1万2960円だった。これに消費税をプラスすると、総額は1万4256円に。この差額の1296円、率にして約9%がお得となるのだ。

4日にユニクロでニットの帽子など購入した30代の男性。レシートを見せてもらうと税抜き合計1499円の買い物で、当然ながら消費税150円がプラスされていた。

4日に購入した30代男性:
なんとなく知ってましたけど…損しましたね、じゃあ。150円くらい

ファーストリテイリングは「表示価格をそのまま支払ってもらうことで余分な計算なく買い物をすることができる」としている。

実践できるかは企業体力も影響するか

加藤綾子キャスター:
利用者からするとありがたいの一言なんですよね。1000円台か2000円台かって大きな差だと思うのですけれども。柳澤さん、大手だからこそできるというところもありそうですね?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
企業体力があるところじゃないとできないと思うんですよ。我々にとってはありがたいんですけど、中小がこれをやろうとするとどこか無理が来てしまって。例えば、質が悪くなってしまうとか。よく食料品なんかで、値段や箱は同じだけど中の容量が減ってしまっていることもありますよね

加藤綾子キャスター:
値段据え置きで内容量が少なくなってしまったりというのは、ありますよね

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
そうなってしまうと、がっかりしてしまいますから。無理のないようにとは思いますけどね

加藤綾子キャスター:
本当ですね。小さな商店などがこれからどう表示していくのか。そこにはちょっと困惑もありそうです

(「イット!」3月4日放送より)