東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森前会長の女性蔑視発言を理由に相次ぐ聖火ランナーの辞退。そんな中、辞退する理由を変更するよう自治体から提案された女性がFNNの取材に答えた。

「このままではいけない」聖火ランナーを辞退

カメラを向けられ照れ笑いするのは、聖火ランナーを辞退した長崎県佐世保市の大学院生・諸国麻椰さん(26)だ。

この記事の画像(9枚)

聖火ランナーを辞退した諸国麻椰さん(26):
森会長の女性軽視発言を受けまして、このままではいけないということで地方から声を上げなければいけないと感じ、苦渋の決断だったんですが今回(聖火ランナーの)辞退を決めました。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森前会長の“女性蔑視”発言。ボランティアや聖火ランナーを辞退する人が続出していた。

大学院で男女共同参画について研究している諸国さんもその1人だ。

聖火ランナーを辞退した諸国麻椰さん(26):
平等・調和などいろいろなことを掲げている中で、この性別蔑視という発言はオリンピックの趣旨にも合っておりませんし、日本ということを考えてもあまりにも時代遅れな発言だと感じています。

県は辞退理由を「諸般の事情」に変更提案

諸国さんは森前会長の発言や新型コロナ対策が不十分として、辞退を伝えるメールを長崎県に送った。
すると県からは、辞退の理由を「『組織委員会に対する不満』で公表してよいか」というメールが届いた。

聖火ランナーを辞退した諸国麻椰さん(26):
「組織委員会への不満」で公表してよいかと最初に提案があり、そこから「諸般の事情に変更はどうですか」とメールが来ました。「諸般の事情」と言いますと、例えば私がケガをしたり、私に何かあったのではないかと逆に変な詮索を受けてしまいます。

諸国さんは県側の提案を断わった。
結局、長崎県は「森氏の発言を理由に辞退した」と公表した。
県の担当者は変更を求めたことについて、「中立的な表現にする方が本人のためになると思った」とコメントしている。

聖火ランナーを辞退した諸国麻椰さん(26):
このまま自分の発言が通らずに発表されていたらと思うととても怖い気持ちになりますし、森会長のことがきっかけということがありましたので、そこを訴えていかなければ意味がない

「女性の立場を知るきっかけに」

聖火ランナーとして走ることを楽しみにしていた諸国さん。
それでも、今の女性の立場を知るきっかけになればと辞退を決めた。

聖火ランナーを辞退した諸国麻椰さん(26):
地方から声を上げていかなければ女性が軽んじられるのではないかということも含めて、女性の立場はもちろんですが、日本のためにも今変わっていかないといけないと思っていますので、皆さんが興味を持っていただけるということは理想の一歩だと思います。

(イット!3月2日放送分より)