需要に応じてタクシー運賃変動へ

タクシー運賃を天気や時間帯に応じて変動させる制度について、国土交通省は認める方向で検討に入り、22日の規制改革推進会議の作業部会で説明した。

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通勤時間帯や雨の日などは運賃を高く、平日の昼間は安くすることなどを想定している。

さらに、現在のメーター制に代わり、GPSで走行距離を測る「ソフトメーター」も導入する方向で検討する。

会議では、河野規制改革相が早期の実現を指示した。

市場原理だけでない制度設計を

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚氏に聞きます。
タクシーに変動運賃の導入を検討ということですが、長内さんはどうご覧になっていますか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
インバウンドの減少でタクシー業界にも打撃がある中、時間帯によって気楽にタクシーに乗れるようになるのは、良いことだと思います。

ダイナミックプライシングを導入すると、稼働していないタクシーの時間を短くすることができるわけです。

そうすると、客待ち時の無駄な燃料の消費やドライバーの待機時間が減り、これは環境負荷の低減やドライバーの勤務時間の改善というような、さまざまなメリットが出てくることが考えられると思います。

三田キャスター:
そうしたメリットの一方で、デメリットや課題というと、どんなことが挙げられますか?

長内厚氏:
これは、導入する地域やどういう人が利用するのかによって、事情がだいぶ変わってくると思います。

タクシーのほかにも、電車やバスといったさまざまな公共交通機関がある大都市部では良いことだと思います。例えば、きょうは安いからタクシーに乗ろう。でもちょっと高いから電車にしよう、というように選べるわけです。

これが車以外に移動手段が少ない地方都市ですと、高くても安くてもタクシーに乗らなければいけない場合があるかもしれない。

あるいは、高齢者の方、障害がある方は、どうしてもタクシーで移動しなければいけない時に問題が出てくる可能性があるわけです。

ダイナミックプライシングは市場原理を導入するということなんですけれども、高くても安くても乗らなければいけない人がいるというのは、市場原理のほかに必要なタクシーの需要ということになるので、そういう人たちのケアも考えなければいけないわけです。

ダイナミックプライシングを導入してメリットを受ける人がいる一方で、どうしても高い値段で乗らなければいけない、困る方を助けなければいけないわけですから、例えば福祉タクシーの利用券や割引券を配るみたいな、市場原理の外でサポートするような制度的な仕組みも同時に考えていく必要があるんじゃないでしょうか。

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三田キャスター:
日常生活においてタクシーは欠かせない方にとって負担が増えないように配慮が必要だと思いますし、天気で変動となると、その基準が少しあいまいな部分もあると思います。

利用者が混乱せずに、安心して利用できる仕組みづくりに期待したいと思います。

(「Live News α」2月23日放送分)