富士スバルラインに次世代型路面電車

富士山に登山鉄道を走らせるための検討会で、富士スバルラインに次世代型路面電車(LRT)を走らせる最終案が了承された。

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山梨県はこれまで、富士山に登山鉄道を走らせる構想を議論してきた。

8日に開かれた検討会では、環境や景観などの観点から、新たに鉄道やケーブルカーを設置するのではなく、富士スバルラインに次世代型路面電車(LRT)を走らせる案がまとまった。

整備費用はおよそ1,400億円が見込まれるが、往復運賃は1万円で、年間に300万人が利用すれば事業として成立するということで、今後、地元などと協議する予定。

サステイナブルツーリズムへの転換

三田友梨佳キャスター:
コミュニティデザイナーでstudio-L代表の山崎亮さんに聞きます。山梨県側の5合目まで伸びる自動車道路に次世代型路面電車を走らせるということですが、この計画どうご覧になりますか?

studio-L代表・山崎亮氏:
富士山への観光客が増えてきたということもあって、自然環境への影響というのが懸念されてきました。これは多くの観光地の悩みでもあります。大勢の人が押し寄せることによって自然環境や文化財が傷ついてしまうというオーバーツーリズムを脱却して、地域のあるがままの姿を守りながら持続可能な観光を行っていく。これは「サステイナブルツーリズム」と呼ばれますが、ここへの転換が求められる時代だと思います。今回の事業計画は、観光客のアクセス、乗り物を環境への負荷が低いものに変えていくという日本ではあまり例のなかったサステイナブルツーリズムの取り組みの1つと捉えられると思います

三田友梨佳キャスター:
計画にある往復1万円の運賃は少し高めな価格設定だと感じますが、その辺りはいかがですか?

studio-L代表・山崎亮氏:
今回の金額は環境保全のために必要な負担であると丁寧な説明やコミュニケーションがないと高いなという印象になってしまうと思います。ちゃんとした収支の透明性が担保されることが前提だと思います。その上で交通事業者だけでなく、ほかの観光事業者や行政が協力して環境保全型の観光を推進していくんだという地域の意思を示すことが重要になってくると感じます。それが出来れば、今回の取り組みが主軸を担うものだという認識が広まって、今回の往復1万円という金額に理解を示す人が増えると思います

三田友梨佳キャスター:
この構想というのは来訪者を平準化して、環境への負担を減らすために何が出来るのかというところから始まっています。観光を楽しむと同時に、環境を守ることの大切さを改めて考えていきたいと思います

(「Live News α」2月8日放送分)