島根の特産品を猫用に

魚を真空パックにした商品。ノドグロやタイなど1枚1000円弱というちょっと高級な干物だ。
だだ実はネコのおやつとして作られたもの。その開発と販売に取り組む島根発のネコビジネスを追った。

もらった魚を2匹で仲良くモグモグ。食べていたのは、ノドグロの干物。

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お値段1枚990円。高温・高圧調理によって骨まで柔らかくなっていて、まるごと食べられる。これらの商品は島根生まれの猫用品、その名も「ねっこ」。

山下桃アナウンサー:
商品を手掛けるのは、松江市にあるこちらの会社。猫の写真の看板が目印です

株式会社ポプリ。スタッフは社長の平野耕一路さんと、主にデザインを担当する安達裕香さんのみ。2人とも大の猫好き。

兵庫県出身の平野さんは、5年前に妻のふるさと松江にIターン。この「ポプリ」は、訪問介護の会社として、2020年夏まで事業を続けていたが、島根の魅力を知るうちにあるアイデアが。

株式会社ポプリ 平野 耕一路社長:
島根の特産品を使って、新しいことができるんじゃないかと思って

ビジネスのヒントを与えてくれたのは平野さんの飼い猫。

株式会社ポプリ 平野 耕一路社長:
猫を残して旅行に行ってちょっと罪悪感をもって家に帰る。それで旅を終える感じだった。お土産があれば家に「お待たせ!」って帰っていける

島根の特産品を「猫へのお土産」として売り出すことで、新たな需要を掘り起こせると考えた。

「ねっこ」ブランドの商品は現在4種類。魚の干物に、缶詰、またたび、そして勾玉が付いた首輪。いずれの商品も島根県内の会社が製造し、ポプリが商品化している。
勾玉は松江市にある「めのうの店 川島」で作られるものを卸してもらっている。

平野耕一路さん:
商売繁盛のタイガーアイとか結構出てたり

創業1877年の「めのうの店 川島」。出雲の地に伝わる「めのう細工」や「勾玉」を代々扱っている。

しかし、主な購買層は観光客とあって、2020年はコロナの影響を受けた4月以降売り上げが、前の年から7割減った。だからこそ、新たな販路に期待を寄せる。

めのうの店川島 岩橋実姫さん:
最初に聞いたときは本当にびっくり。うちの商材としては、猫ちゃんにというのは思ってなかったので、新しい発見でそこから広がっていったらいい。

仕入れた勾玉は、平野さんたちの手で猫用の首輪に。天然石を使った首輪は1800円からとお値段も人間のアクセサリー並みだが…

平野耕一路さん:
ここまでやったらやりすぎかなって思うことでも、猫好きのみなさんからしたら、もっとすごいと言われることもあるので、需要はあるんだろうなって実感してます

ペットブームに伴って関連用品の市場も拡大していて、その規模は1.5兆円以上とも言われる中、SNSの広がりで、写真映えを意識したアイテムが注目されている。

「ねっこ」ブランドの商品も、年明けにインターネット販売を始めたばかりだが、毎日3~4件の注文があり、滑り出しは上々だといいう。

平野耕一路さん:
経営的にはまだ厳しいといえば厳しいですけど、競合他社がいない状態ではあるので、この時期にいかに知名度をあげることができるかなって

島根が誇る「本物」を惜しみなく猫たちにも。特産品を全国に発信する新たなブランドの鍵を握るのは猫たちだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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